ROUND 14

アメリカポコノ Pocono Raceway 2017.08.20(日)・決勝

第14戦 ポコノ

トライアングルオーバルでロッシが3位フィニッシュ
ポールポジションスタートの佐藤琢磨はハンドリング不調により13位

天候:快晴  気温:24~26℃

ペンシルベニア州ロング・ポンドにあるポコノ・レースウェイで開催された500マイルレースでは、2016年インディ500ウイナーのアレクサンダー・ロッシ(Andretti Herta Autosport)が3位でフィニッシュし、今シーズン2度目の表彰台に登壇しました。快晴と心地よい気温に恵まれたレースは、200周に渡って激しいバトルが繰り広げられ、41回ものリードチェンジがあり、レース全体でのオーバーテイク回数は590回にも及びました。集まったファンは、インディカーらしいスリリングなハイスピードでの接近戦を堪能できました。

ポコノ・レースウェイの全長は2.5マイルでインディアナポリス・モーター・スピードウェイと全く同じなのですが、インディを始めとするオーバルコースがコーナーを4つ持つのに対し、ポコノは3つしかありません。しかも、それらのコーナーはバンクの傾斜角度もコーナー半径もそれぞれが異なっている上、3つのコーナーをつなぐストレート3本も長さが違っています。

このユニークなコースでの予選では、今年のインディ500で優勝した佐藤琢磨(Andretti Autosport)がポールポジション(PP)を獲得。レースではロッシ、スコット・ディクソン(Chip Ganassi Racing)、トニー・カナーン(Chip Ganassi Racing)、グレアム・レイホール(Rahal Letterman Lanigan Racing)、最後列スタートのライアン・ハンターレイ(Andretti Autosport)がトップ争いを繰り広げました。また、Hondaドライバー7人が200周のレースで160周のリードラップを記録。しかし、最上位はロッシによる3位でした。ピットタイミングが他チームと異なる作戦を採用したチームが大きな優位を得るレース展開となり、彼らが1-2フィニッシュを手にしたのです。

レース前半はHonda勢がライバルを圧倒していました。1回目のピットストップまではカナーンとロッシが凄まじいバトルを展開。そこへディクソンが加わり、彼はセカンドスティントでトップを走りました。彼はこのレースでの最多となる51周のリードを記録し、シーズン2勝目を狙いましたが、結果は6位となりました。

今日のレースではハンターレイの走りが際立っていました。予選はアクシデントにより計測ラップなし。最後列の21番グリッドからレースに臨んだ彼はハーフウェイの100周目にトップに躍り出て観客席から大歓声を受けました。彼の後方にはロッシ、ディクソン、レイホールらのHonda勢が続いていました。

カナーンは122周目にトップに復活。32周をリードしました。ここでの彼はレイホールと1周毎に順位を入れ替えるバトルでファンを沸かせました。しかし、カナーンはフロント・ウイングのマウント破損により優勝のチャンスを失い、最終的に5位でフィニッシュしました。9周トップを走ったレイホールは9位でレースを終えています。

124周目に発生したジェームズ・ヒンチクリフ(Schmidt Peterson Motorpsorts)らによるアクシデントが今日のレース展開を決定づけることとなりました。Team Penskeのドライバー2名とマルコ・アンドレッティ(Andretti Autosport)は、このときのコースコーション中に燃料補給のためのピットストップを行いました。トップグループとは異なるピットタイミングを選択し、燃費の心配も少なくなった彼らは速いラップを重ねてアドバンテージを手に入れました。アンドレッティは燃費をセーブすることで優勝のチャンスを狙いましたが、ゴール前10周で燃料を継ぎ足すためのピットストップを行わざるを得ず、地元での優勝はなりませんでした。そして、彼の後退によってウィル・パワー(シボレー)がレースのリーダーとなり、ロッシとカナーンをパスしてきたジョセフ・ニューガーデン(シボレー)が2番手に浮上しました。

佐藤はスタート直後からマシンのハンドリング不調に悩まされ、PPだったにも関わらず、優勝争いに加わることはできませんでした。マシンになにかトラブルが発生したのか、セッティングに狂いが生じていたのか原因は不明ですが、予選で見られた目覚ましいスピードが決勝では一切発揮されない悔しい戦いとなりました。

コメント

アレクサンダー・ロッシ(3位)アレクサンダー・ロッシ
「週末を通して私たちのマシンは速かったと思います。予選6番手からスタート直後に3番手まで浮上できたのはよかったですし、その先はレースをコントロールできたほどでした。ピットクルーもすばらしい仕事をしてくれていました。しかし、燃料調整ノブが外れ、セッティング変更ができなくなってしまい、持っているパワーを最大限に使うことができない状態に陥りました。そこが今回は残念でした」

佐藤琢磨(13位)佐藤琢磨(#26)、チャーリー・キンボール(#83)
「ポールポジションからのスタートはうまくきれ、トップでターン1に入りましたが、ターン2の先でトニー・カナーンにパスされました。スピードが伸びない。なにかがおかしいと感じました。タイヤが温まってからもアンダーステアが強く、順位を下げていくしかありませんでした。ピットストップでウイングを立てていきましたが、前のマシンと同じペースで走ることはできても、パスをするのが難しかったです。予選ではスピードをみせることができていたのに、レースが全く戦うことができないものとなったのは悔しいですね。このコースにはリベンジをしなくてはなりません」

決勝リザルト

順位 No. ドライバー エンジン 周回数 タイム/差
112W.パワーシボレー2002:43'16.6005
22J.ニューガーデンシボレー200+0.5268
398アレクサンダー・ロッシHonda200+0.7112
41S.パジェノーシボレー200+0.8770
510トニー・カナーンHonda200+2.9056
69スコット・ディクソンHonda200+3.3544
73H.カストロネベスシボレー200+3.7273
828ライアン・ハンターレイHonda200+4.0833
915グレアム・レイホールHonda200+4.6884
1014C.ムニョスシボレー200+6.9330
1127マルコ・アンドレッティHonda200+9.4607
1326佐藤琢磨Honda200+11.2388
1683チャーリー・キンボールHonda200+24.4523
1719エド・ジョーンズHonda200+25.0689
188マックス・チルトンHonda129+71Laps
205ジェームズ・ヒンチクリフHonda124+76Laps
217セバスチャン・サーベドラHonda114+86Laps
2218エステバン・グティエレスHonda23+177Laps

ポイントランキング

ドライバー

順位 No. ドライバー エンジン 総合ポイント
12J.ニューガーデンシボレー494
29スコット・ディクソンHonda476
33H.カストロネベスシボレー472
41S.パジェノーシボレー468
512W.パワーシボレー452
615グレアム・レイホールHonda418
726佐藤琢磨Honda399
898アレクサンダー・ロッシHonda394
910トニー・カナーンHonda351
105ジェームズ・ヒンチクリフHonda327
1128ライアン・ハンターレイHonda322
128マックス・チルトンHonda322
1327マルコ・アンドレッティHonda306
1419エド・ジョーンズHonda298
1783チャーリー・キンボールHonda237
187ミハイル・アレシンHonda237
2218セバスチャン・ブルデーHonda136
2518エステバン・グティエレスHonda91
267セバスチャン・サーベドラHonda61
2716オリオール・セルビアHonda61
2829フェルナンド・アロンソHonda47
2963ピッパ・マンHonda32
3077ジェイ・ハワードHonda24
3318ジェームス・デイビソンHonda21
3450ジャック・ハーヴェイHonda17
35 18 トリスタン・ボーティエHonda 15

ランキング詳細

フォトギャラリー

アレクサンダー・ロッシ

アレクサンダー・ロッシ

アレクサンダー・ロッシ

佐藤琢磨(#26)、チャーリー・キンボール(#83)

佐藤琢磨(#26)、チャーリー・キンボール(#83)

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