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鈴鹿8時間耐久ロードレース

第3回公開合同テストレポート

2013年7月9日(火)、10日(水)  会場:三重県・鈴鹿サーキット  天候:9日(火)/晴天、10日(水)/晴天

F.C.C.TSR Hondaが総合トップタイム。ジョナサン・レイと清成龍一で勝利を目指す
MuSASHi RTハルク・プロは高橋巧、レオン・ハスラム、マイケル・ファン・デル・マークの3人体制で挑む

真夏の祭典「2013 FIM世界耐久選手権シリーズ第2戦 "コカ・コーラ ゼロ"鈴鹿8時間耐久ロードレース 第36回大会」(以下、鈴鹿8耐)に向けての第3回公開合同テストが行われました。

  • ジョナサン・レイジョナサン・レイ
  • ジョナサン・レイジョナサン・レイ
  • ジョナサン・レイジョナサン・レイ
  • 清成龍一清成龍一
  • 清成龍一清成龍一
  • 清成龍一清成龍一
  • 高橋巧高橋巧
  • レオン・ハスラムレオン・ハスラム
  • レオン・ハスラムレオン・ハスラム
  • マイケル・ファン・デル・マーク(左)、レオン・ハスラム(右)マイケル・ファン・デル・マーク(左)、レオン・ハスラム(右)
  • マイケル・ファン・デル・マークマイケル・ファン・デル・マーク
  • 長島哲太長島哲太
  • 長島哲太長島哲太
  • 山口辰也山口辰也
  • 山口辰也山口辰也
  • 伊藤真一伊藤真一
  • 渡辺一馬渡辺一馬
  • Honda DREAM RT 桜井ホンダHonda DREAM RT 桜井ホンダ

今回は7月9日(火)に、4メーカー合同テストが3回とスポーツ走行が3回、10日(水)にはタイヤメーカーテストが2回、スポーツ走行が3回と変則的なスケジュールとなりました。出走台数は57台を数え、全日本ロードレース選手権に参戦しているチームに加え、鈴鹿4時間耐久ロードレース参戦チームも参加するなど、さまざまなマシンがテストに参加しました。9日、10日ともに午前中でも路面温度が60℃を超え、体感温度は40℃、パドックを歩くだけで汗が吹き出し、日差しが刺さるように痛い酷暑となりました。

F.C.C.TSR Hondaのジョナサン・レイは、9日の午後から走行を開始しました。走行開始直後にトラブルがありデグナーで転倒、マシンを全損させてしまうクラッシュを喫し、関係者を驚かせました。しかしケガもなく、そのあとのテストを再開。2分8秒台にタイムを入れる速さで存在感を示しました。F.C.C.TSR Hondaは、9日はレイ一人だけのテストで、マシンを乗り替えながら、黙々とテストをこなしました。

清成龍一は、英国スーパーバイク選手権に参戦しているイギリスから9日に帰国し、10日からテストに合流しました。この時点では、F.C.C.TSR Hondaで走るのか、MuSASHi RTハルク・プロで走るのかが分からなかったため、両チームのツナギを持っての鈴鹿入りとなりました。清成は、鈴鹿コースを確認するように慎重に走行を開始しますが、最終的には2分8秒台を記録。コースアウトする場面もありましたが、今年初めてとなる鈴鹿8耐テストを、レイとともに総合トップで終えました。

MuSASHi RTハルク・プロには、エースライダーの高橋巧と、レオン・ハスラムが前回のテストから継続参加。前回のテストではF.C.C.TSR Hondaで参加したマイケル・ファン・デル・マークは、今回はMuSASHi RTハルク・プロでテストに参加しました。チームは高橋を中心にテストを重ね、3人が2分9秒台を出せるところまで仕上げ、総合8番手となりました。

Honda Team Asiaは、玉田誠とアズラン・シャー・カマルザマンがアジアロードレース選手権第3戦インドに参戦するため、今回のテストには不参加となり、長島哲太が一人で参加しました。前回は3人でのテストだったため、長島はマシンに乗る機会が少なかったものの、今回は一人で黙々と走行を繰り返し、2分12秒台までタイムアップして22番手となりました。チームはこのテスト結果を踏まえて、長島を実践投入するか検討予定です。

TOHO Racing with MORIWAKIは、第3ライダーをオーディションで選考した結果、渡辺一馬が選ばれ、山口辰也、伊藤真一とともに走り始めました。伊藤は初日に時速232qの高速で転倒し、関係者をヒヤリとさせましたが、ケガもなく復帰。2日目もシケインで接触して転倒してしまいましたが、ケガはなく本番に備えます。このチームも3人が2分10秒台を記録し、バランスが取れていることを示し、順調な仕上がりをみせ、最終的には17番手でテストを終えました。

Honda鈴鹿レーシングチームからは、安田毅史/北口浩二/日浦大治朗がスポーツ走行枠で参加。日浦が最後の走行で転倒してしまいましたが、安田は2分9秒台に入れ、日浦は2分11秒台、北口も2分13秒台を記録するなど、確実にテストを重ねました。最終的には11番手につけ、鈴鹿8耐本番ではさらに上位を狙います。

Honda DREAM RT 桜井ホンダは、オーストラリアのジェイミー・スタファーが2分11秒台、ジョシュ・フックが2分12秒台とタイムアップし、総合23番手となりました。2人は本番ではさらにタイムアップを約束して帰国しました。

コメント

清成龍一 (F.C.C.TSR Honda) 「マシンもタイヤも昨年の8耐以来ですので、どれくらい攻めることができるのか探りながらの走行となりました。自分としては、もう少し追い込みながらマシンの状態を確認していました。昨年感じていたよかった部分と直したい部分を見極めて、いい方向にいけたらと思います。幸いにも、あと1日テストが残っていますので、そこでしっかりと走りたいと思っています。ここに秋吉さんがいてくれたらと思います。参戦できないことが残念ですが、チームメートだと思っています。レイとはBSBで一緒でしたし、気心も知れていますので、ペアライダーとして申し分ない相手です」

ジョナサン・レイ (F.C.C.TSR Honda)「秋吉のケガが心配ですし、本当に残念です。でも、彼をチームメートだと思っています。8耐には応援に来てくれると言っていますので、一緒に戦うつもりでいます。清成とはイギリスで一緒で、ものすごく速いライダーで尊敬していますし、信頼しています。清成と一緒に優勝できるように最大限の努力をします」

高橋巧 (MuSASHi RTハルク・プロ) 「中古タイヤでロングランをしながら9秒台まではアップできましたが、目指しているのはもっと上ですので、どういう方向にセッティングをしていくのかを考えています。ハスラムも、マークもタイムアップして9秒台まできていますので、いいレースができると思いますが、僕がもっとタイムアップして引っ張っていけるようにならなければと思っています」

レオン・ハスラム (MuSASHi RTハルク・プロ) 「今回のテストではロングランもできて、いいテストになったと思っています。帰国したあとには、足に入っているボルトを抜こうかと考えています。ケガに負けないように、筋力アップして挑みたいと思っています。優勝を目指します」

マイケル・ファン・デル・マーク (MuSASHi RTハルク・プロ) 「F.C.C.TSR HondaとMuSASHi RTハルク・プロのマシンに乗れて、貴重な体験ができました。違いはあまり感じていません。それを操るライダーの問題だと思います。どちらのチームもすばらしいと感じました。8耐に出られる、この場所にいることができるというだけでとてもうれしいし、感謝しています。タイムはもっといけるという手応えを感じていますので、8耐本番でトライしたいと思っています」

長島哲太 (Honda Team Asia) 「最後の走行では25ラップのロングランができました。9日は20ラップでピットインしてしまったのですが、暑さに慣れたことと、マシンに慣れてきたこともあって、レース周回をこなせたと思います。まだ緊張して乗っている部分もありますので、もっとリラックスして乗れるようにしたいと思います。昨年はJ-GP3で乗っていましたので、その癖が出てしまうところを克服したいです。でも、ぜひ8耐に出て経験を重ねたいので走らせてもらいたいと思っています。タイムはまだまだだと思いますが、前進できていますのでチャンスが欲しいと願っています」

山口辰也 (TOHO Racing with MORIWAKI) 「今回はオーディションをして、純粋に1番のタイムを出した一馬を選びました。伊藤さんと協力して上位を目指したいと思っています。テストでは、やりたいことがたくさんありますが、確実に前進していきたいですし、前進できるように、まだまだ努力したいと思っています」

伊藤真一 (TOHO Racing with MORIWAKI) 「転倒のダメージはありませんが、転倒でチームのテスト進行が遅れてしまった部分がありましたので、申し訳なく思っています。今回の8耐は、自分にとっても挑戦です。初めてのマシンですので、その性能を最大限に引き出せるようにしたいと思っています」

渡辺一馬 (TOHO Racing with MORIWAKI) 「山口さんは自分でチームを作り、参戦しているだけでも尊敬しているのに、トップライダーとしても走っています。伊藤さんも尊敬するライダーです。伊藤さんにはアドバイザーとしていろいろと貴重な意見をいただいています。2人のすばらしいライダーと組める8耐ですので、たくさんのことを学びたいと思っています。少しでもチームの役に立てるようにがんばります」

北口浩二 (Honda鈴鹿レーシングチーム) 「前回のテストで大治朗が転倒してマシンを壊してしまいましたので、その確認もあって慎重な走行となりました。今回のテストは気温が上がり、マシンにもタイヤにも厳しいテストとなり、マシンを見直すことができてよかったと思います。あとは本番できっちりと仕上げて上位を目指します」

ジェイミー・スタファー (Honda DREAM RT 桜井ホンダ) 「思うようにタイムを上げることができませんでしたが、レースウイークにはタイムアップしていきます。いい結果を引き寄せられるようにしたいと思っています」

ジョシュ・フック (Honda DREAM RT 桜井ホンダ) 「初めての8耐参戦になりますが、自分のレースキャリアの中に8耐を加えることができてうれしいです。今回のテストは、本当に暑くて大変でした。もっともっと体力をつけないと駄目だと思います。帰国してしっかりトレーニングをこなして帰ってきます」