Round12トロント
決勝
2018年7月15日(日)
会場 : Streets of Toronto
今年もインディカー・シリーズがオンタリオ湖畔の大都市トロントのストリートコースにやって来ました。カナダには熱狂的なモータースポーツファンが多く、毎年このレースは満員のファンを集めて賑やかに開催されます。
今年は新しいエアロキットを装着したマシンでの戦いとなっていますが、トロントのストリートコースはメインストレートなどが新しい舗装となり、今まで以上にハイスピードでのバトルが展開されることとなりました。
全長1.786マイルのコースを85周して争われたシリーズ第12戦で優勝したのは、予選2番手からスタートしたスコット・ディクソン(Chip Ganassi Racing)でした。ポイントリーダーの彼は今シーズン3勝目を挙げ、ランキング2番手以下とのポイント差を33点から62点に広げました。
スタートで2番手を守ったディクソンは、ポールポジションからトップを守ったジョセフ・ニューガーデン(Team Penske)の背後にピタリとつけたまま周回を重ね、チャンスが訪れるのを待ち続けました。そして33周目、リスタートでリードを築こうとスピードを上げ過ぎて走行ラインを僅かに外れたニューガーデンはメインストレートへと出る最終コーナーで壁にヒット。優勝戦線から離脱しました。
トップに立ったディクソンを脅かすライバルは、とうとうゴールまで現れませんでした。2番手に浮上して来たシモン・パジェノー(Team Penske)との間隔をコントロールしながらディクソンは余裕を持って周回を続け、5秒以上のリードを持ってゴールラインを横切りました。
トロント郊外出身のルーキー、ロバート・ウィッケンズ(Schmidt Peterson Motorsports)は、パジェノーとのバトルを戦って3位フィニッシュを果たしました。家族や友人、そして地元ファンの声援を浴びて奮闘し、今シーズン3度目となる表彰台に上りました。そして、彼の先輩チームメートで、同じくトロント郊外出身のジェイムズ・ヒンチクリフも、マルコ・アンドレッティ(Andretti Herta Autosport with Curb-Agajanian)と激しく戦って4位フィニッシュ。2人揃ってのトップ4フィニッシュという健闘をチームと讃え合ってました。
佐藤琢磨(Rahal Letterman Lanigan Racing)は、金曜のプラクティス1、2で4番手、2番手のタイムをマークし、予選前のプラクティス3はトップタイム。マシンの仕上がりが非常によかったのですが、予選直前に降り出した雨によって実力をフルに発揮できず7番手でした。
それでもトロントでの予選自己ベストグリッド獲得となった佐藤選手は、上位陣を相手にレースで4つものポジションアップを実現、3位までポジションを上げました。しかし、ほかのマシンに追突されマシンに不具合が生じたこともあって最終コーナーの壁に接触し、レースを終えることとなりました。優勝を争い、2位フィニッシュが期待できたレースを戦えていただけに、佐藤にとって今回のリタイアは非常に悔しいものとなりました。
佐藤と彼のチームは、このところ3レース続けてマシンセッティングを非常にハイレベルに仕上げることができていますから、残るシーズン終盤戦の5レースでもトップ争いをみせられる状況にあります。
なお、トロントでの優勝はHondaにとっては今シーズンこれまでに行われた12レースでの7勝目となりました。その結果、マニュファクチャラーポイントでライバルのシボレーを135点リードすることとなりました。
スコット・ディクソン(優勝)
「もう体力は一切残っていません。本当に肉体的にハードなレースでした。私たちのマシンは本当に速かったので、トップに出てクリーンな空気を浴びられるようになってからは後続を突き放せました。難しいレースでした。特にリスタートが大変でした。このままチャンピオンシップポイントを重ねていきたいですね。今日勝利を挙げたChip Ganassi Racing、そしてHondaにおめでとうと言いたいです。本当にうれしい。素晴らしい勝利でした」
佐藤琢磨(22位)
「週末を通して私たちは非常に高い競争力をみせることができました。予選は天候の変化によって厳しい結果になりましたが、決勝前のファイナルプラクティスでは競争力を取り戻していました。レースではいくつかの問題がありながらも、レースを通して私たちのマシンは速かったと思います。それだけにリタイアという結果になったことに対し、クルーたちに申し訳ない気持ちです。彼らは終末を通して素晴らしいマシンを私に提供してくれました。私たちにはとてもいい勢いが今ありますから、次のミッド・オハイオでのレースを楽しみにしています」
順位 | No. | ドライバー | エンジン | 周回数 | タイム/差 |
---|---|---|---|---|---|
1 | 9 | スコット・ディクソン | 85 | 1:37'00.3100 | |
2 | 22 | S.パジェノー | シボレー | 85 | +5.2701 |
3 | 6 | ロバート・ウィッケンズ | 85 | +6.7753 | |
4 | 5 | ジェームズ・ヒンチクリフ | 85 | +18.3362 | |
5 | 23 | C.キンボール | シボレー | 85 | +18.8439 |
6 | 14 | T.カナーン | シボレー | 85 | +30.4354 |
7 | 26 | ザック・ヴィーチ | 85 | +32.2732 | |
8 | 27 | アレクサンダー・ロッシ | 85 | +34.5257 | |
9 | 1 | J.ニューガーデン | シボレー | 85 | +35.5755 |
10 | 98 | マルコ・アンドレッティ | 85 | +38.9089 | |
12 | 10 | エド・ジョーンズ | 85 | +42.3674 | |
14 | 19 | ザカリー・クラマン・デメロ | 85 | +54.4973 | |
16 | 28 | ライアン・ハンターレイ | 84 | +1Lap | |
19 | 18 | セバスチャン・ブルデー | 83 | +2Laps | |
21 | 15 | グレアム・レイホール | 68 | +17Laps | |
22 | 30 | 佐藤琢磨 | 66 | +19Laps |
順位 | ドライバー | エンジン | 総合ポイント | ||
---|---|---|---|---|---|
1 | スコット・ディクソン | 464 | |||
2 | J.ニューガーデン | シボレー | 402 | ||
3 | アレクサンダー・ロッシ | 394 | |||
4 | ライアン・ハンターレイ | 373 | |||
5 | W.パワー | シボレー | 371 | ||
6 | ロバート・ウィッケンズ | 339 | |||
7 | S.パジェノー | シボレー | 320 | ||
8 | グレアム・レイホール | 313 | |||
9 | ジェームズ・ヒンチクリフ | 312 | |||
10 | マルコ・アンドレッティ | 266 | |||
11 | セバスチャン・ブルデー | 265 | |||
12 | 佐藤琢磨 | 245 | |||
13 | エド・ジョーンズ | 240 | |||
17 | ザック・ヴィーチ | 191 | |||
22 | ザカリー・クラマン・デメロ | 122 | |||
24 | カルロス・ムニョス | 53 | |||
25 | ジャック・ハーヴェイ | 53 | |||
30 | コナー・デイリー | 35 | |||
31 | ステファン・ウィルソン | 31 | |||
32 | オリオール・セルビア | 27 | |||
33 | サンティノ・フェルッチ | 18 | |||
35 | ジェイ・ハワード | 12 | |||
39 | ピエトロ・フィッティパルディ | 7 |