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April 20 2014, RACE All Japan Trial Championship Meihan Sports Land
名阪スポーツランド
2014年4月20日(日)・決勝 会場:奈良県・名阪スポーツランド 天候:曇り、ときどき小雨
気温:8℃ 観客:2150人 セクション:土、岩
ゼッケン1を付けた小川友幸(Honda)が、開幕戦に続いて第2戦近畿大会でも快勝しました。小川友幸にとって初めての開幕2連勝であり、ポイントスタンディングでも2位に8点差となるリードを築いています。シーズンはまだ始まったばかりですが、全日本トライアル選手権2連覇に向け、幸先のいい戦いが続いています。
第2戦は奈良県の名阪スポーツランドで行われました。モトクロスコースとロードサーキット周辺に10セクションが配置されており、国際A級はそのうち8セクションを3周します。さらに国際A級スーパークラスには、試合後に2セクションのスペシャルセクションが用意されています。
国際A級と同一セクションで、ほぼ全員がクリーンした第1セクションを終え、第2セクションに入りました。ここでは厳しい斜面の登りがライダーたちを悩ませました。そんな中、野崎史高(ヤマハ)が美しく走破してクリーン。そのあとにトライした小川友幸はまさかの失敗となり、5点となってしまいます。そして、黒山健一(ヤマハ)がここを1点で抜けていきます。この時点で、小川友幸はライバルたちにリードを許してしまいました。
第3セクションは野崎が1点で、これによりトップは黒山と野崎のヤマハ勢となり、小川友幸は4点差を追いかける形となりました。第4セクションでは小川友幸と野崎がそろって5点。また、黒山はここを1点で抜けていきます。序盤4セクションが終わったところで、トップは黒山の2点。野崎が6点、さらに小川毅士(ベータ)が8点で続き、小川友幸は10点で4番手となりました。
実は、小川友幸は事前に「今回の試合は限りなくオールクリーンに近い勝負になるのではないか」と予想していました。しかし、さすがに2度の5点は致命的です。ここからどのような戦いをしていけば、ばん回ができるのかといったことも含め、ここは踏ん張りどころでした。
そして、第5セクションからは流れが逆転します。小川毅士がクリーンし、小川友幸は1点でしたが、野崎が3点、黒山が5点となり、トップの2人がそれぞれ減点を背負いました。
さらに、第7セクションの直角の壁を登っていくセクションでは、小川毅士が5点、黒山が1点を取り、四つ巴(よつどもえ)の戦いは1点を争うものになってきました。
第8セクションでは黒山と小川毅士が5点の減点。ここまでのトップは野崎で9点。これにより黒山の順位が3番手に後退し、代わって2番手に浮上したのが小川友幸でした。1ラップ目のトップは野崎で9点、小川が11点、黒山が13点と接戦が続きます。小川毅士は21点と、トップ争いからはやや後退した印象です。
2ラップ目は黒山が第2セクションで5点、第3セクションで野崎が1点、さらに第4セクションで野崎が5点となります。ここで小川友幸が流れに乗り、第4セクションで2点、第7セクションで1点を取り、2ラップ目の減点はこの2カ所のみとしました。野崎の9点、黒山の10点を引き離し、この時点でトップを快走します。2ラップを終えたところで、小川友幸のリードは2番手の野崎に対し4点差、黒山には9点差をつけます。まだ油断はできませんが、勝利を意識できる点差になりました。
そして、3ラップ目。ここで小川友幸の実力が遺憾なく発揮されます。野崎、黒山ともに3ラップ目の減点は3点。ここまでの2ラップに対し、ライバルたちは大幅に減点を減らしてきました。しかし、小川友幸は3ラップ目には8セクションすべてのセクションをクリーンする快進撃。これにはライバルたちも脱帽する以外にありませんでした。
3ラップ目を終え、小川友幸の減点が14点、野崎21点、黒山26点とします。黒山が小川友幸に逆転して勝利する可能性はなくなりました。残る2セクションによるスペシャルセクション(SS)での攻防は、野崎に対し7点のアドバンテージを守れるかどうかに注目が集まりました。
SSは第8セクションと第10セクションを若干修正して設定されていました。難度はやや高くなっていますが、トップライダーにとっては走破不可能なものではないということです。最初のヒルクライムセクションはトップの3人がクリーン。田中善弘(ベータ)が3点。そのほかは5点となりました。あと1セクションを残して、小川は野崎に対して7点リードを築いたことになり、ここで優勝が決定します。最後のセクションは、小川が5点となっても結果は変わりません。
最終セクション。大きなブロックに飛び乗るように設定変更されたポイントは、ライダーを次々にはじき返します。野崎と黒山は、まだ2位表彰台を巡って競り合いが続いています。先にトライ順が回ってきたのが野崎でした。しかし、野崎はブロックを上れず、ここを5点としました。続いて黒山がここをクリーンするならば、野崎と同点となり、クリーン数の差で黒山が逆転2位となる計算になります。しかし、黒山は野崎と同じように失敗し、5点となってしまいました。
最後に小川友幸のトライ。すでに小川友幸は勝利が決まっていて、ここでは思いきり走ればいいだけでした。そして見事に上りきり、最後を締めくくりました。終わってみれば、野崎には12点差、黒山選手にはダブルスコア以上となる17点の大差をつけての圧勝です。
ランキングでは2位、3位が開幕戦と順位を入れ替えたため、小川友幸が頭一つリードしました。開幕から2戦を終えた時点で、8点のリードを築けたことは、今シーズンのこれからの戦いに向け、明るい材料となっています。
小川友幸(優勝)
「ミスが全くなく試合が進むとは思っていませんでしたが、序盤に5点を2つとったときには正直、焦りました。しかし、そこから我慢のトライアルができたところが、今日の勝利につながったと思います。3ラップ目はすべてのセクションをクリーンでき、いい一日になりました。今シーズンはこの勢いでがんばりたいと思います」
順位 | No. | ライダー | マシン | タイム減点 | 総減点 | クリーン数 |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | 1 | 小川友幸 | Honda | 0 | 14 | 21 |
2 | 3 | 野崎史高 | ヤマハ | 0 | 26 | 14 |
3 | 2 | 黒山健一 | ヤマハ | 0 | 31 | 15 |
4 | 4 | 小川毅士 | ベータ | 0 | 54 | 10 |
5 | 5 | 田中善弘 | ベータ | 0 | 76 | 7 |
6 | 6 | 柴田暁 | Honda | 0 | 78 | 7 |
7 | 10 | 斎藤晶夫 | Honda | 0 | 85 | 6 |
順位 | ライダー | マシン | 総合ポイント |
---|---|---|---|
1 | 小川友幸 | Honda | 40 |
2 | 野崎史高 | ヤマハ | 32 |
3 | 黒山健一 | ヤマハ | 32 |
4 | 小川毅士 | ベータ | 26 |
5 | 田中善弘 | ベータ | 21 |
6 | 柴田暁 | Honda | 21 |
7 | 斎藤晶夫 | Honda | 17 |