ROUND 12

カナダトロント Streets of Toronto 2017.07.16(日)・決勝

第12戦 トロント

第12戦トロントでロッシ、ヒンチクリフが表彰台を獲得
不運に見舞われた佐藤琢磨は16位でフィニッシュ

天候:晴れ  気温:23~24℃

カナダ最大の都市トロントの中心部にほど近いエキジビジョンプレイスは、オンタリオ湖沿いに広がる催し物会場で、隣接する公園も利用したストリートコースがインディカーレースの舞台として使用されます。ストリートならではのバンピーさとグリップの低さが特徴のコースは、ドライビングもマシンセッティングも非常に難しいテクニカルなものとして知られています。

レースウイークエンドは過ごしやすい天候で、多くの熱心なファンがサーキットに詰めかけました。雨の心配も若干ある中でトロントの決勝レースがスタートしましたが、大きなアクシデントはありませんでした。心配された雨も降らず、フルコースコーションはスタート直後にウィル・パワー(シボレー)がストップして出されたものと、トニー・カナーン(Chip Ganassi Racing)による23周目からのものの2回しか出されませんでした。しかし、このタイミングが各ドライバーのレース結果を左右するものとなり、予選8番手から早めのピットストップを行うことでチャンスを手にしたアレクサンダー・ロッシ(Andretti Herta Autosport)が2位フィニッシュで表彰台に上りました。

レース序盤の20周を超えたところでカナーンがターン1のタイヤバリアに突っ込み、フルコースコーションが出されました。このコーションの前に最初のピットストップを行なっているか否かが大きなポイントとなりました。ロッシはイエローフラッグが出る2周前にピットしており、レースが再開された27周目には4位に浮上し、38周目に2位までさらにポジションを上げました。トップを走るジョセフ・ニューガーデン(シボレー)は、2台のマシンをロッシとの間に挟んでいる時にリードを広げていましたが、ロッシは粘り強い走りで差を縮め、1.8704秒差で今シーズンのベストとなる2位でのゴールを達成しました。トップ5入りは今シーズン3回目。表彰台は昨年のインディ500での優勝以来となるキャリア2回目です。

トロント郊外の出身であるジェームズ・ヒンチクリフ(Schmidt Peterson Motorpsorts)は、6番手スタートから2016年と同じく3位フィニッシュを果たしました。ヒンチクリフもカナーンのアクシデントによるイエローフラッグの1周前にピットしたことで上位にポジションを保つことに成功しました。

逆に、イエローフラッグのタイミングにより、予選2番手だったグレアム・レイホール(Rahal Letterman Lanigan Racing)は9位でのゴールとなりました。インディ500ウイナーの佐藤琢磨(Andretti Autosport)もイエローの出た後のピットとなったために上位でフィニッシュするチャンスを得られませんでした。佐藤は予選10番手で、序盤に7番手まで順位を上げていました。レース中のペースも安定して速かっただけに、レース展開が味方しなかったのは不運でした。

今日のレースではマルコ・アンドレッティ(Andretti Autosport)が4位でフィニッシュし、ライアン・ハンターレイ(Andretti Autosport)も予選16番手から6位まで大きく順位を上げてゴールしました。そして、マックス・チルトン(Chip Ganassi Racing)も7位でゴール。レイホールが9位、スコット・ディクソン(Chip Ganassi Racing)が10位とトップ10にHondaドライバー7人が入りました。

チャンピオンシップは全17戦で、トロントは12戦目。12戦を終えてのポイントスタンディングは、ディクソンが依然としてトップをキープし、レイホールが6位、佐藤が7位、ロッシが8位につけています。

コメント

アレクサンダー・ロッシ(2位)
アレクサンダー・ロッシ 「今週末はマシンを自分の思うようにセッティングできず、とても苦しみました。チームメートたちにもラップタイムで離されていました。金曜にエンジニアたちと原因が何なのかを徹底的に話し合いました。データも研究し尽くしました。そうして考え出したセッティング変更によって、マシンは自分の走りにマッチするものに変わりました。今日、私たちは大きな一歩を記すことができたと思います。念願の表彰台に上ることができ、ホッとしました。これまでにも何度か、あと一歩のところまでは来ていました。長い時間がかかりましたが、今日ついにトップ3フィニッシュを実現できました。作戦のよさによって、それは成し遂げられました。チャンスを与えてくれているチームに感謝します。次のミッド・オハイオでは優勝を狙います」

ジェームズ・ヒンチクリフ(3位)
ジェームズ・ヒンチクリフ 「この結果はチームにとってすばらしいものです。今週の私たちはソフトタイヤでの走りで苦労をしていました。そんな私たちにとって、あのフルコースコーションはまさに絶妙のタイミングで出されました。そして、その後のレースでは私たちは十分に競争力のあるペースを保っていました。終盤にはアレクサンダー・ロッシとジョセフ・ニューガーデンに追いついて行くことさえできていました。ハードタイヤでの走りはとてもいいもので、ピットストップも万全の出来でした。クルーたちにも感謝したいです。カナダでのレースで表彰台に上ることができ、とても喜んでいます。毎年サポートがどんどん大きくなっているのを感じています。応援してくれる彼らのためにも、来年は今日よりふたつ上のポジションでゴールしたいですね」

佐藤琢磨(16位)
佐藤琢磨 「今日のレース展開にガッカリしています。我々のスタートはよく、いくつかポジションを上げることができました。イエローからグリーンになった直後、ターン3の入り口で私はアウト側を走り、ターン4でスペンサー・ピゴット(シボレー)のイン側に並びました。そこで彼がこちらにぶつかって来ました。左の壁と彼のマシンに挟まれてしまいました。こちらには、行き場が全くない状況だったのに彼が寄せて来たことで、2台は絡み合い、タイヤがパンクしました。追い上げてライバルたちをパスすることもトライしましたが、その後のレースではイエローも出なかったため、それも叶いませんでした。マシンが本当に速かっただけに大変残念です。今日の私たちは。レースペースでみれば、トップに近い速さがあったと思います。それだけに悔しいと感じています」

決勝リザルト

順位 No. ドライバー エンジン 周回数 タイム/差
12J.ニューガーデンシボレー851:35'05.3522
298アレクサンダー・ロッシHonda85+1.8704
35ジェームズ・ヒンチクリフHonda85+4.7020
427マルコ・アンドレッティHonda85+18.7408
51S.パジェノーシボレー85+19.4274
628ライアン・ハンターレイHonda85+27.3905
78マックス・チルトンHonda85+28.3386
83H.カストロネベスシボレー85+28.9415
915グレアム・レイホールHonda85+29.7693
109スコット・ディクソンHonda85+30.3369
117セバスチャン・サーベドラHonda85+32.7668
1283チャーリー・キンボールHonda85+36.4821
1418エステバン・グティエレスHonda85+53.9858
1626佐藤琢磨Honda85+1'01.8457
1910トニー・カナーンHonda83+2Laps
2019エド・ジョーンズHonda75+10Laps

ポイントランキング

ドライバー

順位 No. ドライバー エンジン 総合ポイント
19スコット・ディクソンHonda423
23H.カストロネベスシボレー420
31S.パジェノーシボレー404
42J.ニューガーデンシボレー400
512W.パワーシボレー359
615グレアム・レイホールHonda359
726佐藤琢磨Honda351
898アレクサンダー・ロッシHonda330
910トニー・カナーンHonda306
105ジェームズ・ヒンチクリフHonda297
118マックス・チルトンHonda295
1219エド・ジョーンズHonda276
1328ライアン・ハンターレイHonda273
1427マルコ・アンドレッティHonda268
177ミハイル・アレシンHonda221
1883チャーリー・キンボールHonda206
2218セバスチャン・ブルデーHonda136
2518エステバン・グティエレスHonda73
2616オリオール・セルビアHonda61
2829フェルナンド・アロンソHonda47
2963ピッパ・マンHonda32
3077ジェイ・ハワードHonda24
3318ジェームス・デイビソンHonda21
3450ジャック・ハーヴェイHonda17

ランキング詳細

フォトギャラリー

アレクサンダー・ロッシ(左)、ジェームズ・ヒンチクリフ(右)

アレクサンダー・ロッシ

ジェームズ・ヒンチクリフ

佐藤琢磨

佐藤琢磨

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