2016年の全日本モトクロス選手権IA1クラスは、これまでに10度、IA1クラスを制し、11年〜14年で4連覇した記録を持つ成田亮(Team HRC)がシーズン9勝を挙げ、2年ぶりに年間チャンピオンに輝きました。

前年3位で終わった成田にとって、16年シーズンの目標はタイトル奪還。4月3日に行われた開幕戦から、勝利だけを見据えて走ります。過去4年間の開幕戦はすべてダブルウインをしている成田。予選をトップでクリアすると、両ヒートともに危なげない走りを披露し、トップでチェッカーを受けました。これで5年連続の開幕戦でのダブルウインとなりました。

4月17日に行われた第2戦でも、成田が熱の入った走りをみせます。ヒート1、ヒート2ともにホールショットを奪うと、そのまま逃げきって開幕戦に続いてダブルウイン。タイトル奪還に向けて勢いをつけました。

第3戦は5月15日に広島県で行われました。成田はヒート1のオープニングラップをトップでクリア。その後も堅実な走行を続けて、トップでチェッカーを受けました。ヒート2もトップでレースをスタートさせましたが、その後は思うようにペースを上げることができずに徐々にポジションダウン。8位でフィニッシュし、シーズンで初めて優勝を逃しました。開幕戦から続いた連勝は5でストップしました。

その後は第4戦のヒート1で再び首位フィニッシュし勝利を重ねた成田ですが、第6戦のヒート1ではアクシデントに見舞われてしまいます。スタート直後の1コーナーに進入したところで、バランスを崩したほかのマシンと絡むように激しく転倒。マシンの排気系が破損し2度のピットインを余儀なくされ、トップと2周差の17位でゴールしました。それでも、同日のヒート2では態勢を立て直した成田。新井宏彰(カワサキ)とのトップ争いを制し、首位でフィニッシュして今季7勝目をマークしました。

続く第7戦では、第2戦以来となる両ヒート制覇を達成。総合2位の新井に47ポイント差をつけ、2戦を残してタイトルに王手をかけました。第8戦では、最終戦を待たずにタイトル獲得を決めたかった成田ですが、そう簡単にはいきません。ヒート1でスタートダッシュに失敗して、1周目を10番手でクリア。前を走るマシンをパスし続けますが、トップには届かず5位でゴールしました。ヒート2では、一時は3番手を走るものの、新井に次ぐ2位でフィニッシュ。総合2位の新井に35ポイント差で最終決戦を迎えました。

10月23日に行われた最終戦は、海外競技ライセンスでも参加できる国際格式で開催。Honda勢では、AMAスーパークロスを走ったコール・シーリー(Team Honda HRC)と、モトクロス世界選手権を戦った山本鯨(Team HRC)も参戦しました。ヒート1の4周目、成田が転倒を喫して8番手に後退。その後、シーリーが独走態勢で首位フィニッシュを果たし、山本は4位でゴールしました。成田はライバルの新井に次ぐ8位でフィニッシュ。ヒート2を待たずにタイトルの獲得を決め、2年ぶりに年間チャンピオンに返り咲きました。