Round06アメリカインディ500

決勝

2018年5月27日(日)

Indianapolis Motor Speedway

 第6戦 インディ500 決勝

燃費作戦で逆転を狙ったスコット・ディクソンが3位
ディフェンディング・チャンピオンの佐藤琢磨は序盤で遅いマシンと接触し、リタイア32位

1911年に第1回目のレースが行なわれ、今年が102回目の開催となったインディアナポリス500マイルは、最高気温が32℃に達し、路面の温度は50℃を超える過酷なコンディションで争われ、Team Penskeのウィル・パワーが11回目の挑戦で初優勝を飾りました。

2008年ウィナーのスコット・ディクソン(Chip Ganasi Racing)は予選9位からトップグループでチャンスを待ちました。レースが進む中でHondaエンジンの燃費がライバルを上回っていると判明したこともあり、ディクソンのチームはレース終盤に燃費をセーブして勝利を目指すよう作戦を切り替えました。もうゴールまで50周を切ってから出されたアクシデントによるフルコースコーションを利用し、彼らはカーナンバー9をピットロードへと呼び込んだのです。

残り40周回を無給油で走り切る作戦で勝利へと逃げ切ろうとしたディクソンでしたが、あと一歩及ばず。彼は3位でのゴールとなりました。

今年のレースデイはインディ500の長い歴史でも記録的に暑く、ダウンフォースが減少していたために、マシンをコントロールするのが難しい戦いが展開されました。アクシデントが頻発し、フルコースコーションが続けざまに出されたため、半分ほどのチームが燃費をセーブして1回少ないピットストップでゴールすることを目指していました。その中には大ベテランのオリオール・セルビア(Rahal Letterman Lanigan Racing)がおり、彼はゴールまで20周でトップに躍り出ました。しかし、残り3周でピットに向かわざるを得ませんでした。

佐藤琢磨(Rahal Letterman Lanigan Racing)は16番手グリッドからスタートし、1回目のピットストップには33周を終えたところで入りました。暑さ対策としてマシン・セッティングに変更を加え、終盤のバトルに向けて徐々にマシンを向上させて行く、ベテランらしい戦いで上位進出、さらには優勝争いを、と考えていた佐藤でしが、46周でのリタイアとなりました。周回遅れのマシンがコーナーの中でバランスを崩し、大きく減速してレーシングラインに戻って来たため、佐藤は行き場を失って追突したのです。

インディカーシリーズは休む間も無く次週はミシガン州デトロイトのストリートコースでダブルへダーを開催します。

コメント

スコット・ディクソン(3位)スコット・ディクソン
レース終盤にフルコースコーションが出た際、リスタートの少し前にピットで燃料をできる限り積み、燃費作戦での優勝を狙いました。しかし、今日の私たちはライバル勢に比べてトラフィックでのハンドリングが苦しく、前を行くマシンをパスするのにとても苦労しました。ライバルたちとギヤ比が大きく違っていて、リスタートでのパフォーマンスも悪かったですね。1速だとリミッターが作動し、2速だと加速が悪くて後続にパスを許すしかありませんでした。それでも私たちは3位でゴールすることができました。これはチーム力の高さによるものです。燃費作戦は今回の私たちにとってはベストの作戦で、私は彼らの提示した数字を実現するよう務めました。ウィナーのパワーには、心からおめでとうと言いたいですね。

佐藤琢磨(32位)佐藤琢磨
ジェイムズ・デイビソンはスピードが上げられずに苦しんでおり、全速力で走っている私との速度差が大きかったため、彼のマシンを避けることができませんでした。彼の存在に気づいてアクセルを戻し、ブレーキまで踏んだのですが、間に合いませんでした。あのようなエアポケットに入ってしまっては空気抵抗がなく、一気に吸い寄せられてしまうのです。どちらにとっても不運なアクシデントでした。私としてはチームとファン、そしてサポーターに対して申し訳なく感じています。あの時は16番手を走っていたのですが、ロバート・ウィッケンズ(Schmidt Peterson Motorsports)とともに集団の先頭へと追いついて行っていたんです。彼がデイビソンに追いつき、横に並んだのが見えました。おそらくあの時、デイビソンはマシンをコントロールし切れない状況になっており、アクセルを戻したけれどレーシングラインから外れてしまったんです。彼は大きく減速し、こちらは全力で走っていたため、そのスピード差は非常に大きく、よけきれなかったんです。本当に残念です。次のデトロイトは昨年Rahal Letterman Laningan Racing)がダブルへダーの2戦両方で勝ったサーキットですから、今年もいい走りができることと期待をしています。今回のレースから気持ちを早く切り替えて、デトロイト、そしてシーズンの中盤戦以降に臨みたいと思います。

決勝リザルト

順位 No. ドライバー エンジン 周回数 タイム/差
112W.パワーシボレー2002:59'42.6365
220E.カーペンターシボレー200+3.1589
39スコット・ディクソンHonda200+4.5928
427アレクサンダー・ロッシHonda200+5.2237
528ライアン・ハンターレイHonda200+6.7187
622S.パジェノーシボレー200+7.2357
729カルロス・ムニョスHonda200+7.8377
81J.ニューガーデンシボレー200+8.6917
96ロバート・ウィッケンズHonda200+9.3112
1015グレアム・レイホールHonda200+11.3368
1298マルコ・アンドレッティHonda200+14.0745
1525ステファン・ウィルソンHonda200+33.6747
1660ジャック・ハーヴェイHonda200+34.7970
1764オリオール・セルビアHonda200+38.2325
1919ザカリー・クラマン・デメロHonda199+1Lap
2117コナー・デイリーHonda199+1Lap
2326ザック・ヴィーチHonda198+2Laps
247ジェイ・ハワードHonda193+7Laps
2818セバスチャン・ブルデーHonda137+63Laps
3110エド・ジョーンズHonda57+143Laps
3230佐藤琢磨Honda46+154Laps

ポイントランキング

ドライバー

順位 ドライバー エンジン 総合ポイント
1W.パワーシボレー243
2アレクサンダー・ロッシHonda241
3J.ニューガーデンシボレー233
4スコット・ディクソンHonda218
5ライアン・ハンターレイHonda186
6グレアム・レイホールHonda183
7ロバート・ウィッケンズHonda178
8セバスチャン・ブルデーHonda168
9S.パジェノーシボレー155
10ジェームズ・ヒンチクリフHonda144
11マルコ・アンドレッティHonda141
 
15佐藤琢磨Honda100
17ザック・ヴィーチHonda98
18エド・ジョーンズHonda97
22ザカリー・クラマン・デメロHonda72
23カルロス・ムニョスHonda53
24ジャック・ハーヴェイHonda53
29ステファン・ウィルソンHonda31
30オリオール・セルビアHonda27
32コナー・デイリーHonda18
34ジェイ・ハワードHonda12
37ピエトロ・フィッティパルディHonda7

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