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秋吉耕佑が1日目総合トップタイム
マイケル・ファン・デル・マークは2日目に総合2番手へ浮上

2014年7月8日(火)、9日(水)・第3回公開合同テスト  会場:三重県・鈴鹿サーキット   天候:8日(水)/晴れ、9日(木)/曇りのち雨

7月27日(日)に決勝が行われる真夏の祭典「2014 FIM世界耐久選手権シリーズ第2戦 "コカ・コーラ ゼロ"鈴鹿8時間耐久ロードレース 第37回大会」(以下、鈴鹿8耐)に向けた第3回公開合同テストが、7月8日(火)〜9日(水)に三重県の鈴鹿サーキットで行われました。

  • F.C.C. TSR HondaF.C.C. TSR Honda
  • MuSASHi RT HARC-PROMuSASHi RT HARC-PRO
  • Honda Team AsiaHonda Team Asia
  • Honda Team AsiaHonda Team Asia
  • 秋吉耕佑秋吉耕佑
  • マイケル・ファン・デル・マークマイケル・ファン・デル・マーク
  • ジョシュ・ホックジョシュ・ホック
  • ロレンツォ・ザネッティロレンツォ・ザネッティ
  • ディマス・エッキー・プラタマディマス・エッキー・プラタマ
  • 伊藤真一(左)、渡辺一馬(右)伊藤真一(左)、渡辺一馬(右)
  • 安田毅史(左)、日浦大治朗(右)安田毅史(左)、日浦大治朗(右)
  • 山口辰也山口辰也

今回は、メーカー合同テストとして実施。1日目は暑いくらいの快晴となり、湿度も高かったため、鈴鹿8耐本番に向けたテストにふさわしい天候となりました。午前に60分間の走行を2回、午後には120分間の走行が行われました。2日目は、曇り空から太陽が顔を出す時間帯もありましたが、午後には心配されていた雨が降り、ウエットコンディションとなりました。午前、午後ともに90分間の走行が1回ずつ行われました。

優勝候補のF.C.C. TSR Hondaには、秋吉耕佑とジョナサン・レイのペアに加えて、スーパースポーツ世界選手権(WSS)を戦うロレンツォ・ザネッティが第3ライダーとして参加することが決定し、ザネッティは初のテストに挑みました。レイは今回もテスト不参加で、秋吉が本番に向けてのマシン調整を行いました。

MuSASHi RT HARC-PROには、WSSに参戦中のマイケル・ファン・デル・マークが参加。高橋巧はMotoGPのテストに参加したため、2日目からの参加となりました。レオン・ハスラムは、レイ同様に不参加。レイとハスラムは7月13日にスーパーバイク世界選手権第9戦アメリカがあるためにスケジュールの調整がつかず、テストなしで本番を迎えます。一方、WSSのザネッティとファン・デル・マークは、アメリカ大会の開催がないため、今回のテストに参加できました。2人は7月6日(日)のポルトガル大会を終えて鈴鹿へと移動したため、1日目の走行1回目には間に合わず、2回目の走行から参加しました。Honda Team Asiaは、前回同様にザムリ・ババ 、ディマス・エッキー・プラタマ、 ジョシュ・ホックと、第4ライダーのファディル・イマムディンが参加しました。

このほか、au&テルル・Kohara RTは7月13日(日)に開催されるMoto2参戦の長島哲太が不参加で、伊藤真一と渡辺一馬が参加。TOHO Racing with MORIWAKIは、山口辰也、國川浩道、小林龍太が、Honda DREAM RT桜井ホンダは、ジェイミー・スタファー、トロイ・ハーフォス、亀谷長純が、それぞれフルメンバーで参加。Honda 鈴鹿レーシングチームは、安田毅史と日浦大治朗が2日目のみ参加しました。

1日目の総合トップは、最終走行で2分7秒816を記録した秋吉耕佑。唯一の7秒台で、その速さをみせつけました。2番手は、走行2回目から参加したファン・デル・マークで、2分8秒331を記録しました。WSS第8戦ポルトガルでも勝利し、現在ランキングトップと好調のファン・デル・マークは、その勢いのままテストに参加。昨年の鈴鹿8耐以来の走行ながら、即座に安定した速さを示し、大きく成長したことをうかがわせました。

山口は2分8秒770で6番手、渡辺が2分9秒382で9番手となりました。初の鈴鹿となったザネッティは、1回目の走行で転倒してしまい、難コースの鈴鹿に苦戦。ケガはなく、残りの走行をこなしました。

2日目からは予定通り高橋巧が参加。午後から雨となり、多くのチームが予定していた、テスト最後の仕上げとも言うべきロングランができず、雨の状態を確認しながらコースチェックを行い、ウエットタイヤとマシンの確認をして終了となりました。2日目の総合トップは、中須賀克行(ヤマハ)で、2分7秒705。2番手には2分8秒018を記録したファン・デル・マークが浮上し、あと一歩で2分7秒台というところまでタイムを詰めました。3番手にはジョシュ・ブルックス(ヤマハ)、4番手に津田拓也(スズキ)、5番手に高橋、6番手が秋吉で、ここまでが、2分8秒台を記録しました。多くのチームはここで鈴鹿8耐に向けたテストを終了し、レースウイークで最後の調整を行って本番に挑みます。

コメント

秋吉耕佑|#11 F.C.C. TSR Honda
「8日は特にアタックしているわけでもなかったのですが、ポンと2分7秒台が出ました。9日はユーズドタイヤのテストをしていたので、タイムアップはなかったのですが、ある程度の連続周回をこなして、マシンの状態を確認しました。前回、今回と2日間ずつ、一人で懸命にできる限りのテストをしたので、やりきったと思っています。レイとはメールで連絡を取り、テストの報告をしています。レースウイークにマシンの確認をしてもらい、あとは全力を尽くすだけです」

ロレンツォ・ザネッティ|#11 F.C.C. TSR Honda
「昨年はマイケルが鈴鹿8耐で優勝するのをインターネットで見て、『やった』と喜びました。その鈴鹿に自分が来ていることは、不思議な感じがします。鈴鹿8耐は憧れのレースで、走ることができたらいいなと思っていましたが、優勝候補のチームで走るチャンスが来たことに驚いています。まだ参戦できると決まってはいませんが、チャンスがもらえるように、がんばりたいと思っています」

高橋巧|#634 MuSASHi RT HARC-PRO
「8日のテストは参加することができなくて、9日だけだったのですが、午後は雨になってタイムアップができず残念です。ロングランもできませんでした。今回はメーカーテストなので、前回に比べて参加台数が少なく、コース環境がよかったので、もっとドライで走りたかったです。マイケルと会うのは昨年の8耐以来ですが、マシンのインプレッションも、だいたい同じなので、ハスラムが合流するレースウイークに、しっかりとマシンを詰めていきたいと思っています」

マイケル・ファン・デル・マーク|#634 MuSASHi RT HARC-PRO
「昨年は優勝することができて、すばらしい経験をさせてもらいました。表彰台から見た景色は、生涯忘れることができないと思っています。チームワークやファンの声援など、スプリントレースでは味わうことのできない感動がありました。一度優勝したレースですから、勝利を狙うのは当然です。今回は、最後の雨でロングランができなかったのが残念ですが、いいテストができたと思っています。あとは、本番でみんなと力を合わせてがんばります。8耐に再び参戦できることに感謝しています」

玉田誠|#22 Honda Team Asia 監督
「ライダーたちは2分11秒台にタイムを上げてテストを終えることができました。8耐経験があるのはジョシュだけで、ほかは初挑戦。それでも、ワンスプリントの周回をこなすだけの技術も体力もあって積極的に走ってくれるので、いいテストになったと思います。監督業はライダーよりも大変だというのが率直な感想ですが、やりがいも感じています。どこにも負けない最高のチームにしたい。それが目標です」

山口辰也|#104 TOHO Racing with MORIWAKI
「最後に、もう一度國川にロングランをしてもらう予定でしたが、できませんでした。小林は走り込みができているので、レースウイークで國川にしっかり走ってもらいたいと思っています。中古タイヤでの走り込みもできていますし、準備はできたかなと思っています。小林は1.5秒も自己ベストを更新できましたし、2人とも乗りやすいマシンだと言ってくれたので、よかったです。あとはしっかり燃費計算をして、7回ピットを目指したいです」

伊藤真一|#090 au&テルル・Kohara RT
「マシンの症状を確認しながらいろいろと試してはいるのですが、今回は進歩をあまり感じることができませんでした。タイム的には一馬が9秒台に入れているのですが、まだアベレージタイムではないので、そこを上げなければ8耐では戦えません。18日のスポーツ走行で走る予定なので、そこでもう一度マシンを見直して、本番に備えたいと思っています」

亀谷長純|#71 Honda DREAM RT桜井ホンダ
「最後の走行をドライで走ることができず、ロングランができなかったのが残念です。まだセットアップが詰められていないので、レースウイークにしっかりマシンを仕上げて3人のアベレージを上げていきたいと思います。今回はトロイが初の8耐参戦なので、慣れてもらうために、なるべく多く走行してもらいました。8耐に重要な燃費計算などもこれからで、課題は多いですが、3人ともマシンに慣れ、それぞれの走りができるようになってきているので、手応えを感じています」

安田毅史|#25 Honda 鈴鹿レーシングチーム
「今回は1日だけのテストでしたが、順調にまとめられていると思います。日浦大治朗は全日本選手権のSUGO大会で初優勝し、調子が上がっています。今回も2分9秒台を出しているので、タイムを出すのは大治朗に任せようかなと思っています。できる限りの力を尽くして、上位入賞を狙いたいと思っています」