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インディカー・シリーズ

round 16

SCHEDULE

August 17 2014, RACE ABC Supply Wisconsin 250

アメリカミルウォーキー

ジョセフ・ニューガーデンが5位フィニッシュ
佐藤琢磨は15位

2014年8月17日(日)・決勝  会場:ザ・ミルウォーキー・マイル  天候:快晴  気温:25.6℃

2014年インディカーシリーズの第16戦「ABCサプライ・ウィスコンシン250プレゼンテッド・バイ・メトロミルウォーキーHondaディーラーズ」が、伝統あるザ・ミルウォーキー・マイルで開催されました。“伝説のオーバル”というニックネームでも親しまれているこのコースは、全長が1マイルと短く、ほぼフラットなのが特徴です。決勝日は晴れ渡った空と、暑さを全く感じさせない快適な気温に恵まれ、集まったファンは250周=250マイルにわたる、インディカーならではの超高速接近戦の観戦をエンジョイしていました。

  • ジョセフ・ニューガーデンジョセフ・ニューガーデン
  • シモン・パジェノーシモン・パジェノー
  • ミハイル・アレシンミハイル・アレシン
  • 佐藤琢磨佐藤琢磨
  • 佐藤琢磨佐藤琢磨

予選5番手で3列目グリッドのイン側からスタートしたジョセフ・ニューガーデン(Sarah Fisher Hartman Racing)は、常にトップグループにつけて勝負のタイミングを待っていました。スタートからピットタイミングを少しずつ早めにしていた彼らは、レースのほぼ中間地点でフルコースコーションが出されたとき、ほぼ全車がピットへと押し寄せる中でコース上にとどまりました。レース終盤の展開を味方につけて優勝争いを行うという、ギャンブル的な面も備えた作戦でした。その結果、ニューガーデンは3番手につけてレース終盤へと突入。しかし、燃費が厳しくなってゴール前20周を切ってからピットイン。1周が1マイルと短いオーバルではピットストップをするだけで1ラップの後れを取りました。それでも、燃料補給と同時にタイヤを新しいものに交換したニューガーデンは、だれよりも速いスピードでの周回を重ねてリードラップへと復活し、そこからさらに2台を抜いて5位フィニッシュを果たしました。

予選16番手だったシモン・パジェノー(Schmidt Peterson Motorsports)は、持ち前の粘り強さを発揮して6位でゴールしました。チャンピオンシップポイントでのランキングで4番手につけていたパジェノーは、今日のしぶとい戦いによってランキングを3番手へと1つ上げることに成功。初のタイトル獲得を大逆転で果たすべく、残り2戦に臨みます。

ミルウォーキーのオーバルは非常に難しいコースと考えられていますが、今日のレースではHondaエンジンで走るルーキー2人が見事な走りをみせました。ロシア出身のミハイル・アレシン(Schmidt Peterson Motorsports)は予選15番手からスタートし、トップからは1周遅れになりながらも8位でゴール。予選17番手だったイギリス出身のジャック・ホークスワース(Bryan Herta Autosport)も10位フィニッシュを達成しました。

予選10番手だった佐藤琢磨(A.J. Foyt Racing)は、最初のスタートへと加速していったターン4でリアを大きくスライドさせ、18番手まで後退。フルコースコーションが1度しか出されなかったレースでは遅れを取り戻すのが大変難しく、辛抱強く走り続け、ピットストップでセッティング変更を施してマシンを改善しましたが、15位でのゴールとなりました。

次戦は太平洋岸のカリフォルニア州、サンフランシスコ近郊のソノマ・レースウェイで開催されます。

コメント

ジョセフ・ニューガーデン(5位)
「オーバーテイクが本当に難しいレースでしたが、それはミルウォーキーのコースの持つ特性ですね。今日のレースでは燃費セーブにも力を注いでいました。ギリギリまで絞り込んだ状態で走り続けていました。今日最速の一人だったライバルから攻撃を受けていたときでさえ、私はコーナー進入時にアクセルを戻すタイミングを早め、燃料をセーブしようとがんばっていました。ここでのレースはグリップを空力に頼っての戦いとなるため、だれかの後ろに追いつくとグリップが減少してしまうんです。今日の我々のマシンはとてもよいものに仕上がっていたと思います。しかし、作戦面でのギャンブルは成功しませんでした。それでも5位でフィニッシュできたことを私はうれしく思います。そのぐらいのポジションでフィニッシュするだけの実力を今日の我々は持っていたと感じています」

佐藤琢磨(15位)
「とても残念なレースになりました。最初のスタートでリアのグリップを失い、マシンが大きくスライドしました。ほとんどスピンしてしまいそうなぐらいでした。そのためにポジションを大きく落とし、路面が滑りやすい状態だった序盤にはポジションばん回も難しい状況となりました。レース中盤にはマシンを向上させていくことができ、ペースも上がっていきました。しかし、すでに周回遅れに陥っていたため、だれかをパスすることができても、それが順位の上昇にはつながらないことが多くなっていました。自分自身、いいレースを戦える自信を持っていたミルウォーキーだけに、今日の戦いぶりは悔しいですね。次はカリフォルニア州ソノマでのレースです。プラクティス時間も短い2日間のイベントとなるため、最高のマシンを持ち込み、最初のプラクティスから速さを発揮できるよう、エンジニアとセッティングの検討を行いたいと思います」

アート・セントシアー│HPD社長
「チャンスをつかむことができませんでした。今日のレースは私たちにとって、そういう戦いになっていたと思います。Hondaエンジンは週末を通して高い性能を発揮していました。しかし、強さを発揮していた我々のチームのいくつかがピットレーンでトラブルに見舞われました。ジョセフ・ニューガーデンのチームが採用したギャンブル的な作戦は、挑戦する価値があったと思います。残念ながらそれが報われることはありませんでした。それでも、今日彼らはまたしてもすばらしい戦いぶりを披露してくれました。前戦ミッドオハイオでの落胆から彼らは完全に立ち直り、見事な5位フィニッシュを達成しました。シモン・パジェノーの目標はチャンピオン争いに生き残ることであり、彼はそのために必要な仕事を完ぺきにこなしていました。ミハイル・アレシンに対しては、ルーキーながら8位という上位でのフィニッシュを、1年目のドライバーにとっては非常に難しいと言われるミルウォーキーで達成したことに拍手を送りたいと思います」

決勝リザルト

順位 No. ドライバー エンジン 周回数 タイム/差
112W.パワーシボレー2501:44'49.4611
22J.P.モントーヤシボレー250+2.7949
310T.カナーンシボレー250+7.2356
49S.ディクソンシボレー250+18.8058
567ジョセフ・ニューガーデンHonda250+22.4998
68R.ブリスコーシボレー250+23.4954
777シモン・パジェノーHonda250+24.0347
87ミハイル・アレシンHonda249+1Lap
920E.カーペンターシボレー249+1Lap
1098ジャック・ホークスワースHonda249+1Lap
 
1325マルコ・アンドレッティHonda249+1Lap
1415グレアム・レイホールHonda249+1Lap
1514佐藤琢磨Honda248+2Laps
1719ジャスティン・ウィルソンHonda248+2Laps
1927ジェームズ・ヒンチクリフHonda244+6Laps
2018カルロス・ウエルタスHonda243+7Laps
2128ライアン・ハンターレイHonda168+82Laps
2234カルロス・ムニョスHonda130+120Laps

ポイントスタンディング

ドライバー
順位 No. ドライバー エンジン 総合ポイント
112W.パワーシボレー602
23H.カストロネベスシボレー563
377シモン・パジェノーHonda510
428ライアン・ハンターレイHonda494
52J.P.モントーヤシボレー488
69S.ディクソンシボレー472
710T.カナーンシボレー425
834カルロス・ムニョスHonda424
911S.ブルデーシボレー418
1025マルコ・アンドレッティHonda400
 
1227ジェームズ・ヒンチクリフHonda377
1419ジャスティン・ウィルソンHonda339
157ミハイル・アレシンHonda338
1667ジョセフ・ニューガーデンHonda337
1798ジャック・ホークスワースHonda321
1815グレアム・レイホールHonda312
1918カルロス・ウエルタスHonda288
2014佐藤琢磨Honda261
2416オリオール・セルビアHonda88
2526カート・ブッシュHonda80
2816ルカ・フィリッピHonda46
305ジャック・ヴィルヌーヴHonda29
3168アレックス・タグリアーニHonda28
3363ピッパ・マンHonda21
3441マーティン・プロウマンHonda18
3634フランク・モンタニーHonda8