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2016.07.17 全日本トライアル選手権 第5戦 日本 わっさむサーキット(北海道)

[IAS] 小川友幸、死角なし。圧倒的強さで4勝目

[IA] 今シーズン4人目の勝者に寺澤が輝く

[LADIES] 小玉が2戦連続で2位表彰台に登壇

2016年7月17日(日)・決勝 会場:わっさむサーキット(北海道) 天候:晴れときどき曇り、一時雨
気温:28度 観客:800人 セクション:泥・斜面・岩
IAS レポート

7月17日、全日本選手権第5戦の北海道大会は、毎年この時期に恒例の一戦です。天気は曇りの予報でしたが、スタートの頃にはすっかり雲が切れ、日差しの強い一日となりました。日が陰ったり風が吹けば心地よいものの、暑い中での戦いでライダーの体力の消耗は激しいものとなりました。

小川友幸小川友幸

小川友幸小川友幸

セクションの難易度は易しめ。小川友幸(Honda)は、この大会をオールクリーンしようと思って試合に臨みました。自身、まだ一度も果たしていないオールクリーン、今回はその可能性のあるセクションでした。

第2セクション、大きなコンクリートブロックを越えた小川は、勢いをつけすぎ、着地でバランスを崩します。しかし必死にこらえて、ここをクリーン。足をついていれば、流れは変わっていたかもしれないというワンシーンでした。

小川友幸小川友幸

小川友幸小川友幸

続く第3セクションは、険しい岩のポイントが連続していて、特に2つ目が多くのライダーをはじき返していました。小川毅士(ベータ)、黒山健一(ヤマハ)など、ライバルもここで5点。しかし、小川は野崎史高(スコルパ)とともにここをクリーンし、序盤から好調をアピールしていました。

第4セクションは今回の最大難所の一つ。ヒューム管に飛び移る最後のポイントが特に難所でした。小川はこのヒューム管から降りるときにバランスを崩し、今度は足が出てしまいます。2点。しかしこのセクション、ライバルはみんな5点で、ここでの2点は大きなアドバンテージをもたらすことになりました。

土の斜面の第5セクションをトップグループのほぼ全員がクリーンで抜けたあとの第6セクション。ここは唯一水で湿ったセクションで、岩に向かうポイントが濡れていて、発進を難しくしています。ここで、野崎、黒山が5点に。小川はこのセクションを華麗にクリーンして、いよいよ独走体制を築いていきます。

第7以降は、トップライダーにとってはクリーンセクションでした。高い岩越えなど、もちろん難所はあるのですが、これに手こずっているようでは、全日本のトップ争いはできません。上位4名は、7から10までの4セクションを、すべてクリーンで抜けていきます。

小川友幸小川友幸

1ラップ目、小川の減点は第4セクションでの2点のみ。2番手の野崎は10点、黒山が11点、小川毅士が14点と、2番手以下はなかなかの接戦。それだけに、小川の好調ぶりが際立っています。

2ラップ目、小川に追いつき、追い越したいライバルたち。しかし小川が減点をしなければ、ライバルがいくらいい走りをしても、1ラップ目に築いたリードは減りません。そんな中、黒山は第3セクションで、野崎は第4セクションで失点。さらに第6セクションでも失点がありました。小川は一切足を出すことなく、試合を進めています。

そして、なんと小川は10セクションすべてをクリーンしてしまいました。黒山、野崎ともに減点を減らしはしたものの、それぞれ6点と7点で、トータルではどちらも17点。2番手争いは大接戦となりましたが、2ラップを終え、その点差は15点。2セクションによるSSの勝負を待つことなく、小川は勝利を決めました。

野崎と黒山にとっては2位決定の舞台となったSSは、小川にとっては有終の美を飾る花道です。SS第1はトリッキーな岩越えに手こずるライダーが多く、なかなかクリーンは出ません。小川は最後の最後に見事なクリーンをみせてくれました。

そしてSS第2。こちらはSS第1に比べるとクリーンがちらほら出ていましたが、やはり最後にトライした小川の安定感は別格。野崎に15点差、黒山に20点差の大差をつけて、小川はシーズン4勝目を挙げました。

残すは2戦。第6戦中部大会は10月なので、少し間が空くことになります。小川が4勝を挙げたのに対し、ランキング2位の黒山と3位の野崎が順位を奪いあっているため、小川のポイントリードは13点に広がっています。

IA レポート

IAクラスでは4人目の勝利者が誕生しました。4人ともHondaライダー。今回の勝利者はベテランの寺澤慎也。最近はチーム代表としての活躍も精力的に行っていますが、ライダーとしてもまだまだ現役です。寺澤は、中国大会で持病の腰痛を悪化させていて、その回復とともに訪れたのが今回の勝利でした。

今シーズン2勝を挙げていた小野貴史(Honda)は今回は8位。1勝を挙げている村田慎示(Honda)は4位。この結果、ランキングは小野と村田と、高校生の久岡孝二(ガスガス)の3人が同点で並ぶことになりました。

シーズン終盤戦、こちらの争いも注目です。

寺澤慎也寺澤慎也

村田慎示村田慎示

LADIES レポート

今回は4名が参加。西村亜弥(ベータ)が今大会も勝利し、有効得点制で競われるレディース選手権では今回早くもタイトルが決定ということになりました。
小玉絵里加(Honda)は2位。小谷芙佐子(スコルパ)との接戦を制して勝ち取った表彰台でした。

小玉絵里加小玉絵里加

IAS コメント

小川友幸(優勝)
「ようやく、集中したいい走りができました。しかしやりたかったオールクリーンができず、大満足というところには至っていません。オールクリーンの可能性のある大会というのはそんなにあるものではないので、今回はチャンスだと思って取り組んだのですが残念でした。勝利とタイトル争いについてはいい材料ですが、まだまだ取り組むべきところは多くあります」

IAS リザルト
順位 No. ライダー マシン タイム減点 総減点 クリーン数
11小川友幸Honda0221
23野崎史高スコルパ01718
32黒山健一ヤマハ02216
44小川毅士ベータ03113
55柴田暁ヴェルティゴ03513
67野本佳章ベータ04711
912斎藤晶夫Honda0628
1311砂田真彦Honda0802
IA リザルト
順位 No. ライダー マシン タイム減点 総減点 クリーン数
1 6 寺澤慎也 Honda 0 10 14
2 13 久岡孝二 ガスガス 0 14 15
3 7 磯谷玲 ベータ 0 15 16
4 2 村田慎示 Honda 0 15 15
5 8 平田貴裕スコルパ0 16 16
6 10 平田雅裕スコルパ 0 16 16
8 24 小野貴史 Honda 0 20 14
13 19 松浦翼 Honda 0 39 6
16 17 高橋由Honda0 46 5
17 41 鈴木克敏Honda0 50 4
26 50 多田雅志Honda0 880
LADIES リザルト
順位 No. ライダー マシン タイム減点 総減点 クリーン数
16西村亜弥ベータ 0 9 16
22小玉絵里加Honda 0 32 7
31小谷芙佐子スコルパ 0 33 7
4 4 佐々木淳子 ベータ 0 53 5
IAS ポイントスタンディング
順位 No. ライダー マシン 総合ポイント
- 1 1 小川友幸 Honda 97
- 2 2 黒山健一 ヤマハ 84
- 3 3 野崎史高 ヤマハ 79
- 4 4 小川毅士 ベータ 65
- 5 5 柴田暁 ヴェルティゴ 53
- 6 6 田中善弘 ベータ 48
9 12 斎藤晶夫 Honda 30
- 13 11 砂田真彦 Honda 6

ランキング詳細

IA ポイントスタンディング
順位 No. ライダー マシン 総合ポイント
- 1 24 小野貴史 Honda 73
- 2 2 村田慎示 Honda 73
- 3 13 久岡孝二 ガスガス 73
4 1 永久保恭平 ベータ 57
5 7 磯谷玲 ベータ 50
6 11 本多元治 Honda 48
8 6 寺澤慎也 Honda 43
10 3 徳丸新伍 Honda 29
16 19 松浦翼 Honda 7

ランキング詳細

LADIES ポイントスタンディング
順位 No. ライダー マシン 総合ポイント
- 1 6 西村亜弥 ベータ 100
- 2 2 小玉絵里加 Honda 81
- 3 1 小谷芙佐子 スコルパ 77
- 4 3 稲垣和恵 シェルコ 46
- 5 5 寺田智恵子 シェルコ 44
- 6 4 佐々木淳子 ベータ 41

ランキング詳細

IAS

小川友幸

小川友幸

小川友幸

小川友幸

小川友幸

IA

寺澤慎也

村田慎示

LADIES

小玉絵里加