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SCHEDULE

August 23 2015 All Japan Road Race Championship Twin Ring Motegi

日本ツインリンクもてぎ

雨中の波乱なレースをスポット参戦の23歳 長島哲太選手が制覇
2位に関口太郎選手、3位岩田悟選手でHonda勢が表彰台を独占

2015年8月23日(日)・決勝  会場:ツインリンクもてぎ  天候:曇り  気温:26.1℃  観客:1万5000人

MFJ全日本ロードレース選手権の第5戦は、栃木県ツインリンクもてぎで開催されました。今回は、2&4レースとして行われ、二輪はJ-GP2のみで開催。台風が接近した影響を受け、決勝日は雲の動きが早く、J-GP2の決勝は雨中でのレースとなりました。

これまで3戦連続でポール・トゥ・ウインを飾った高橋裕紀選手(MORIWAKI RACING)は、前日(8月21日)に行われたフリー走行から絶好調で、トップタイムを記録。予選でも4戦連続のポールポジションを獲得しました。Honda勢では4番手に関口太郎選手(MISTRESA with HARC-PRO.)、5番手に19才の大学生ライダー渥美心選手(au & テルル・Kohara RT)が躍進。そして、今回FIM CEVレプソルインターナショナル選手権のMoto2クラスに参戦し、現在ランキング7位の長島哲太選手(Teluru TSR)がスポット参戦し、予選6番手で決勝レースを迎えました。

決勝当日の午前中は晴れており、残暑が厳しく陽差しが照りつけていましたが、昼過ぎから急激に雲行きが怪しくなり、雨が降り始めました。レース前には緊急のブリーフィングが開催され、周回数を22周から17周へと減算して決勝レースが開催されることとになりました。

レースはスタートから高橋選手がリード。これをスズキ勢とカワサキ勢が追う展開となりました。3周目の1コーナーで高橋選手はコースアウトを喫してトップを明け渡してしまい、高橋選手は3番手まで後退。4番手には渥美選手が付け、上位陣を果敢に追いました。また、日浦大治朗選手(MORIWAKI RACING)、関口選手、長島選手が激しい5番手争いを繰り広げながら、周回を重ねました。

しかし、6周目にコース上の転倒車により、赤旗中断。5周目の通過順位から再スタートとなり、13時40分に周回数8周で再びスタートが切られました。

雨は上がり、空が明るくなってきたものの、路面は依然ウエットなコンディション。ここでも高橋選手はスタート直後からレースをリードします。しかし、再び3周目に、高橋選手がオーバーラン。スズキ勢にトップを譲り、高橋選手はトップと1秒801差の2位に後退。3位には長島選手が続きました。高橋選手は1周に0.5秒づつの追い上げを見せ、5周目には、トップの背後に迫りました。この時点で、3位には単独走行の長島選手。さらには、渥美選手、関口選手、岩田選手のHonda勢3台が激しい4位争いを繰り広げていました。

そして、迎えた最終周の最終コーナー(ビクトリーコーナー)で高橋選手がトップのインに飛び込みましたが、ラインがクロスして、2台ともに転倒を喫してしまいました。高橋選手はマシンを起こしてコースに復帰し、トップでチェッカーを受けました。しかし、レース後に妨害行為と判定され、高橋選手は失格の上、ペナルティポイント5ポイントの罰則(次大会の予選ベスト5タイム抹消)との裁定が下されました。 この結果、2位で完走した長島選手が繰り上げで優勝を飾り、2位に関口選手、3位には岩田選手が入り、Honda勢が表彰台を独占しました。

決勝コメント

長島哲太(J-GP2 優勝)
「カレックスのマシンで雨を走るのは2度目で、セッティングを詰めきれずに、どんな走りをすればいいのか、ペースがつかめない状況でした。赤旗後には、雨の走行にも慣れてきて、3番手に上がれました。トップを追いかけたかったのですが、なかなか差を埋められませんでした。2位でチェッカーを受けましたが、最終的には優勝となりました。どんな形でも優勝は優勝で、うれしいです。あの状態で3番手をキープしていたからこその結果だと思います。ここで得たデータをヒントにして、FIM CEVレプソルインターナショナル選手権でも優勝を狙います」

関口太郎(J-GP2 2位)
「難しいコンディションのときに、表彰台に上がれないと駄目だと思うので、今回上がれてよかったです。これまで厳しいレースが続き、なかなか表彰台に上がれませんでした。状況をしっかりと整えて、常に上位を狙えるようにしたいです」

岩田悟(J-GP2 3位)
「ウォームアップでドライかレインか、どちらのセッティングで決勝に臨むか判断しきれず、悩みながらレインのセットで挑みました。スタートは決まったにもかかわらず、慎重になりすぎました。最初のレースはハイサイドで転倒してしまいました。結果、赤旗で救われたレースになりました。再スタート後は、追い上げのレースができました。最後のミスがなければ、関口さんの前でチェッカーを受けられたかもしれないので、チームに申し訳なく思っています。繰り上げでの3位ですが、次は実力で表彰台に上がれるようにしたいです」

渥美心(J-GP2 4位)
「ST600はすんなり乗れましたが、このクラスでは、なかなか攻めきれませんでした。今はようやく、マシンがまとまってきたと感じています。今回はレインコンディションでしたが、ドライのセッティングで走りました。不安はありましたが、先輩たちと勝負でき、学ぶことが多くありました。表彰台に近いところまで来ていることを自信にして、次は、今回以上のレースができるようにがんばります」

作本輝介(J-GP2 5位)
「今回はケガをしてしまったことで、事前テストに参加できず、ぶっつけのレースになりました。ドライのセッティングがうまくいかないままレースウイークを過ごしてしまい、タイムを上げられませんでした。雨は嫌いではないので、上位を目指したいと思ってグリッドに着きました。表彰台争いに加われずとても悔しいです。次は表彰台を狙えるようにしたいです」

決勝リザルト

順位 No. ライダー マシン 周回数 タイム/差
1 72 長島 哲太 KALEX 8 16'50.166
2 44 関口 太郎 HP6 8 +2.343
3 10 岩田 悟 NH6 8 +1.588
4 18 渥美 心 TSR2 8 +0.796
5 75 作本 輝介 Honda 8 +6.707
6 15 佐藤 太紀 TSR2 8 +8.171
7 392 長尾 健吾 スズキ 8 +0.500
8 9 大木 崇行 Honda 8 +2.699
9 71 山元 聖 スズキ 8 +4.914
10 11 井筒 仁康 カワサキ 8 +4.651
 
12 16 中村 豊 Honda 8 +11.667
14 29 赤間 清 HP6 8 +3.663
RT 35 日浦 大治朗 MORIWAKI 3 +2Laps
RT 36 亀井 駿 NH6 0  
- 1 高橋 裕紀 MORIWAKI -  

ポイントスタンディング

J-GP2
順位 ライダー マシン 総合ポイント
1生形秀之スズキ76
2高橋裕紀MORIWAKI75
3関口太郎HP665
4岩田悟NH658
5渥美心TSR55
6日浦大治朗MORIWAKI54
7長尾健吾スズキ50
8佐藤太紀TSR45
9大木崇行Honda42
10岩崎哲朗カワサキ40
 
13作本輝介Honda27
14中村豊Honda27
16星野知也HP623
18亀井駿NH620
19赤間清HP619