2013年の一年間にわたって、Honda Racingを応援してくださったファンの皆さまに対する感謝の気持ちを込めたイベント「Honda Racing THANKS DAY 2013」が、11月30日(土)、栃木県・ツインリンクもてぎで開催され、国内外で活躍している二輪・四輪カテゴリーの選手が一堂に会すとともに、1万人以上のファンが集まり、大いに盛り上がりました。

今年で6回目の開催となった「Honda Racing THANKS DAY」。快晴となった当日は、朝早くから多くのファンが会場に詰めかけ、午前6時30分に入場ゲートがオープンしました。

午前中には、全日本選手権スーパーフォーミュラのマシン「SF13」のタイヤ交換をファンが体験できる「タイヤ交換チャレンジ」や、SUPER GTマシン「HSV-010 GT」や「CR-Z GT」などのドライバー席に乗り込むことができる「Honda Racing コックピット体験」、MotoGPでタイトルを獲得した「RC213V」などの二輪マシンに座れる「またがり体験」など、ファンがマシンを体感できる参加型プログラムが数多く実施されました。

特に注目を集めたのは、現役ドライバーが操るSUPER GTマシンに同乗できる「HSV-010 GT サーキット同乗体験走行」。伊沢拓也選手や松浦孝亮選手の横にファンが乗り込み、サーキットでの走行を体感しました。走行したどのマシンもレースさながらのスピードをみせ、参加したファンは大興奮。「首へかかる負担がすごくて、レースで戦う選手の偉大さを改めて感じました」、「マシンのスピードが速すぎて、降りたあとに見えるものの動きがゆっくりしています」など、レーシングマシンの魅力を改めて感じていました。

午前中には、ほかにも、今年の全日本トライアル選手権でチャンピオンを獲得した小川友幸選手を中心としたライダーたちが、人も登れないほどの絶壁などの特設セクションを華麗にライディングするデモンストレーション「トライアルスペシャル」や、二輪・四輪の歴代のマシンがコースをドライブする「ヒストリックマシン走行」などが行われました。

「ヒストリックマシン走行」は、二輪では1963年にロードレース世界選手権(WGP)に参戦した「RC164」をはじめ、1976年のヨーロッパ耐久選手権のチャンピオンマシン「RCB1000」、1997年のWGPチャンピオンマシン「NSR500」などがそろい、四輪では過去のF1参戦車が走行。F1第1期の「Honda RA301」には佐藤琢磨選手が乗り込み、「ロータス ホンダ 100T」は中嶋悟監督、「マクラーレン ホンダ MP4/6」は塚越広大選手がそれぞれドライブ。甲高いエンジン音が場内に鳴り響き、Hondaミュージックに多くのファンは聞き入っていました。

正午前にはオープニングセレモニーが開始。二輪ライダー22選手、四輪ドライバー15選手、チーム監督4人が1人ずつ紹介され、メインストレート上の特設ステージに登壇。最後に登場したのは、今季のMotoGPにおいてルーキーイヤーでチャンピオン獲得という偉業を成し遂げたマルク・マルケス選手。若きスーパースターは、この日集まった豪華な顔ぶれの中でも、ひときわ大きな声援を集めていました。

このセレモニーを皮切りに、レーシングコース上ではさまざまなイベントが繰り広げられました。「ロードレース スペシャルエキシビション」では、全日本ロードレース選手権に参戦する秋吉耕佑選手が豪快なウイリーを繰り出したり、「2&4 スーパー・パフォーマンス」では、世界ツーリングカー選手権に参戦している「Honda Civic WTCC」と今季の鈴鹿8時間耐久ロードレースで優勝した「CBR1000RR」の並走や、スーパーフォーミュラの2013年マシン「SF13」と来季参戦予定のマシン「SF14」が共演したり、ファンは普段は見られない光景を楽しんでいる様子でした。

さらに、MotoGPマシン「RC213V」とマルケス選手も登場し、レーシングコースを全力で走行。今季たびたび見せた深いバンク角でのコーナリングなどを披露し、世界最高峰の走りをファンは堪能していました。

この日のイベントは終盤に差し掛かっても、次々とプログラムが実施され、特別エキシビジョン「Honda Racing スペシャル・レース」では、市販車ベースの四輪車「N-ONEレーススタディモデル」と二輪車「CBR250R」が、リレー形式のワンメイクレースを繰り広げました。N-ONEレーススタディモデルをドライブしたガブリエーレ・タルクィーニ選手は「走行性能の高さに驚きました。このマシンで多くの人にレースの楽しさを知ってほしいですね」と、来季、参加型モータースポーツプログラムも開催される予定のマシンモデルの性能を高く評価していました。

さらにプログラムは続き、今季でその役目を終えたSUPER GTのGT500マシン「HSV-010 GT」と、GT300クラスでチャンピオンを獲得した「CR-Z GT」による「SUPER GT ファイナル・バトル」が開催。Hondaから参戦したGT500クラスの5台と、GT300クラスの2台が勢ぞろいし、本番と同じローリングスタート方式でレース開始。HSV-010 GTには、WTCCドライバーのティアゴ・モンテイロ選手とガブリエーレ・タルクィーニ選手も乗り込んで参加するなど、ここでしか見られないバトルが繰り広げられました。

最終ラップでは、トップを独走していた小暮卓史選手の駆るRAYBRIG HSV-010が突如スローダウンし、後ろから追いかけていた4台と合流。HSV-010 GT全5台が並んでチェッカーを受ける粋な演出をみせ、HSV-010 GTのラストランを飾りました。小暮選手も「HSVの最後は、美しく飾りたいと思っていました」とコメントし、多くのファンの感動を誘っていました。

そして、この日の最後の走行プログラムとして「NSX CONCEPT-GT スペシャル・ラン」を実施。来季からSUPER GTシリーズのGT500クラスに参戦する「NSX CONCEPT-GT」のほか、今季マシンの「HSV-010 GT」と2007年にチャンピオンを獲得した「NSX-GT」がデモンストレーション走行を行いました。

フィナーレでは、この日参加した選手とマシンがコース上にそろい、スーパースピードウェイをパレード走行。その後、全選手が再びステージ上に並び、今季の応援への感謝と来季のさらなる健闘を誓って、イベントは幕を下ろしました。

コメント

マルク・マルケス選手(ロードレース世界選手権 MotoGPクラス チャンピオン)

「日本に来るときには、いつも特別な気持ちです。昨年のHonda Racing THANKS DAYと今年の日本GPは雨でしたが、今日は天気がいい中で、気持ちよく走行できました。ベストのライディングが披露でき、ファンの皆さまにとっても、いい一日となったのではないでしょうか。今季は、(ダニ)ペドロサ選手や(ホルヘ)ロレンソ選手(ヤマハ)に打ち勝ってチャンピオンになるという非常に難しいことに挑み、自分のレースキャリアの中で最もタフな一年になりました。来年も一生懸命がんばって、再びタイトルを獲得できればと思っています」

ガブリエーレ・タルクィーニ選手(世界ツーリングカー選手権 ランキング2位)

「Hondaのドライバーとして、このようなイベントに参加できてとてもうれしいです。日本のファンの皆さまの情熱は、私の母国イタリアのファンにも引けをとらないものだと思います。今年は、HondaのWTCCにおける初勝利や、Honda Civic WTCCによる表彰台独占など、思い出深い一年となりました。来年はWTCCのレギュレーションが変更され、新たに強力なライバルも参戦するなど、大変なシーズンになると思いますが、さらに勝利を積み重ねていけるようにがんばります」