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全日本ロードレース選手権

round 04

SCHEDULE

June 29 2014, RACE All Japan Road Race Championship Sportsland SUGO

鈴鹿サーキットスポーツランドSUGO

JSB1000はスタートが遅れた末に、赤旗中断の波乱のレースで高橋巧が2位表彰台を獲得
J-GP2は浦本修充が追い上げて2位に
転倒車が続出のサバイバルレースとなったST600は日浦大治朗が制す
J-GP3は水野涼がうれしい初優勝飾る

2014年6月29日(日)・決勝  会場:スポーツランドSUGO  天候:小雨  気温:19℃  観客:5250人

MFJ全日本ロードレース選手権の第4戦は、宮城県のスポーツランドSUGOで開催されました。昨年まで行われていた8月末から、6月末へと日程が変わり、梅雨の季節でのレースとなった今回は、雨が降ったり止んだりの不順な天候となりました。

  • 高橋巧高橋巧
  • 高橋巧高橋巧
  • 浦本修充浦本修充
  • 浦本修充浦本修充
  • 高橋裕紀高橋裕紀
  • 日浦大治朗(中央)日浦大治朗(中央)
  • 水野涼水野涼

昨年、100マイルレースとして開催されたJSB1000は、今年はさらに20マイル延び、120マイル。52周(約194q)のレースとなりました。参戦は1人でもペアでもよく、ペアで参戦する場合は、それぞれのライダーにポイントが与えられるというレギュレーション。参戦チームによってその形態は異なりますが、ほとんどのトップライダーは、単独での参戦を選びました。2連勝中の高橋巧(MuSASHi RT ハルクプロ)も単独での参戦。山口辰也(TOHO Racing with MORIWAKI)は國川浩道とエントリーし、ペアで臨んだ予選は7番手となりましたが、決勝は山口が単独で挑みました。

決勝は午後1時10分スタートの予定でしたが、直前に豪雨に襲われ、コースを濁流が流れるコンディションとなったためにレースのスタートを見送りました。雨雲の動きを見てレース開催の可能性を模索することになり、雨雲が去るのを待ち続けました。やがて、予報通りに雨は小降りに。土砂が流れてコースがクリアになったところで、午後3時20分から10分間のフリー走行が行われました。そして、決勝の周回数を40周(レース成立周回数26周)として、午後3時53分、伝統のル・マン式スタートが切られました。

雨は上がっていましたが、コース上に残った雨は川のように流れ、厳しい路面状況は変わりません。そんな中、ホールショットを奪ったのは加賀山就臣(スズキ)で、柳川明(カワサキ)、中須賀克行(ヤマハ)、高橋巧と続きます。3ラップ目、柳川が3コーナーでトップを奪い、加賀山、中須賀、高橋巧のオーダーとなり、トップ4が僅差で続きます。5ラップ目、野左根航汰(ヤマハ)と山口が転倒し、6ラップ目には、中須賀が加賀山をかわして2番手に浮上。柳川、中須賀、加賀山、高橋巧というオーダーになりました。8ラップ目、中須賀がトップを奪い返し、前に出た中須賀はペースアップ。13ラップ目には柳川が転倒し、上位グループの波乱にどよめきが起こりますが、そのままレースは続行されました。こうして中須賀、加賀山、高橋巧というオーダーになり、トップ争いは3台に絞られました。30ラップを過ぎ、渡辺一樹(カワサキ)、中冨伸一(ヤマハ)と次々にピットイン。34ラップ目、トップの中須賀がピットインしますが、給油のみでコースへ復帰しました。その後、コース上にオイルが広がったことからセーフティカーが入ります。35ラップ目、コース復帰した野左根と藤田拓哉(ヤマハ)がピットイン。終盤に入り、ピットが慌ただしくなります。そして36ラップ目、コースに広がったオイルの量が多いという理由で、赤旗が提示されました。そのため、35ラップ目の順位がそのままリザルトとなり、加賀山が優勝、2位に高橋巧が入りました。

雨天での予選となったJ-GP2でポールポジション(PP)を手にしたのは、井筒仁康(カワサキ)。2番手は生形秀之(スズキ)で、リーダーボードのトップにいた亀谷長純(MuSASHi RT ハルクプロ)は最終的に3番手。4番手に高橋裕紀(Moriwaki Racing)、5番手に浦本修充(MuSASHi RT ハルクプロ)となりました。

今大会の最終レースとして行われたJ-GP2は、午後5時30分過ぎにスタート。日没との兼ね合いのため、16ラップで争われることになりました。ホールショットは高橋裕紀。しかし、2ラップ目には井筒が前に出てペースを上げ、2番手以下を引き離し始めます。2番手が高橋裕紀、3番手は生形、浦本、デチャ・クライサルト(ヤマハ)、星野知也(SYNCEDGE 4413 Racing)で争われました。8ラップ目、浦本が3番手、続いて亀谷、生形とポジションを入れ替え、浦本はペースを上げて高橋裕紀に迫ります。2番手争いが激しさを増すと、12ラップ目に浦本が高橋裕紀をパス。高橋裕紀は生形にもパスされて4番手に。その後、浦本はトップを走る井筒に迫りますが、井筒が逃げきり、2位浦本、3位生形でチェッカーとなりました。

ST600は、PPに近藤湧也(ヤマハ)、2番手に岩崎哲朗(カワサキ)、3番手に小林龍太(ミストレーサ with HARC-PRO)が入り、フロントローに並びました。以下は5番手に國川浩道(TOHO Racing Powered by MORIWAKI)、6番手に日浦大治朗(Honda鈴鹿レーシング)が並びました。

こうして始まった決勝レース。オープニングラップで、PPの近藤が転倒する波乱含みの展開で幕を開けました。トップの横江竜司(ヤマハ)がレースを引っ張りますが、その横江が転倒。代わってチャランポン・ポラマイ(ヤマハ)がトップに立ち、レースを引っ張ります。その後、ポラマイの背後に迫ったのが篠崎佐助(ヤマハ)で、9ラップ目にポラマイをパス。そんな中で、雨は次第に小降りになり、空が明るくなっていきました。14ラップ目、トップの篠崎がハイポイントで転倒し、代わりにトップに立った稲垣誠(ヤマハ)もレインボーコーナーで転倒。トップが次々と姿を消します。再び雨が強くなり、難しい路面状況の中でトップに立ったのは日浦でした。日浦は路面コンディションを冷静に確認しながら18周を走りきり、うれしい初優勝を飾りました。

J-GP3は大久保光(HotRacing)が今季初のPP。2番手に山田誓己(リベルトPLUSONE & ENDURANCE)、3番手に伊達悠太(犬の乳酸菌jp/プリミティブR.T&バトルF)が入りました。

決勝は雨のために2ラップ減算の18ラップで争われることになりました。そんな中、ウォームアップランで山田が転倒し、最後尾からのスタートとなりました。ホールショットを決めたのは大久保。しかし、1周目をトップで通過したのは水野涼(MuSASHI RTハルクプロ)で、それを岩戸亮介(Club PARIS RSC)、古市右京(KTM)が追う展開。4ラップ目に、大久保が転倒してトップ集団から脱落したあと、トップ集団には鳥羽海渡(TEC2&TDA&NOBBY)が追いつき、15ラップ目には3番手に浮上しました。最終的に、水野が逃げきって独走優勝。一度もトップを明け渡すことのない、完ぺきな初優勝を飾りました。鳥羽は3位、山田は8位までばん回し、貴重なポイントを得ました。

コメント

高橋巧(JSB1000 2位)
「一回のミスでトップの2台に離されてしまいました。とにかく、転倒だけは避けたいと思い、走っていました。セーフティカーが入ることになったオイルに乗ってしまい、転倒しそうになり、早くチェッカーが振られてほしいと思いました。2位という結果には納得していませんが、シーズンを考えれば、このポイントは貴重だと思います。次のレースは鈴鹿8時間耐久ですので、連勝して、いい流れを作って後半戦に挑みたいと思います」

浦本修充(J-GP2 2位)
「序盤に思っていた以上にペースを上げられず、順位を落としてしまいました。朝のフリー走行ではフィーリングがよく、その感覚が戻ってきたことで、高橋(裕紀)選手を抜けると思い、プッシュしました。2番手に上がってからは、3番手の生形(秀之)選手との差を考えながら走りました。トップの井筒(仁康)選手を追いたかったのですが、そのときには周回数が残りわずかとなり、2位でチェッカーを受けました。開幕戦は転倒、2戦目はコースアウトで、今回2位。後半戦はしっかり勝って、チャンピオンになれるレースをしたいと思っています」

日浦大治朗(ST600 優勝)
「雨の事前テストからフィーリングがよかったので、表彰台を狙っていました。昨年から全日本に参戦させてもらっていますが、転倒が多く、満足な結果が残せていませんでした。今年こそは結果を残したいと思っていたので、勝つことができてうれしいです。次は鈴鹿8時間耐久なので、そこでもいい結果が残せるようにがんばります」

水野涼(J-GP3 優勝)
「こんなふうに逃げきって優勝できるとは思っていませんでした。しかし、雨は得意で、朝のフリー走行でも調子がよく、自信はありました。途中で雨が強くなり、ラップタイムが2秒ほど落ちて焦りましたが、落ち着こうと思いました。ウォーミングアップで(山田)誓己君が転倒してしまい、勝負を決しての優勝ではないのが残念です。次戦はドライでしっかり勝負したいです。ずっと勝ちたいと思っていたので、やっと勝つことができてよかったです。うれしいです」

鳥羽海渡(J-GP3 3位)
「事前テストは参加できず、レースウイークにいろいろと試しながら走行し、決勝日にやっとよくなりました。スタートがうまくいかずに遅れてしまいましたが、周回しながら走り方を学び、3位に入ることができました。次の岡山国際サーキットは何度も走ったことがあるので、勝ちたいです」

決勝リザルト

JSB1000
順位 No. ライダー マシン 周回数 タイム/差
171加賀山就臣スズキ35 58'43.343
2634高橋巧Honda35+0.844
312津田拓也スズキ35+1.214
426渡辺一樹カワサキ35+29.932
578井上哲悟カワサキ35+42.888
61中須賀克行ヤマハ35+43.402
733藤田拓哉ヤマハ35+52.212
885中冨伸一ヤマハ34+1Lap
913須貝義行ドゥカティ34+1Lap
10135寺本幸司BMW34+1Lap
J-GP2
順位 No. ライダー マシン 周回数 タイム/差
177井筒仁康カワサキ16 26'26.448
2634浦本修充 Honda16+2.388
32生形秀之スズキ16+3.281
472高橋裕紀MORIWAKI16+5.621
573亀谷長純Honda16+15.378
67 D.クライサルト ヤマハ16+15.427
746星野知也Honda16+16.838
851高橋英倫カワサキ16+36.623
944関口太郎TSR16+37.552
1071小山知良NTS16+37.733
ST600
順位 No. ライダー マシン 周回数 タイム/差
118日浦大治朗Honda 18 30'27.437
265C.ポラマイヤマハ 18 +1.244
345石塚健カワサキ 18 +2.415
4104國川浩道Honda 18 +8.442
524小林龍太Honda 18 +10.536
621中津原尚宏Honda 18 +17.894
77岩崎哲朗カワサキ 18 +19.561
856前田恵助ヤマハ 18 +25.512
951宗和孝宏ヤマハ 18 +29.506
1029豊田浩史トライアンフ 18 +34.328
J-GP3
順位 No. ライダー マシン 周回数 タイム/差
1634水野涼Honda 18 31'20.991
241宇井陽一IODA 18 +5.968
367鳥羽海渡Honda 18 +12.499
456小室旭Honda 18 +15.443
57徳留真紀Honda 18 +18.812
633作本輝介Honda 18 +20.402
79北見剣Honda 18 +21.254
81山田誓己Honda 18 +28.633
935伊達悠太Honda 18 +33.637
1022中山翔太Honda 18 +43.328

ポイントスタンディング

JSB1000
順位 ライダー マシン 総合ポイント
1高橋巧Honda94
2中須賀克行ヤマハ84
3津田拓也スズキ72
4渡辺一樹カワサキ69
5柳川明カワサキ61
6山口辰也Honda53
7加賀山就臣スズキ52
8野左根航汰ヤマハ40
9藤田拓哉ヤマハ38
10須貝義行ドゥカティ29
J-GP2
順位 ライダー マシン 総合ポイント
1高橋裕紀MORIWAKI68
2井筒仁康カワサキ63
3生形秀之スズキ62
4浦本修充 Honda55
5D.クライサルトヤマハ53
6小山知良NTS41
7岩田悟NTS35
8関口太郎TSR34
9大木崇行Honda32
10星野知也Honda30
 
ST600
順位 ライダー マシン 総合ポイント
1小林龍太Honda77
2C.ポラマイヤマハ77
3國川浩道Honda59
4岡村光矩カワサキ57
5岩崎哲朗カワサキ54
6日浦大治朗Honda47
7横江竜司ヤマハ46
8石塚健カワサキ45
9津田一磨スズキ45
10大崎誠之ヤマハ40
 
J-GP3
順位 ライダー マシン 総合ポイント
1水野涼Honda83
2山田誓己Honda82
3鳥羽海渡Honda70
4大久保光Honda58
5徳留真紀Honda50
6作本輝介Honda43
7小室旭Honda42
8北見剣Honda40
9岩戸亮介Honda37
10岡田義治Honda36