ROUND 02
鈴鹿サーキット 三重県 2017.04.23(日)・JSB1000 決勝
全日本ロードレース選手権の第2戦が三重県・鈴鹿サーキットで開催されました。今大会は鈴鹿2&4レースとして行われ、4輪カテゴリーと併催。2輪カテゴリーはJSB1000クラスのみ開催され、200km(35周)のセミ耐久が行われました。そのため、タイヤ交換や給油、ライダー交代などのピットワークがあり、鈴鹿8時間耐久ロードレース(鈴鹿8耐)の前哨戦としても注目の大会となります。
今季のHonda陣営は、エースライダーである高橋巧(MuSASHi RT HARC-PRO. Honda)が新型「CBR1000RR SP2」でタイトル獲得に挑みます。また、山口辰也は2戦、3戦をHonda Dream Racing、4戦以降はTOHO Racingから出場、秋吉耕佑はau&Teluru・Kohara RTから参戦。そして、注目のMORIWAKI MOTUL RACINGからは高橋裕紀に加え、清成龍一が出場します。彼らのマシンも新型CBR1000RR SP2となります。
今大会は鈴鹿8耐に参戦できる70チームの枠をかけたトライアウトが実施されました。昨年の実績などから22台がすでに出場権を獲得しています。今回の鈴鹿、全日本ロードレース第3戦のSUGO、そして鈴鹿サンデーロードレースと3つのトライアウトが設定されており、鈴鹿には出場権を求めて38台がエントリーしました。その中には伊藤真一がいます。伊藤はHondaの関連サプライヤー16社が協力して結成された「Team Sup Dream Honda」から、鈴鹿8耐参戦を目指します。また、Honda鈴鹿レーシングチームの日浦大治朗と安田毅史、そしてMORIWAKI MOTUL RACINGもトライアウトに参加しました。
予選には66台が参加し、52台が決勝のグリッドに並びました。高橋巧が予選2番手、山口は7番手、J-GP2からJSB1000にスイッチした渥美心(UQ & テルル ・ Kohara RT)は10番手、高橋裕紀/清成が13番手、伊藤は14番手、日浦/安田は16番手、秋吉は予選で転倒があり18番手、SatuHATI.Honda Team Asiaのザクゥアン・ザイディ/ラタポン・ウィライローは19番手となりました。
決勝は伝統のル・マン式でスタートが切られ、ホールショットを奪ったのは渡辺一馬(カワサキ)、高橋巧は2番手につけました。しかし、レースは開始早々から波乱の展開に。オープニングラップのシケインの立ち上がりで清成が転倒。マシンが大きく跳ね上がるクラッシュとなり、セーフティカー(SC)が入りました。そのSC導入中の3ラップ目に中須賀克行(ヤマハ)がシケインで転倒し、ピットイン。中須賀はマシン修復してコースに復帰しますが、SC導入中の転倒ということでペナルティー(ストップ&ゴー)となるとピットに入り、そのままリタイアしました。
再開されたレースでは、高橋巧が首位を奪うと、2分07秒台にタイムを上げ一気に2番手以下を突き放しにかかりました。それを渡辺、山口、津田拓也(スズキ)が追いかけ、その後ろには野左根航汰(ヤマハ)、濱原颯道(スズキ)が続きました。秋吉は藤田拓哉(ヤマハ)と7番手争い、伊藤は酒井大作(BMW)と9番手争いを繰り広げます。13ラップ目、伊藤がダンロップコーナーで転倒。再スタートしますが、大きくポジションを落としました。伊藤はピットまで戻り、マシンを修復してからコースに復帰しました。
18ラップを過ぎると各ライダーがピットインを開始しました。高橋巧の後ろから追い上げていた野左根はピットイン後のアウトラップで転倒。トップを走る高橋巧は、代わって2番手となった津田に対して、約8秒ものアドバンテージを築き独走体勢となります。
高橋巧はそのままトップを守りきり、3年ぶりとなる優勝のチェッカーを受けます。2位に津田、3位に藤田、4位は渡辺との争いを制した山口が入りました。5位に渡辺、6位に濱原、7位には秋吉が入りました。渥美はシケインでの転倒がありながらも追い上げて11位でチェッカー。関口太郎(オートテクニックスポーツPGR)が14位、伊藤は25ラップを走りましたが、完走扱いとはなりませんでした。高橋裕紀/清成、ザクゥアン/ラタポンは転倒リタイアとなりました。
鈴鹿8耐トライアウトとしては、伊藤、高橋裕紀/清成は次戦SUGOで再チャレンジ。日浦/安田は8耐トライアウト組では3位、Honda熊本レーシングの吉田光弘/岩田悟は8位で鈴鹿8耐への参戦権を獲得しました。
高橋巧(JSB1000 優勝) 「決勝朝のウォームアップランで、試したいセッティングがあり、それがうまくいけば中須賀さんと勝負ができると思っていたのですが、うまくはいかず、別の問題も出てしまいました。決勝は辛いレースになり、転倒せずに無事チェッカーを受けようと考えながら周回していました。久しぶりに勝てたこと、それも新型マシンで優勝できたことはうれしいですが、中須賀さんがいないレースでの優勝なので、素直には喜べずに複雑です。次のSUGOまでい一歩一歩、確実にマシンを仕上げてしっかりと勝負がしたいです」
山口辰也(JSB1000 4位) 「新型マシンが届き、レースウイークの火曜日にシェイクダウン、テストの時間がないままにレースウイークに入りました。メカニックが、がんばって仕上げてくれましたが、まだ17インチのタイヤにも慣れていなく、マシンとの調整もまだまだこれからです。アジアロードレース選手権に参戦することができて、ライダーとしての準備ができていたことで、思っていた以上の順位でチェッカーを受けることができました。次戦までに、なるべくテストの機会を増やしてセッティングを詰めていきたいと思います」
秋吉耕佑(JSB1000 7位) 「新型マシンの準備ができていないままレースウイークに入り、予選で転倒してしまいました。決勝でも思うような走りが全くできませんでした。試したいことが山積みで、テストをしっかりしたいのですが、なかなか機会が得られないのが現状。限られた状況の中で、なんとかマシンを仕上げて次戦に挑みたいと思います」
伊藤真一 「思いがけずに鈴鹿8耐に参戦させてもらえることになりました。今回は鈴鹿8耐参戦の権利を得ることが目的でした。マシンに乗ったのがレースウイークで、新生チームとなにもかもが初めての状態で、スタッフが懸命にマシンを仕上げてくれました。しかし、まだセッティングができていない状態で、マシンを詰め切れず、ダンロップのギャップに乗って転倒してしまいました。自分では得意のコースだけに、信じられない気持ちでした。ピットに戻り、マシンを修復してもらい、走りきることはできましたが、8耐参戦権を獲得できませんでした。SUGOではしっかり完走して8耐参戦権利を得たいと思います」
順位 | No. | ライダー | マシン | 周回数 | タイム/差 |
---|---|---|---|---|---|
1 | 634 | 高橋巧 | 35 | 1:22'17.766 | |
2 | 12 | 津田拓也 | スズキ | 35 | +13.886 |
3 | 9 | 藤田拓哉 | ヤマハ | 35 | +14.639 |
4 | 104 | 山口辰也 | 35 | +21.402 | |
5 | 23 | 渡辺一馬 | カワサキ | 35 | +23.766 |
6 | 50 | 濱原颯道 | スズキ | 35 | +37.975 |
7 | 090 | 秋吉耕佑 | 35 | +43.249 | |
8 | 39 | 酒井大作 | BMW | 35 | +1'08.957 |
9 | 85 | 中冨伸一 | ヤマハ | 35 | +1'40.111 |
10 | 95 | 生形秀之 | スズキ | 35 | +1'44.070 |
11 | 080 | 渥美心 | 35 | +1'44.908 | |
14 | 13 | 関口太郎 | 35 | +1'55.013 | |
16 | 57 | 日浦大治朗/安田毅史 | 35 | +2'10.457 | |
24 | 42 | 中村知雅 | 34 | +1Lap | |
26 | 28 | 吉田光弘/岩田悟 | 34 | +1Lap | |
28 | 78 | 中村敬司 | 34 | +1Lap | |
30 | 38 | 筒井伸 | 34 | +1Lap | |
34 | 52 | 野寄真二 | 33 | +2Laps | |
39 | 51 | 森健祐 | 33 | +2Laps | |
40 | 807 | 西中綱 | 33 | +2Laps | |
- | 79 | 伊藤真一 | 25 | +10Laps | |
- | 70 | ザクゥアン・ザイディ/ラタポン・ウィライロー | 5 | +30Laps | |
- | 72 | 高橋裕紀/清成龍一 | 0 | +35Laps |
順位 | No. | ライダー | マシン | 総合ポイント | |
---|---|---|---|---|---|
1 | 634 | 高橋巧 | 35 | ||
2 | 12 | 津田拓也 | スズキ | 32 | |
3 | 9 | 藤田拓哉 | ヤマハ | 30 | |
4 | 104 | 山口辰也 | 28 | ||
5 | 23 | 渡辺一馬 | カワサキ | 26 | |
6 | 50 | 濱原颯道 | スズキ | 25 | |
7 | 090 | 秋吉耕佑 | 24 | ||
8 | 39 | 酒井大作 | BMW | 23 | |
9 | 85 | 中冨伸一 | ヤマハ | 22 | |
10 | 95 | 生形秀之 | スズキ | 21 | |
11 | 080 | 渥美心 | 20 | ||
15 | 13 | 関口太郎 | 17 | ||
17 | 57 | 日浦大治朗 | 15 | ||
17 | 安田毅史 | 15 |