Honda Racing

MOVIE 2008

FORMULA1

FORMULA1
ロス・ブロウン
Ross Brawn
ホンダ・レーシング・エフワン・チーム
Honda Racing F1 Team

開幕に向けたマシンの進化について

2008年のマシンは、始動の段階では、ごく基本的な空力装備しか備えていませんでした。一刻も早くサーキットで走らせ、システムをチェックし、信頼性を確保したかったですし、エアロダイナミクス・チームに開幕戦に向けての開発のために最大限の時間を与えたいと考えました。
ですから、前回のヘレスがレース仕様のエアロ・パッケージを装着して行った初めてのテストとなりましたが、マシンのパフォーマンスを向上させる、とても実りのあるものとなりました。
想定していた目標に近いパフォーマンスを達成することができ、とても自信を持ちました。これは非常によい兆候だといえます。
なぜならこの結果は、この先も空洞や空力チームで行われた開発が、サーキット上でのよいパフォーマンスに直結する、ということを意味しているからです。

レース戦略のポイント

戦略は、マシンやタイヤのパフォーマンス、ドライバーの能力、レースの条件など、非常に多くの要素によって決定されます。
戦略とはレースに関わるすべての事象を数学的、工学的に測定し、最も効率的なレース展開を決定することです。
人為的ミスも考慮に入れ、それがレースにどう影響するかも考えなくてはなりません。ドライバーの自信や熱意も大切な要素です。また、セーフティー・カーが何回投入されるかなどの、主観的な予測も必要となります。
ですから戦略とは、多くの点で数学的な演算の結果といえますが、経験や主観的観測によって修正されるものでもあります。そこが面白いところなのです。
数学的演算の段階ではほとんどの人が、同じレース戦略にたどり着きますが、主観的な判断は人それぞれです。そしてその点こそ、私が最も興味深く感じているところなのです。

レースウィークでは、ドライバーをよく観察する?

もちろんです。どんなに完ぺきな戦略であっても、ドライバーがそれをこなせなくては意味がありません。
そういう場合は、ドライバーの能力を最大限に引き出せるように、戦略を修正しなくてはなりません。たとえば燃料を大量に消費する戦略の場合、タイヤやブレーキにも常に気を使わなくてはなりません。
そういった状況をコントロールできないドライバーにとって、これはよくない戦略といえるでしょう。しかしそうしたコントロールが得意なドライバーがいれば、この戦略をさらに進めていくことも可能なのです。
このようにドライバーは、戦略を立てる上で非常に大切な要素なのです。

Hondaで戦うことの心境

モータースポーツにおいて非常に長い歴史を持ち、偉大な「財産」を持つHondaチームに所属できたことに強い感慨を覚えています。
「HondaのDNAにはレースが組み込まれている」というのは過大評価ではなく、実際に、レースに関する莫大な財産を持ったチームだと感じています。
また、技術面やマネジメント、会社の運営面でも、力強い歴史を持った組織である、という点も私にとっては重要です。
そんなHondaチーム、Hondaファミリーに参加できることをとてもエキサイティングに感じています。強いエンジニア哲学を持った企業に参加することは、私にとって大事なことでした。
私はレースに挑むことがどれだけ困難であるかを知っていますので、そんなHondaチームの一員になれたことをとてもうれしく思っています。

ファンのみなさまへのメッセージ

先ほどお話したように、マシンもチームも、冬に行ったテストよりもさらに強くなると考えています。
今後数シーズンに渡り、大きな困難が待ち受けていますが、私たちにはHondaが成功を収めるためのプランがあります。
時間はかかるかも知れませんが、私たちがこの野心を達成するためには、みなさんのサポートが必要です。
私にはこれを達成する自信がありますが、そのためには、ほかの偉大な事業と同様に、我慢をしなくてはなりません。
Hondaはすばらしいスピリットと、大きな情熱を持ったチームです。私たちはすでにF1で成功することを決意しました。今までの、そしてこれからのHondaに対するサポートに感謝します。
ほんの少しの辛抱です。私たちは常に前進を続けていますが、F1で成功するというのは甚大な努力を必要とする偉大な挑戦なのです。