ROUND 15

アメリカマディソン Gateway Motorsports Park 2017.08.26(土)・決勝

第15戦 マディソン

ディクソンが2位表彰台、ロッシが今季6度目のトップ6フィニッシュ
予選6番手の佐藤琢磨は序盤でアクシデントに巻き込まれてリタイア

天候:快晴  気温:23~26℃

アメリカ大陸のほぼ中央、イリノイ州とミズーリ州の州境で、イリノイ州側のマディソンという町にあるゲイトウェイ・モータースポーツパークで、2017年のインディカー・シリーズ第15戦が開催されました。全長1.2マイルのオーバルコースは、ターン1~2、ターン3~4でコーナーの半径が異なるタマゴ型オーバルです。

現在、ポイントランキング2位で5度目のタイトル獲得に意欲を燃やしているスコット・ディクソン(Chip Ganassi Racing)は、予選7番手からのスタートでしたが、しぶとく、そして賢明な戦いぶりで2位までポジションを上げ、ゴールのチェッカーフラッグを受けました。

スタート直後にはポールポジションからスタートしたウィル・パワー(シボレー)がスピンし、その影響を受けてトップグループでアクシデントが発生しました。インディ500ウイナーの佐藤琢磨(Andretti Autosport)は、予選6番手の好位置からポジションを保っていましたが、パワーのアクシデントを見てマシンのバランスを崩したエド・カーペンター(シボレー)が、後方から佐藤のマシンにヒットする形となり、2台そろってクラッシュ。佐藤のマシンはギアボックスに大きなダメージを受けており、早々とレースを終えることとなりました。ディクソンはこの後のリスタートで5位に浮上し、そこからはトップグループを走り続けました。

多くのドライバーたちが最後のピットストップを行ったのが200周目でした。ディクソンもその一人で、コース復帰時には3位につけました。そして、248周のレースが残り30周となったとき、ディクソンのすぐ目の前でシモン・パジェノー(シボレー)とジョセフ・ニューガーデン(シボレー)が接触。ディクソンは外側にラインを外れたパジェノーをパスすることに成功しました。この後、ペースを取り戻したパジェノーが何度となくディクソンへの攻撃を仕掛けましたが、巧みなライン採りと全くミスのないドライビングによってディクソンは2位を死守し、ゴールラインを横切りました。トップのニューガーデンとの差はわずか0.6秒ほどしかありませんでした。

優勝したニューガーデンとディクソンは、このレースをポイントランキング1-2番手で迎えていました。その2人がランキングと同じポジションでゴール。2017年シーズンは残すところ2戦となりますが、2人のポイント差は31点となっています。

来週末はニューヨーク州ワトキンスグレンでのロードレース、その後1週間のインターバルを挟んで、9月の第3週にカリフォルニア州ソノマのロードコースで最終戦が開催されます。ディクソンは昨年のワトキンスグレンで優勝し、同地でトータル4勝を挙げています。そして、ソノマでも3勝の実績を持っています。

ディクソンの後方では、アレクサンダー・ロッシ(Andrettei Autosport)がまたしても力強いパフォーマンスを見せて6位フィニッシュ。3位、6位、2位と3戦続けて上位フィニッシュを果たし、ポイントランキングを1つ上げて7番手となりました。

チャーリー・キンボール(Chip Ganassi Racing)は最後の50ラップでの走りによって7位。ロードアメリカでの6位以来となる上位フィニッシュを果たしました。そして、ジェームズ・ヒンチクリフ(Schmidt Peterson Motorsports)が8位に続きました。

インディ500の予選でのアクシデントによって負傷したセバスチャン・ブルデー(Dale Coyen Racing)は、レース復帰をここゲイトウェイで果たし、復帰初戦で10位と、見事トップ10フィニッシュを達成しました。

コメント

スコット・ディクソン(2位)
「望める中でベストの結果を今日は獲得できたと思います。今日のレースが厳しいものになることは分かっていました。しかし、レースが始まってみると、私たちのマシンは非常にコンペティティブだと判明しました。ライバルたちよりも高いメカニカルグリップを実現することができていたようです。特に、それを各スティントの終盤に強く感じました。スティントの最後の方でライバルたちとの差を縮めることができていたのです。しかし、ドラフティングからサイドへと抜け出し、オーバーテイクを完成させるところまではなかなかいきませんでした。ジョセフ・ニューガーデンとシモン・パジェノーのバトルを後方から見ていましたが、それは大変エキサイティングでした。彼らは接近したままターン1へと飛び込みました。1つではなく、2つポジションアップができることを期待していました。いずれにせよ、今日のレースでもチームのクルーたちが本当にすばらしい仕事をしてくれていました。今回のレースは観客席が満員で、ファンの歓声もすごかったと思います」

アレクサンダー・ロッシ(6位)
「ハードなナイトレースでした。私たちのチームは奮闘し、チャンスをつかんで上位フィニッシュを達成したと思います。ライバルメーカーが強さを見せたレースで、私たちは望んでいた好結果を手にすることができました。あと1つか2つ上のポジションをつかむことも可能だったかもしれませんが、マシンをゴールまで無事に運べましたし、文句はありません。またトップ6フィニッシュができたことをうれしく思います」

決勝リザルト

順位 No. ドライバー エンジン 周回数 タイム/差
12J.ニューガーデンシボレー2482:13'22.0358
29スコット・ディクソンHonda248+0.6850
31S.パジェノーシボレー248+0.9743
43H.カストロネベスシボレー248+1.5668
54 C.デイリー シボレー248+1.7446
698アレクサンダー・ロッシHonda248+2.9101
783チャーリー・キンボールHonda248+4.2365
85ジェームズ・ヒンチクリフHonda248+4.8498
914C.ムニョスシボレー248+7.8832
1018セバスチャン・ブルデーHonda248+8.1831
117セバスチャン・サーベドラHonda248+8.6604
1215グレアム・レイホールHonda248+8.8457
1319エド・ジョーンズHonda248+12.3444
1427マルコ・アンドレッティHonda248+19.8702
1528ライアン・ハンターレイHonda205+43Laps
1610トニー・カナーンHonda168+80Laps
178マックス・チルトンHonda164+84Laps
1926 佐藤琢磨Honda6+242Laps

ポイントランキング

ドライバー

順位 No. ドライバー エンジン 総合ポイント
12J.ニューガーデンシボレー547
29スコット・ディクソンHonda516
33H.カストロネベスシボレー505
41S.パジェノーシボレー504
512W.パワーシボレー464
615グレアム・レイホールHonda436
798アレクサンダー・ロッシHonda422
826佐藤琢磨Honda410
910トニー・カナーンHonda365
105ジェームズ・ヒンチクリフHonda351
1128ライアン・ハンターレイHonda337
128マックス・チルトンHonda336
1327マルコ・アンドレッティHonda322
1419エド・ジョーンズHonda315
1783チャーリー・キンボールHonda263
197ミハイル・アレシンHonda237
2218セバスチャン・ブルデーHonda157
2518エステバン・グティエレスHonda91
267セバスチャン・サーベドラHonda80
2716オリオール・セルビアHonda61
2829フェルナンド・アロンソHonda47
2963ピッパ・マンHonda32
3077ジェイ・ハワードHonda24
3318ジェームス・デイビソンHonda21
3450ジャック・ハーヴェイHonda17

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スコット・ディクソン

スコット・ディクソン(左)

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