ROUND 10

アメリカウィスコンシン Road America 2017.06.25(日)・決勝

第10戦 ウィスコンシン

ポイントリーダーのスコット・ディクソンがロード・アメリカで今季初勝利
Hondaは今シーズン6勝目となる

天候:快晴 気温:17~20℃

アメリカ北部のウィスコンシン州にある美しいサーキット、ロード・アメリカで開催されたシリーズ第10戦で、スコット・ディクソン(Chip Ganassi Racing)が巧みなレース運びで勝利を手にしました。全長4.014マイルと長いコースを使ってのレースは、快晴ながら気温は20度以下と、6月にしては涼しいコンディションで争われ、ディクソンはレース半ばにトップに立つと、そのあとはレースをコントロール下に置いてゴールまで走りきりました。

ディクソンは不運なアクシデントに巻き込まれたインディ500以外では、開幕からの7レースで6度のトップ5フィニッシュを果たし、デトロイトでのレース1終了時点で、未勝利ながらポイントリーダーの座に躍り出ました。そして今日、待ちに待った2017年シーズン最初の勝利をロード・アメリカで獲得し、昨年度チャンピオンのシモン・パジェノー(Team Penske)に対するポイントリードを13点から34点に広げました。

予選5番手だったディクソンは、スタートで3番手まで順位を上げ、そのあとに1つポジションを落とすものの、燃費をセーブして1回目のピットストップをライバル勢より1周遅らせ、再び3番手に浮上しました。

1回目のピットストップでタイヤをソフトからハードにスイッチ。ここで2番手を行くエリオ・カストロネベス(Team Penske)との差を縮め、2回目のピットストップでついにパスしました。

ディクソンがトップに立ったのは、31周目のリスタート時でした。ジョセフ・ニューガーデン(Team Penske)をターン1で豪快にパスすると、そこからはレースを完全に支配しました。ゴールを目前に控えてチームメートのトニー・カナーンのアクシデントがあり、大きなリードは消滅しましたが、残り7周でリスタートが切られると、ディクソンは危なげなくトップを守り、プレッシャーをかけてきたニューガーデンとの差をコントロールして、歴代単独4位となる通算41勝目のチェッカーフラッグを受けました。あと1勝で、歴代3位につけるマイケル・アンドレッティに並びます。

このほかのHondaチームは、チャーリー・キンボール(Chip Ganassi Racing)が6位、ルーキーのエド・ジョーンズ(Dale Coyne Racing)が7位、グレアム・レイホール(Rahal Letterman Lanigan Racing)が8位、マックス・チルトン(Chip Ganassi Racing)が9位、そして、ミハイル・アレシン(Schmidt Peterson Motorsports)が10位と、6台のHonda勢がトップ10内でゴールしました。

この5月に行われた第101回インディアナポリス500で優勝した佐藤琢磨(Andretti Autosport)は、高速ロードコースのロード・アメリカでも活躍が期待されていました。しかし、予選までにマシンを思い通りに仕上げることができなかった上、首に突然痛みが出たことも響き、グリッドは最後尾に近い20番手でした。首への負担を考慮してウォームアップを走行せずに決勝に出場した佐藤は、大きなコーナリングGフォースとハードブレーキングで体力的にも過酷なレースを走りきり、19位で11ポイントを加算。チャンピオンシップでの順位後退は1つに留め、トータル323点、トップのディクソンと56点差で4番手となっています。

コメント

スコット・ディクソン(優勝) スコット・ディクソン「私たちのマシンは、週末を通してとても速かったです。Team Penske勢も、今週末になにかを掴んだのか、非常に高い競争力を発揮していました。彼らとのバトルになることは明らかでした。ところが、私たちは燃料ポンプのトラブルでウォームアップを走れませんでした。チームがマシンを直してくれましたが、レースに向けては不安な要素となりました。レースでトラブルの再発はなく、チームの作戦もすばらしかったことで、勝利を飾ることができました。チームにとっても、本当にうれしい優勝です。今シーズンは序盤戦からいくつかのレースを取りこぼしました。今日の勝利はとてもうれしく、そしてチャンピオンシップに向けて多くのポイント獲得にもなりました」

佐藤琢磨(19位)佐藤琢磨「苦しい週末になりました。そして、レースも苦しいものでした。土曜日の午前中のプラクティスで首を痛めました。グリッド後方からのスタートとなり、追い上げようとしたのですが、レース半ばでアクシデントに巻き込まれました。このときにエンジンがストールし、再スタートができるかどうかが心配でしたが、セーフティクルーがエンジンを再始動させてくれ、ピットに戻ってシートベルトを締め直し、レースを続行することができました。完走はできましたが、本当はもっといい週末を送りたいと考えていました。次のレース、アイオワに向けての準備は整っています」

決勝リザルト

順位 No. ドライバー エンジン 周回数 タイム/差
19スコット・ディクソンHonda551:47'18.9870
22J.ニューガーデンシボレー55+0.5779
33H.カストロネベスシボレー55+4.1918
41S.パジェノーシボレー55+4.9721
512W.パワーシボレー55+5.7227
683チャーリー・キンボールHonda55+14.7178
719エド・ジョーンズHonda55+21.6338
815グレアム・レイホールHonda55+22.2273
98マックス・チルトンHonda55+23.3076
107ミハイル・アレシンHonda55+24.3586
1398アレクサンダー・ロッシHonda55+38.1370
1428ライアン・ハンターレイHonda55+39.8433
1718エステバン・グティエレスHonda55+1'28.4634
1827マルコ・アンドレッティHonda54+1Lap
1926佐藤琢磨Honda54+1Lap
205ジェームズ・ヒンチクリフHonda53+2Laps
2110トニー・カナーンHonda44+11Laps

ポイントランキング

ドライバー

順位 No. ドライバー エンジン 総合ポイント
19スコット・ディクソンHonda379
21S.パジェノーシボレー345
33H.カストロネベスシボレー342
426佐藤琢磨Honda323
52J.ニューガーデンシボレー318
612W.パワーシボレー316
715グレアム・レイホールHonda307
810トニー・カナーンHonda273
998アレクサンダー・ロッシHonda271
1019エド・ジョーンズHonda254
 
118マックス・チルトンHonda251
125ジェームズ・ヒンチクリフHonda242
1327マルコ・アンドレッティHonda222
147ミハイル・アレシンHonda212
1528ライアン・ハンターレイHonda210
1883チャーリー・キンボールHonda172
2118セバスチャン・ブルデーHonda136
2516オリオール・セルビアHonda61
2629フェルナンド・アロンソHonda47
2718エステバン・グティエレスHonda40
2963ピッパ・マンHonda32
3077ジェイ・ハワードHonda24
3318ジェームス・デイビソンHonda21
3450ジャック・ハーヴェイHonda17

ランキング詳細

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スコット・ディクソン(中央)

スコット・ディクソン

スコット・ディクソン

佐藤琢磨

佐藤琢磨

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