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全日本モトクロス選手権

round 03

SCHEDULE

May 11 2014, RACE All Japan Motocross Championship Sera Greenpark Korakuen

世羅グリーンパーク弘楽園世羅グリーンパーク弘楽園

IA1では、小方誠が今季初のヒート優勝&総合優勝
IA2では、富田俊樹がヒート2で2位入賞

2014年5月11日(日)・決勝  会場:世羅グリーンパーク弘楽園  天候:晴れ  気温:23℃
コースコンディション:ドライ  観客:3850人

シーズン序盤の3連戦の最後となる、全日本モトクロス選手権第3戦の舞台は、広島県東部にある世羅グリーンパーク弘楽園。昨年は年1回のみ行われたこの中国大会は、再び、春と秋の2度の開催に戻されています。

  • 小方誠小方誠
  • 小方誠小方誠
  • 小方誠小方誠
  • 成田亮成田亮
  • 富田俊樹富田俊樹
  • 富田俊樹富田俊樹
  • 田中雅己田中雅己

丘の斜面を巧みに利用してレイアウトされたアップダウンのあるコースは、長いストレートと広いコース幅、多彩なジャンプが特徴。路面はハードパックで、ハイスピード設定です。また、緩やかな左カーブに設けられた20mを超える2連のラムソンジャンプが、このコースの名物となっています。

今大会は天候に恵まれ、予選が行われた5月10日(土)、決勝が開催された11日(日)ともに、朝から晴天。強い日差しとやや強めの風がすぐに路面を乾かしてしまうため、レースインターバルには、入念な散水作業が続けられました。

●IA1(450/250)ヒート1

星野裕(KTM)、小島庸平(スズキ)、深谷広一(TEAM. MOTO. SPORTS. FUKAYA×TEAM.CRF)の順でオープニングラップをクリア。Team HRC勢は、成田亮が4番手、小方誠が10番手からの追い上げを狙いました。ところが2周目、成田がスリップダウンを喫して、12番手まで順位を下げてしまいました。一方で小方は、10台ほどが縦に長いトップグループを形成する中で、序盤から積極的に順位を上げ、4周目には小島と深谷に次ぐ3番手に。その後は、冷静に前を走るライダーを観察し、中盤に入ったところでトップに立ちました。また成田も、混戦の中で着実にポジションを回復させていきました。

レース後半、大集団から数名が脱落し、上位勢は小方、熱田孝高(スズキ)、成田、深谷の順。成田は一時、2番手の熱田まで約4秒差に迫りましたが、その後にペースを落としました。終盤、トップの小方に熱田が接近すると、ここで小方がベストラップを更新して逃げきり、今季初優勝を達成。成田は深谷を振り切り、3位に成田、4位に深谷が入りました。

●IA1(450/250)ヒート2

小方と成田は再びスタートが決まらず、小方が5番手、成田が8番手で1周目をクリア。それでも、ヒート1に続いて、小方は序盤から順調に追い上げ、5周目には星野優位(SEKI Racing MotoRoman & KBF-RS)をパスして2番手に浮上しました。ところがその段階で、トップを走る新井宏彰(カワサキ)との差は、約6秒に広がっていました。

また、成田はペースを上げることができず、序盤は7台による4番手グループを走行。レース前半が終わる10周目の段階でも6番手と、苦しい展開となりました。そして、後半に入ったところで星野優位を抜いて5番手に浮上すると、以降は次第に単独走行となりました。

両ヒート制覇を狙った小方は、レース中盤に新井のリード拡大を許し、こちらも成田と同じく単独走行に。そのままレースは20周でチェッカーとなり、優勝の新井に次いで小方が2位でゴール。成田は5位でフィニッシュし、終盤に星野優位をパスした深谷が6位入賞を果たしました。その結果、両ヒートの総合成績で、小方がトップとなりました。

●IA2(250/125)ヒート1

Team HRC勢はそろって好スタートを決め、富田俊樹がトップ、田中雅己が勝谷武史(カワサキ)に次ぐ3番手で1周目をクリア。2周目に富田は2番手に後退し、その後は富田、田中、能塚智寛(カワサキ)が、2番手争いを繰り広げました。そして5周目に田中、6周目に富田が能塚にパスされ、ポジションを下げました。

しかし、富田と田中はその後に粘りをみせ、2人で接近戦を演じながらも能塚との差を最少にとどめると、レース後半には再び能塚に接近。ここに岡野聖(スズキ)が加わり、終盤には4台が2番手を争いました。ところが、富田と田中は終盤に岡野の先行を許してしまい、優勝の勝谷、2位の岡野、3位の能塚に次いで、富田は4位、田中は5位に終わりました。

●IA2(250/125)ヒート2

Team HRC勢は両者がスタートダッシュに失敗し、富田が1周目を7番手、田中は2周目を15番手でクリアする、苦しい展開となりました。それでも、3周目には富田が4番手までポジションアップ。田中も、5周目までに11番手へと順位を上げました。ところが、6周目のフープスで田中が転倒。22番手まで大きく順位を落としてしまいました。

一方の富田はレース中盤、2番手を争っていた岡野と能塚に迫り、9周目にまず岡野を攻略。そのまま能塚に迫ると、一度は少し引き離されたものの、レース時間が残り10分を切ったところで前に出ました。その後、粘る能塚に一時は先行を許しましたが、最終的に能塚を抑え、独走の勝谷に次ぐ2位となりました。なお、田中は19位でゴールしました。

コメント

小方誠(IA1・優勝/2位)
「ヒート1は、スタートそのものは悪くなかったのですが、みんなと走行ラインが重なったため、少し引いて、確実に走ることにしました。その結果、予想以上に出遅れたので驚きましたが、早い段階でライバルを次々にパスできたことで、気持ちに余裕が出ました。3番手になったときには、前の2人がマシンを暴れさせていたので、トップに立てると確信しました。最後に熱田選手が迫ってきて、それまで差をあまり把握していなかったので焦りましたが、ペースを上げたところ、引き離せました。ヒート2は、2番手になった段階で新井選手との差が結構あり、このコースを知り尽くしている新井選手のラインを盗めませんでした。とはいえ、総合優勝もでき、これまでやってきたことが間違っていないと自信を持てました」

成田亮(IA1・3位/5位)
「予選や練習走行でタイムが出ないまま決勝に臨んだことが、焦りによるヒート1の転倒につながりました。冷静であれば、勝負を急ぐ必要がないと判断できたと思います。12番手からの追い上げで3位という結果も、それを示していると思います。そして実は、この追い上げ途中に腰を痛めてしまいました。とはいえ、走るからにはヒート2も優勝を目指していたのですが、まずスタートに大失敗。追い上げていこうと前を見たら、2周目に新井選手がいきなり後ろを引き離していて、この段階で目標を、表彰台圏内に修正しました。しかし、腰をかばいながら走ったことで体力の消耗が激しく、5位に終わりました。次から地元東北での3連戦なので、気持ちを新たに臨みます」

富田俊樹(IA2・4位/2位)
「ヒート1は、なかなかリズムがつかめなかったことでペースが上がらず、しかも後半にタレてしまいました。スタートでトップに立ったことで気持ちの部分でがんばりすぎてしまったのと、路面が荒れた後半にラインを変えられなかったことが敗因だと思います。逆にヒート2は、スタートで出遅れたことで、とにかく1つずつ前にという、シンプルな展開だったため、気持ち的には楽でした。最後までペースを落とすことなく、ラインの自由度もありました。しかし、勝谷選手が速すぎて全く歯が立ちませんでした。ただ、それはあくまで、現状における自分の実力とこのコースでの話です。勝谷選手との実力差を埋める努力を続け、秋にこのコースへと戻ってきたときには、勝利したいと思います」

田中雅己(IA2・5位/19位)
「この大会では、両ヒートとも結果以前に走りがまるでよくない状態でした。ヒート1は、勝谷選手に逃げられたものの2番手争いに加わっていましたが、最後まで手探り状態でした。ヒート2は、スタートに失敗したあとで、ジャンプ中に接触されかけるような危ないシーンもあり、うまく追い上げられず、焦りが生じました。それが序盤の転倒につながったのだと思います。その後も、まるでいいところがないレースでした。ここのコースは嫌いではなかったのですが、勝谷選手があまりに速く、それにどう対処するかを考えているうちに、迷いが生まれてしまいました。自分の走りをしないことには、トップの勝谷選手どころか、ほかのライバルにも負けてしまうので、次戦は自分の走りだけに集中して挑みます」

芹沢直樹|Team HRC監督代理
「IA1では、小方がドライ路面では自身初となる、最高峰クラスでの優勝を挙げました。しかも、スタートで出遅れながらテンポよく前に出て、終盤にペースを上げて逃げきりと、これまで課題としてきたことを数多くクリアしての結果に、大満足しています。ヒート2では、荒れた路面でのライン選択に苦しんだことによる2位だったので、この点は次戦以降に克服させていきます。成田は、このコースとの相性が悪く、ヒート1では珍しく転倒。それでも表彰台圏内までは追い上げ、さすがだと感じさせられました。ヒート2はさまざまな要因が重なっての5位でしたが、シーズンを通して考えれば、無理をする局面ではありません。しかも、次戦は得意なスポーツランドSUGO。小方も好調なので、チームとしても次が楽しみです。IA2は勝谷選手が段違いの速さで、残念ながら完敗でした。レースでもランキングでも、しぶとく後ろからプレッシャーをかけ続けながら、現状を打破する方法を考えていきます」

決勝リザルト

IA1(ヒート1)
順位 No. ライダー マシン 周回数 タイム/差
12小方誠Honda2032'56.892
25熱田孝高スズキ20+00'03.726
31成田亮Honda20+00'18.243
410深谷広一Honda20+00'21.463
5331新井宏彰カワサキ20+00'24.610
6822三原拓也カワサキ20+00'33.076
7777星野優位Honda20+00'36.693
844小島庸平スズキ20+01'01.922
915池谷優太スズキ20+01'04.020
107星野裕KTM20+01'49.701
 
1720小林雅裕Honda19+1Lap
RT23佐々木雅規Honda4DNF
IA1(ヒート2)
順位 No. ライダー マシン 周回数 タイム/差
1331新井宏彰カワサキ2033'05.105
22小方誠Honda20+00'09.764
35熱田孝高スズキ20+00'17.522
4822三原拓也カワサキ20+00'21.814
51成田亮Honda20+00'32.781
610深谷広一Honda20+00'39.294
7777星野優位Honda20+00'41.408
87星野裕KTM20+00'44.272
915池谷優太スズキ20+00'57.905
1044小島庸平スズキ20+01'37.526
 
1720小林雅裕Honda18+2Laps
IA2(ヒート1)
順位 No. ライダー マシン 周回数 タイム/差
1888勝谷武史カワサキ2033'02.846
242岡野聖スズキ20+00'21.397
343能塚智寛カワサキ20+00'23.308
41富田俊樹Honda20+00'27.571
5113田中雅己Honda20+00'30.394
634安原志ヤマハ20+00'42.409
738渡辺祐介ヤマハ20+00'52.044
845上田康平スズキ20+00'58.588
932竹中純矢スズキ20+00'58.715
1004池本凌汰スズキ20+01'00.450
 
11010サンタナ・ルカス・ケンジHonda20+01'07.651
1201大塚豪太Honda20+01'08.321
1341近藤祐介Honda20+01'20.855
1457神島央佐Honda20+01'22.978
2052島崎優Honda19+1Lap
2162垣内伊吹Honda19+1Lap
2208横澤拓夢Honda19+1Lap
2305佐々木孝多Honda19+1Lap
2650道脇右京Honda18+2Laps
RT06北野幸汰Honda0DNF
IA2(ヒート2)
順位 No. ライダー マシン 周回数 タイム/差
1888勝谷武史カワサキ2033'18.730
21富田俊樹Honda20+00'20.296
343能塚智寛カワサキ20+00'22.174
432竹中純矢スズキ20+00'24.377
542岡野聖スズキ20+00'41.940
6010サンタナ・ルカス・ケンジHonda20+00'57.169
707植田翔太カワサキ20+00'57.530
845上田康平スズキ20+01'02.470
934安原志ヤマハ20+01'05.735
1001大塚豪太Honda20+01'08.773
 
1357神島央佐Honda20+01'17.313
1408横澤拓夢Honda20+01'31.088
19113田中雅己Honda19+1Lap
2050道脇右京Honda19+1Lap
2262垣内伊吹Honda19+1Lap
2341近藤祐介Honda19+1Lap
2752島崎優Honda19+1Lap
2805佐々木孝多Honda18+2Laps

ポイントスタンディング

IA1
順位 ライダー マシン 総合ポイント
1成田亮Honda136
2小方誠Honda119
3新井宏彰カワサキ107
4熱田孝高スズキ101
5三原拓也カワサキ94
6星野優位Honda91
7深谷広一Honda79
8小島庸平スズキ71
9伊藤正憲ヤマハ66
10沼田誠司カワサキ59
 
16小林雅裕Honda34
IA2
順位 ライダー マシン 総合ポイント
1勝谷武史カワサキ143
2富田俊樹Honda124
3竹中純矢スズキ103
4能塚智寛カワサキ100
5岡野聖スズキ98
6田中雅己Honda75
7安原志ヤマハ72
8井上眞一カワサキ66
9大塚豪太Honda62
10小川孝平Honda56
 
11サンタナ・ルカス・ケンジHonda56
13馬場大貴Honda47
17近藤祐介Honda25
18神島央佐Honda20
23斉藤嵩Honda10
24道脇右京Honda8
25横澤拓夢Honda7
27斉木達也Honda7
31佐々木雅哉Honda2
32島崎優Honda1
33垣内伊吹Honda1