B・A・R Hondaは先週3日間、バルセロナのカタロニアサーキットでシーズン終盤3戦に向けての集中テストを行った。
今回のテストはB・A・R Hondaだけの単独テストとなり、そのアドバンテージを十分に活かし、今後の性能向上に寄与する空力パーツのテストに専念した。また、今後のレースに投入予定のタイヤ評価、そしてHondaエンジンの最新バージョンの実走テストも行われた。さらにチームは2006年に向けた電子制御システムの開発テストも並行して実施している。
それらに加えB・A・R Hondaは、若手ドライバープログラムに参加しているアダム・キャロルとジェームズ・ロシターに、各2日間テスト走行の機会を与えた。
テスト初日はエンリケ・ベルノルディとキャロルがB・A・R Honda 007のステアリングを握った。全般的なマシンセットアップと足回り、タイヤ評価などを行った。それぞれ86周と70周を走ったものの、昼過ぎににわか雨に見舞われ、一時走行が中断された。一方ロシターは2006年用開発マシンで26ラップ周回。初走行のバルセロナながら、何度も心強いタイムを出して見せた。
青空が広がり気温も上昇した水曜日にはバトンと佐藤がテストに合流。2人は空力、タイヤ評価、ブレーキテストなどのメニューをこなし、それぞれ125、124周を周回。その間ロシターは、前日と同じマシンで来季に向けた開発に専念し、59周をこなした。
バトンと佐藤は3日目もテストを続け、周回数はそれぞれ109周と136周だった。またこの日はキャロルが開発マシンを担当し、53周をこなした。
■ジェンソン・バトン
「バルセロナの2日間は、みっちり走り込んだよ。かなりの周回をこなして、終盤3戦に向けての準備もずいぶん進んだ。僕は空力評価とHondaエンジンの最新バージョンを担当した。良い結果が出ただけに、ブラジルのレースが楽しみだ」
■佐藤琢磨
「今回は主にタイヤと空力評価に専念しました。両方のメニューとも順調に進んで、かなりの手応えが得られました。終盤3戦は十分にダウンフォースを付けて走るサーキットが続きますが、バルセロナでは新開発パーツのテストに最適なコースでしたね。走り出しは路面が若干濡れてましたが、すぐに完全ドライになって、その後は順調にテストが進みました。全般的に良い結果の出たテストでした」
■エンリケ・ベルノルディ
「ほとんど2ヶ月ぶりの走行だったけど、火曜日は良い走りができたと思う。午前中は天気も良く、空力評価をしながら81ラップをこなした。しかし午後は残念ながら雨のため、タイヤプログラムをやり終えることができなかった。とはいえテストは順調で、セットアップに関する良いデータが取れたよ」
■アダム・キャロル
「僕が初めて走ったバルセロナは、おそらく世界でもっとも難易度の高いコースのひとつだと思う。でも良いテストだったよ。テストのマシンと来年に向けての開発マシンの両方を運転する機会に恵まれたしね。午後は開発マシンで15周の計測ラップをこなした。これは肉体的にはかなりキツかった。特に首に来たね。GP2でレースした時より、はるかに大変だったよ」
■ジェームズ・ロシター
「2006年用開発マシンをドライブしたけれど、F1に慣れるのと自分自身の技術を磨く両方の点で、すごく良い機会になった。この2日間でずいぶんたくさんのことを学んだし、走るたびにラップタイムもどんどん速くなっていった。カタロニアサーキットを走るのは初めてだったけれど、楽しかったよ。ヤングドライバープログラムの僕たちを信頼し、この機会を与えてくれたB・A・R Hondaの皆に、深い感謝の気持ちを伝えたい」
■マーク・エリス B・A・R Hondaチーフテストエンジニア
「今季終盤3戦を目指す3日間のテストを、大部分は素晴らしいコンディションで行うことができた。車体とエンジンの双方から得られたデータは実に心強いものだった。今週参加した若手のジェームスとアダムも、賞賛に値する走りを見せてくれた。速いだけでなく安定していたし、技術的なフィードバックにも優れていたと思う」
■中本修平 Honda Racing Developmentエンジニアリングディレクター
「最新スペックエンジンは全くトラブルフリーで、非常に生産的なテストでした。このエンジンは、鈴鹿GPに投入される予定です」 |
