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2016.6.26 インディカー・シリーズ 第10戦 アメリカ ウィスコンシン 決勝

[決勝] 2007年以来のロード・アメリカでレイホールが3位表彰台
佐藤は2度のピットロード・ドライブスルー・ペナルティーにより17位

2016年6月26日(日)・決勝  会場:ロード・アメリカ  天候:晴れ  気温:27〜29℃

ウィスコンシン州エルクハートレイクのロード・アメリカ(全長4.014マイル)でインディカー・シリーズのレースが開催されるのは、2007年以来です。そして、このレース復活を待ち望んでいた熱心なファンたちが、今週末のサーキットに詰めかけました。決勝日の朝こそ雨模様でしたが、それ以外は好天に恵まれ、大勢のファンが見守る中で50周のレースは行われました。そして、予選6番手だったグレアム・レイホール(Rahal Letterman Lanigan Racing)が、ゴールまでアグレッシブに戦い抜き、3位表彰台に上りました。

グレアム・レイホールグレアム・レイホール

グレアム・レイホールグレアム・レイホール

スタートにソフトコンパウンドのレッドタイヤの新品を選んだレイホールは、ゴールまでコンスタントに順位を上げて、上位のポジションを保ち続けました。50周のレースは39周目までイエローフラッグがいっさい出されず、ハイペースな展開に。最初の、そして唯一のフルコースコーションは、6番手を走行していたコナー・デイリー(Dale Coyne Racing)がターン1のタイヤバリアに追突したことで出されました。サスペンショントラブルが原因で、高速のターン1に飛び込んだところでマシンコントロール不能に陥り、スピンしながらグラベルエリアへ飛び込むとタイヤウォールにサイドから当たりました。幸いなことに、デイリーにケガはありませんでした。

このアクシデントの前まで、デイリーはHonda勢の中でも上位を走っていました。キャリアベストとなる予選9番手からスタートし、最初のピットストップを終えたところで6番手までポジションを上げていたのです。トップ6か、それ以上の順位を獲得できるのは間違いないという安定した戦いぶりをみせていただけに残念な結果となりました。

レースが再開されたのは44周目でした。レイホールは4番手を走行していましたが、すぐにポイントリーダーのシモン・パジェノー(シボレー)をパスし、3番手に浮上。そのポジションをチェッカーフラッグまで守り通しました。

グレアム・レイホール(右)グレアム・レイホール(右)

ライアン・ハンターレイ(左)、佐藤琢磨(右)ライアン・ハンターレイ(左)、佐藤琢磨(右)

同じく終盤には、ライアン・ハンターレイ(Andretti Autosport)も猛チャージをみせました。彼はグリーンフラッグでレースが再開されたときには7番手を走っていたのですが、チャーリー・キンボール(シボレー)、エリオ・カストロネベス(シボレー)、パジェノーをオーバーテイクして4位でゴール。Honda勢では、カルロス・ムニョス(Andretti Autosport)も10位でトップ10入りを成し遂げました。

佐藤琢磨(A.J. Foyt Racing)は、マシンのセッティングミスから予選は15番手で、スタート位置は厳しいものとなっていました。しかし、3回のプラクティスでマシンを高いレベルに仕上げることに成功していた上、ロード・アメリカはオーバーテイクポイントが複数存在するコースのため、絶対に上位進出できると考えてスタートに臨みました。

1周目に1つポジションを上げて14番手となった佐藤は、4周目、6周目、10周目、そして11周目にライバルをパス。1度目のピットストップを終え、順位は8番手と大きく浮上していました。その後も上位陣との差を着々と縮めていった佐藤は、2度目のピットストップでクルーが奮闘し、ハンターレイの前にピット作業の差で出ることに成功。ポジションは7番手に上がりました。ところが、これら2度のピットストップに入る際に時速50マイルのスピード制限を越えていたと判定が下され、2度のピットロード・ドライブスルー・ペナルティーを科せられて大きく後退。終盤も走りにはキレとスピードがあり、ポジションを上げましたが、17位フィニッシュという悔しい結果となりました。

インディカー・シリーズは一週間の休みを挟んで、アイオワ州デモイン郊外のアイオワ・スピードウェイに向います。今シーズン2度目の、そして今シーズン最後のショートオーバルでの戦いとなります。アイオワ・コーン300は、7月10日開催です。

グレアム・レイホール(3位)
「好成績を残すことができてうれしいです。今日、自分たちが成し遂げた3位フィニッシュを心から喜んでいます。今シーズンの自分たちにとって、大変大きな意味を持つ、すばらしい結果を手にすることができました。私たちはどのコースに行ってもスピードをみせてきていますが、多くの不運に遭遇してきていました。今日のレース終盤にはシモン・パジェノーが20周ほど真後ろにつけていましたが、私は全力を投じて彼を封じ込め続けました。激しいバトルを戦い、それに勝ったのですから、とてもいい一日になりました。タイヤに関する作戦はベストではなく、我々は苦しい状況に置かれたときもありました。しかし、私たちはそれを乗り越えて3位でゴールしたのです。この経験を学び、来年はより強くなってこのコースに戻ってきたいと思います。それにしても、ロード・アメリカのレース復活は本当にうれしいことです。また戻ってきて、レースを戦えたことを光栄に感じています。このコースに集まるファンの熱狂ぶり、インディカーに対する大きなサポートには驚くばかりです。今日、できることなら私は勝ちたかった。それは叶いませんでしたが、大量のシリーズポイントを稼ぐことはできました。表彰台は今年2度目。ここから勢いに乗って行きたいと思います。全力でのファイトを続け、ベストを尽くし、Hondaに勝利をもたらしたいと考えています」

佐藤琢磨(17位)
「事前のテストに来られなかったことを考えれば、今週末の私たちの好パフォーマンスはチームのすばらしい仕事ぶりによるものだと自負してよいでしょう。テストに来ていたチームとの差を3回のプラクティスで縮めることができていました。ところが、予選ではマシンを組み上げる際にミスがあったため、非常に残念な結果しか手にすることができませんでした。それだけに、今日の決勝レースで持てる力を大勢のファンの前で披露できたのはうれしいですね。レース前半に私は何台ものマシンをパスし、8番手にまで順位を上げることができました。しかし残念なことに、ピットスピード・リミッターにトラブルが発生し、ペナルティーを2度も受ける結果となってしまいました。今日の私たちのパフォーマンスにはいっさい似つかわしくない17位という結果に終わったのは、そのためです。今日もチームのクルーたちは最高のピット作業を施してくれていました。残るシーズンも私たちはチーム一丸となって全力を出し続けていくだけです」

決勝リザルト
順位 No. ドライバー エンジン 周回数 タイム/差
112W.パワーシボレー501:39'10.3044
210T.カナーンシボレー50+0.7429
315グレアム・レイホールHonda50+5.9608
428ライアン・ハンターレイHonda50+9.3597
53H.カストロネベスシボレー50+10.5340
683C.キンボールシボレー50+10.9966
72J.P.モントーヤシボレー50+12.6191
821J.ニューガーデンシボレー50+13.8835
920スペンサー・ピゴットシボレー50+15.7290
1026カルロス・ムニョスHonda50+17.1132
 
1141ジャック・ホークスワースHonda50+18.7152
1227マルコ・アンドレッティHonda50+19.9030
145ジェームズ・ヒンチクリフHonda50+22.1333
1598アレクサンダー・ロッシHonda50+22.5908
167ミハイル・アレシンHonda50+23.5531
1714佐藤琢磨Honda50+35.3665
1919ギャビー・シャヴェスHonda49 +1Lap
2118コナー・デイリーHonda39+11Laps
ポイントスタンディング
順位 No. ドライバー エンジン 総合ポイント
-122S.パジェノーシボレー375
23H.カストロネベスシボレー301
312W.パワーシボレー294
49S.ディクソンシボレー285
521J.ニューガーデンシボレー283
610T.カナーンシボレー280
726カルロス・ムニョスHonda262
815グレアム・レイホールHonda261
-92J.P.モントーヤシボレー259
1098アレクサンダー・ロッシHonda257
 
1128ライアン・ハンターレイHonda256
135ジェームズ・ヒンチクリフHonda242
-1518コナー・デイリーHonda186
-1614佐藤琢磨Honda186
-1727マルコ・アンドレッティHonda184
-187ミハイル・アレシンHonda169
-2041ジャック・ホークスワースHonda129
-22 19ギャビー・シャヴェスHonda92
-24 77オリオール・セルビアHonda72
-25 29タウンゼント・ベルHonda55
-2619ルカ・フィリッピHonda45
-28 35アレックス・タグリアーニHonda35
-29 63ピッパ・マンHonda33
-3288ブライアン・クロウソンHonda21

ランキング詳細

グレアム・レイホールグレアム・レイホール

グレアム・レイホールグレアム・レイホール

グレアム・レイホール(右)グレアム・レイホール(右)

ライアン・ハンターレイ(左)、佐藤琢磨(右)ライアン・ハンターレイ(左)、佐藤琢磨(右)