“本田宗一郎杯 Hondaエコ マイレッジ チャレンジ2010 第30回全国大会”は、1リッターのガソリンで何kmを走ることができるか、燃費の限界にチャレンジする競技会。参加チーム各々が、創造力を駆使し挑戦する科学のモータースポーツとして、1981年に第1回大会が鈴鹿サーキットで開催された。以来、全国各地の中学校や高等学校、高専、専門学校、大学、社会人のチームが毎年多数参加している。

わずか一滴のガソリンも無駄にしない体験を通じ、限りある資源の大切さを体感し、またさまざまな問題や課題を創意工夫とチャレンジ精神、チームワークで克服していく貴重な研さんの機会として広く社会に認知されている。

今年で30回目を迎えるこの大会は、世界各国での開催を視野に入れ、よりグローバルな展開に適応するために、これまでの“Hondaエコノパワー燃費競技全国大会”から名称を変更している。エントリーチームは合計で449チーム。海外からは、タイ、中国、ベトナムの3カ国から4チームがニューチャレンジクラスに参加した。

競技は、ツインリンクもてぎのスーパースピードウェイのオーバルコースを、規定時間内に平均速度25km/h以上で7周(2人乗りクラス、市販車クラスは3周)走行後、ガソリンの消費量を計測し燃費を算出する。参加車両の搭載エンジンは、スーパーカブなどに搭載されているHonda 4ストローク50ccエンジンがベースとなっている(ニューチャレンジクラスのみHonda 4ストローク50cc以上150cc以下)。

• グループIV 表彰式
• グループII優勝 松栄高等学校EPL
• グループIII優勝 名城大学エコノパワークラブ
• グループIV優勝 ATP
• 2人乗りクラス優勝 宇都宮工業高校科学技術研究部
• 市販車クラス優勝 Little Cubs
• デザイン賞 チーム48
• 新人賞 TEAM しょーよー
• 30thアニバーサリー賞 T-ONE
• 30thアニバーサリー賞 TEAM LUCKY

グループIの中学校クラスには、合計21チームがエントリー。川崎市から参加した「川崎市立宮前平中学校Aチーム」が705.944km/リッターの記録で優勝。昨年まで5連覇を達成している長野県から参加の篠ノ井西中学校の「Challenger」が2位を獲得している。グループIのスタート時は、雨はあがっていたものの路面が濡れていたため走行抵抗が大きく、昨年の記録1084.487km/リッターには及ばなかった。

グループIIの高等学校クラスは、クラスで最も多い168台がエントリー。今年も激戦が繰り広げられた。優勝は、福島県から参加した「松栄高等学校EPL」で、記録は1654.556km/リッター。2位は、「千葉県立下総高等学校 自動車部B」が1645.612km/リッターを記録した。今年は21チームが1000km/リッターを超える好記録を達成した。

グループIIIの大学、短大、高専、専門学校クラスは、「名城大学 エコノパワークラブ」が1656.807km/リッターで優勝。昨年の優勝校「金沢工業大学夢考房プロジェクト」は、2位でフィニッシュした。

グループIVの一般クラスは、「ATP」が3021.720km/リッターの好記録でクラス優勝を獲得するとともに、全クラス総合の最高記録を樹立したチームに与えられる“最優秀賞 本田宗一郎杯”を受賞した。このチームのみが3000km/リッターを超える記録を達成している。

ニューチャレンジクラスは、「栃木県立矢板高等学校 OB」が、1604.418km/リッターの記録で、昨年に続き優勝。

2人乗りクラスは、「宇都宮工業高校　科学技術研究部」が954.473km/リッターで優勝を飾った。

市販車クラスは、「Little Cubs」が315.992km/リッターの好記録で優勝を獲得した。