ファクトリー仕様のRTL260Fで小川友幸がシーズン3勝
自身初の2連覇を果たし、Hondaマシンの実力を証明する
全7戦で争われた2014年の全日本トライアル選手権は、ディフェンディングチャンピオンの小川友幸(Honda)が3勝を挙げ、自身初の連覇を果たしました。
今シーズンの小川の愛車は、昨年に引き続きRTL260F。トライアル世界選手権をHondaのワークスライダーとして戦う、藤波貴久やトニー・ボウと同じ仕様のマシンです。
茨城県の真壁トライアルランドで行われた開幕戦。これまで3度チャンピオンに輝いてきた小川ですが、ゼッケン1を付けて臨む開幕戦では、優勝経験がありませんでした。しかし、この大会では、そんなジンクスを跳ね返す走りを披露します。1ラップ目の第3セクションで単独トップに立った小川は、ラップの終了時点でわずか2点の減点。2位に12点もの差をつけると、その後もトップの座から転落することなく、優勝を果たしました。ゼッケン1を付けての開幕戦初勝利は、小川のタイトル連覇を期待させるものになりました。
第2戦でも勝利した小川ですが、第3戦では2点差で惜しくも2位に。それでも、ポイントランキングでは依然1位をキープしていました。
1カ月半の長いインターバルを挟んで開催された、北海道・わっさむサーキットでの第4戦では、またも小川が輝きます。例年と比べて、どのセクションも大幅に手を加えられたこの大会。小川は新設された難セクションを唯一クリーンで通過するなどし、1ラップ目の終了時点で減点は6。2位に6点差をつけました。続く2ラップ目では、その走りがさらに完ぺきに近づき、わずか1点の減点となりました。最終的に、2ラップ10セクションと2つのスペシャルセクションを12点の減点でクリアした小川。2位に14点の大差をつけての圧勝でした。
第5戦と第6戦で2位となり、しっかりポイントを積み重ねた中で迎えた最終戦のスポーツランドSUGO。それまでのポイント差から、完走できさえすれば、タイトル獲得が決定する状況でした。そんな中でも、小川は油断することなく障害物に対峙。1ラップ目の第7セクションまでをオールクリーンでクリアするなど、堂々とした走りで3位に入り、チャンピオンの座を手にしました。
14年の小川は、ただ一人すべてのレースで表彰台に登壇する安定ぶり。シーズン最多の3勝を挙げ、2位に11点差をつけてチャンピオンに輝きました。