2012年10月28日(日)・決勝 会場:宮城県スポーツランドSUGO 天候:曇りのち雨
気温:20℃ 観客:600人 セクション:土、岩、沢
2012年の全日本選手権シリーズの最終戦が、例年通りスポーツランドSUGOで開催されました。天気予報では雨ということでしたが、雨はぎりぎり持ちこたえています。ときどきぱらっと雨粒が落ちてくるものの、すぐに止んでしまうような状況でした。
会場はコンパクトに設営されていて、歩いて観戦しやすくなっていました。あわせて試合時間もコンパクト。1ラップ目は2時間半、12セクション2ラップを4時間で走ります。
最初の勝負どころは第3セクション。かつて使われていたエリアですが、奥の山肌を開拓して、ここが新たな難所となっていました。登って、さらに登るラインならまっすぐ。途中で曲がって降りてもこられますが、このラインだと登ってすぐに曲がらないといけません。上位4名を見ると、小川毅士選手(ベータ)と野崎史高選手(ヤマハ)が3点、黒山健一選手(ヤマハ)が2点。小川友幸選手(Honda)は1点で通過しました。小川友幸選手は、ほんのわずかなリードですが、試合のリーダーとなりました。
次の難所は少しだけ遠くに設営された第5セクション。ここで小川毅士選手、野崎選手が5点。小川友幸選手は3点。黒山選手はクリーンで、ここでトップは黒山選手に。しかしまだその差はたったの2点です。
次の勝負どころは第10セクションでした。針の穴を通すようなライン取りを強いられるこのセクション、うまく抜けたかに見えても、滑った後輪がゲートマーカーを飛ばしてしまって5点になります。このワナにはまったのが小川友幸選手。うまく抜けていたように見えただけに、悔しさが残ります。ここは黒山選手も5点。野崎選手だけがうまく走破してクリーン。トップは黒山選手で7点、野崎選手が8点、小川友幸選手が9点とトップ争いは大接戦です。小川毅士選手はこの時点で13点と、少し離されてしまいました。
次の第11セクションも、岩場が減点を誘います。ここで小川友幸選手と野崎選手が1点減点。クリーンした黒山選手が、リードをわずかに広げます。最終12セクションはトップ4は皆クリーンで、勝負は2ラップ目に入りました。
2ラップ目も、減点を呼ぶセクションは同じ。第3セクションでは、1ラップ目と同じく、黒山選手2点、小川友幸選手1点と減点がありました。野崎選手、小川毅士選手も1点ずつ減点しています。続いて、1ラップ目には点数が割れた第5セクション。今度は全員が5点となりました。その後、第6セクションで野崎選手が5点。これで野崎選手の勝利の可能性はだいぶん少なくなりました。
1ラップ目に減点があった第10セクションは、今度はトップ3は皆クリーン。黒山選手が問題のポイントの手前で止まって、丁寧に処理する技を披露。野崎選手もこれにならいました。野崎選手は1ラップ目は一気に越えてクリーンしていますが、確実な選択肢を選んだようです。
ここで小川友幸選手は、一気のラインを選びます。1ラップ目には一気に越えてカードを飛ばしてしまっていますが、クリーンする自信があったのか、その走りは見事でした。
結局、2ラップ目は第5セクションで5点となった以降、トップの2人は残りを皆クリーンしました。野崎選手も第7セクション以降は皆クリーンです。2ラップ目のベストスコアは小川友幸選手で6点。その差はわずかに縮まって2点。残るは2セクションのみで行われるスペシャルセクション(SS)。逆転のチャンスです。
しかしSSは、たいへんに難度が高いものでした。SSの第1は全員が5点。これでは勝負になりません。試合は、最後のセクションとなりました。しかしここは、逆にやや簡単。もちろん、簡単といってもスーパークラスのセクション。直角に見える岩盤を登り、切り立った直角に近い斜面を降り、再び直角に近い岩盤を登ってアウトです。上から見れば、足がすくむような地形ですが、ライダーはいとも簡単にこういったセクションを走破していきます。結局10人中8人のライダーがクリーン。もちろんトップ争いの面々はクリーン。逆転劇はなく、2ラップ目までの結果がそのまま表彰台の順位となりました。
すでに2012年のチャンピオンは黒山健一選手で決定していて、小川友幸選手はランキング2位を争っていました。ここまで野崎選手と同点でしたが、今回の2位で見事ランキング2位を獲得。2013年は、再びゼッケン2をつけて、シリーズチャンピオンを目指します。
小川友幸(2位)「同点ながらランキング3位で最終戦に挑むことになったので、2位でランキング2位を獲得できたのはよかったですが、終わってみれば優勝と2点差ですから、悔しい結果となりました。体制面など、調えなければいけない点は多いので、来シーズンに備えたいと思います。2012年シーズン、ありがとうございました」
順位 | No. | ライダー | マシン | タイム減点 | 総減点 | クリーン数 |
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1 | 1 | 黒山 健一 | ヤマハ | 0 | 19 | 21 |
2 | 2 | 小川 友幸 | Honda | 0 | 21 | 19 |
3 | 3 | 野崎 史高 | ヤマハ | 0 | 25 | 19 |
4 | 4 | 小川 毅士 | ベータ | 0 | 37 | 16 |
5 | 6 | 田中 善弘 | ベータ | 0 | 50 | 13 |
6 | 7 | 野本 佳章 | ベータ | 0 | 52 | 14 |
7 | 5 | 柴田 暁 | Honda | 0 | 59 | 7 |
9 | 10 | 斎藤晶夫 | Honda | 0 | 80 | 7 |
順位 | ライダー | マシン | 総合ポイント |
---|---|---|---|
1 | 黒山健一 | ヤマハ | 140 |
2 | 小川友幸 | Honda | 111 |
3 | 野崎史高 | ヤマハ | 109 |
4 | 小川毅士 | ベータ | 95 |
5 | 柴田暁 | Honda | 72 |
6 | 野本佳章 | ベータ | 64 |
8 | 斎藤晶夫 | Honda | 56 |