| Honda Racing F1 Teamは、先週のスペイン・バルセロナに続いて、今週からはスペイン南部のヘレスにおいてテストを敢行した。
今週のテストからは、コンセプトカーを2台投入し、新型V8エンジンの熟成を中心に、タイヤや空力パッケージ評価などのテストプログラムが組まれた。
今回テストに参加したドライバーは、ジェンソン・バトン、アンソニー・デビッドソン、ジェームズ・ロシターの3人。2台のマシンで合計2,423km、547周を走破するなど、抜群の信頼性を披露した。チームはこの週末の短い休息をはさんで、来週水曜日から再びヘレスサーキットにおいて、今年最後テストを実施する。
テスト初日の水曜日は、デビッドソンが078-07号車を駆って、エンジン、車体のセットアップ作業およびタイヤ評価プログラムをこなした。彼はこの日だけで、実に103周を走行。一方ロシターは、完成したばかりの078-08号車に乗り込み、シェイクダウン走行などで81周を周回した。
木曜の朝からは、バトンがテストチームに合流し、078-07号車のステアリングを握った。基本セットアップ作業を終えてからは、タイヤ評価テストに集中。70周を走行し、総合2番手タイム。V8エンジン勢の中ではトップタイムの速さを見せた。ロシターは2台目のコンセプトカーで走行を続け、68周をこなした。
最終日の金曜日は、ロシターに代わってデビッドソンが078-08号車に乗り込み、タイヤとエンジンの評価テストに集中した。デビッドソンは、この日も103周を周回。一方のバトンも121ラップを走破した。
■ジェンソン・バトン
「今週のヘレスでは、予定していたプログラムをほとんど消化でき、前回に続いて有意義なテストになった。最終日の今日は121周を走って、トラブルらしいものは何も出なかったよ。車体のセットアップやエンジン、タイヤの開発テストに集中しているけれど、良い感じに進んでいる。昨日はV8勢で最速タイムを出せて、勇気づけられたよ。今のところ全てが順調に進んでいるけれど、もちろんやるべきことはまだ山ほどあるよ。来週の今年最後のテストにも、期待しているよ」
■アンソニー・デビッドソン
「良いテストだったね。主にタイヤテストに焦点を合わせて、ミシュランのさまざまな構造のタイヤを試したほか、空力性能の評価も行なった。全般的にマシンは速いし、V8エンジンは抜群の信頼性を発揮している。僕だけで、1,100kmも走り切ったよ」
■ジェームス・ロシター
「再びテストチームに戻って、F1マシンをドライブできるのは素晴らしいことだった。今回は主に、出来上がったばかりのシャシーのセットアップ作業に専念した。そのおかげで、V8エンジンを搭載したマシンの挙動を、さらに学ぶことができたよ。マシンは信頼性十分で、全く問題は出なかった。新型エンジンも、順調だよ」
■マーク・エリス チーフテストエンジニア
「今週のヘレステストは、実に順調だった。2台のコンセプトカーは、どこにも不具合が出ず、おかげでびっしり詰め込んだ開発プログラムも、ほとんど消化できた。2006年に向けて解決すべき問題に関して、我々は実に多くのヒントを得ることができた」
■中本修平 Honda Racing Developmentエンジニアリングディレクター
「バルセロナの結果をふまえ、ドライバビリティなどで改良を施したのですが、今回はそれに関してドライバーから貴重なフィードバックを得ることができました。テスト全体をみても、非常に順調でした。開発テストということで、限界を見極めるためにエンジンを極限まで酷使し、その結果やはり壊れました。その対策はすでに準備できていますし、さらにパワー向上を目指すアイデアも、いろいろと温めています」 | 
