高橋巧が2勝を含む6度の表彰台登壇を果たし、総合2位の座を獲得
山口辰也はシーズンを通して安定した走りをみせ、総合4位
2014年の全日本ロードレース選手権JSB1000クラスでは、高橋巧(MuSASHi RT ハルクプロ)が、全7大会8レースで2勝を挙げ、6度の表彰台に登壇。中須賀克行(ヤマハ)とのし烈なチャンピオン争いの末、ランキング2位となりました。また、山口辰也(TOHO Racing with MORIWAKI)は、2度の表彰台を獲得するなど、7レースで入賞を果たして総合4位と健闘しました。
開幕戦の鈴鹿サーキットでは、鈴鹿8時間耐久ロードレースを見据えて、秋吉耕佑(F.C.C.TSR Honda)がスポット参戦。その秋吉は、一時トップを走る快走で3位表彰台に登壇し、会場を盛り上げました。その中で高橋が、初戦からし烈なトップ争いを演じて2位表彰台を獲得しました。
第2戦オートポリスでは、高橋が12年の4月以来となる勝利を挙げます。予選2番手だった高橋ですが、スタートで大きくロス。しかし、そこからの追い上げは見事で、9周目には2番手へ、11周目にはトップへ躍り出ました。その後も、ファステストラップを更新する快走をみせ、2番手以下を引き離して優勝のチェッカーを受けました。
第3戦でも高橋の勢いは止まりません。予選では、10年に秋吉が記録したコースレコードを塗り替えてポールポジションを獲得。決勝レースでは、ポイントランキングで並ぶ中須賀との熱戦を制し、2連勝を飾りました。また、山口は絶妙なスタートで上位争いに加わり、最後まで健闘して5位入賞を果たしました。
第4戦スポーツランドSUGOでは、決勝の直前に強い雨が降る難コンディションとなり、赤旗中断が絡むなど、荒れたレースに。雨が残るコースに多くのライダーが苦戦し、ポジションが目まぐるしく入れ替わる中、高橋が安定した走りをみせて2位表彰台に登壇しました。続く第5戦は、J-GP2のみの開催となり、JSB1000クラスのライダーにとっては、約2カ月半のインターバルとなりました。
第6戦では、それまですべての大会で表彰台を獲得していた高橋が、初めて表彰台を逃しました。3番手からスタートした高橋は、9周目に転倒。その後、懸命の走りで10位に入り、貴重なポイントを獲得するも、ランキングトップの座を明け渡す結果となりました。
続く第7戦では、高橋が前戦の雪辱を果たそうとするかのような走りで、2位表彰台を獲得します。また、山口が今季最高位となる3位に入り、Honda勢がそろって表彰台に登壇しました。
最終戦の鈴鹿サーキットは、2レース制でした。レース1では、ウエットコンディションの中、高橋と山口が、2戦連続となるダブル表彰台を獲得。この時点で、ランキング2位の高橋とトップの差は10ポイントとなり、タイトル争いは2人に絞られました。レース2で逆転でのチャンピオンを目指した高橋ですが、マシントラブルにより無念のリタイア。代わりに健闘したのは山口でした。序盤から3番手争いを繰り広げ、4位入賞を果たしました。
総合2位となった高橋は、チャンピオンに引けをとらない速さをみせ、最終レースまでタイトル争いを演じてシーズンを盛り上げました。山口は2度の表彰台登壇などシーズンを通して安定した走りを披露し、昨年より1つ順位を上げて総合4位。また、Hondaライダーが上がった9度という表彰台登壇数は、ほかのメーカーを上回り、CBR1000RRの速さを示す結果となりました。