小川友幸が圧勝。2連勝を果たし、シリーズをリードする

2015年5月17日(日)・決勝　　会場：矢谷渓谷トライアル場(熊本県)　　
天候：晴れ　　気温：28℃　　観客：1380人　　セクション：土・岩

第2戦近畿大会で今シーズン初勝利を果たした、2014年の全日本チャンピオンである小川友幸(Honda)が、第3戦九州大会でも勝利しました。2連勝で、シリーズポイントでは2位の黒山健一(ヤマハ)に5点のリードをつけました。

• 小川友幸
• 小川友幸(中央)
• 小川友幸
• 小川友幸
• 小川友幸

会場となった矢谷渓谷トライアル場は、大きなツルツルの岩がたくさん並ぶ、文字通りの渓谷。近ごろの全日本では珍しい、自然の地形との戦いとなりました。5月16日(土)の午前中まで雨が降っていたこともあって、厳しいトライアルが予想されました。そんな中、小川は序盤から好調な走りを披露。第3セクションから始まる河原での難セクションを、確実に走破してライバルに差をつけます。第6セクションの5点で、一時は黒山に逆転されますが、次の第7セクションをクリーン。ここで黒山が5点となったことで、再びトップに立った小川は、その後は一度もポジションを譲ることなく、2連勝への道を突き進みました。

1ラップ目、小川が失敗して5点となったセクションは2つ。第6セクションと、第10セクションでした。1ラップ目の第6セクションは、黒山以外の全ライダーが5点。第10セクションは全員が5点でした。2ラップ目、小川はまず第6セクションを美しくクリーン。ここは小川だけがクリーンでした。第10セクションは2点の減点で走破し、2ラップ目は5点が皆無という、完ぺきに近い試合運びとなりました。

今回の試合は11セクション(12セクションのうち、国際B級のみがトライするセクションが1つ)を2ラップと、スペシャルセクション(SS)が2つ。11セクションが2ラップとも終わった段階で、小川の減点合計は20点でした。そして、小川を追う黒山と野崎史高(ヤマハ)はともに36点。小川が残る2つのSSで5点ずつとなっても、黒山と野崎に逆転の目はありませんでした。小川の2連勝は、この時点で決していました。

そんなSSでは、ちょっとしたハプニングが。トップライダーにとって、クリーンして当然と目されていたSS第1で、小川が5点となってしまったのです。すでに勝利が決まっている中での失敗であり、笑いとともにセクションが終わりました。勝利が決まった安心感が、小川からわずかに集中力を奪っていたのかもしれません。このように、少しの気持ちの揺らぎが、ライディング大きな影響を与えるのが、トライアルの難しいところです。

SS第2では、そそり立つ岩に強豪がことごとくはね返されて5点となる中、小川ただ一人が走破して2点。結果、小川は2位の黒山に14点の大差で、2連勝を果たしました。

次戦の北海道大会は、小川が得意とする場所。シーズン3連覇に向けて、次戦も小川の走りに注目です。

コメント

小川友幸(優勝)
「今回は、想定外の5点が少なかったのが勝因だと思います。第10セクションは無理だと思っていましたので、1ラップ目の5点はしょうがないです。ですので、想定外は第6セクションだけだったわけです。スペシャルステージでは、第1はクリーンするものと思っていて、第2をなんとしても走破したい、クリーンしたいと考えていました。走破はしましたが、クリーンでクリアしたかったです。2連勝して、ランキングにおいて少し楽になりましたが、アドバンテージを握れるのは3勝してからだと思っています。ですのでもう一つ、気を引き締めて勝ちにいきます」

決勝リザルト

ポイントスタンディング