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May 17 2014, QUALIFYING Indianapolis 500
インディアナポリス
2014年5月17日(土)・予選1日目 会場:インディアナポリス・モーター・スピードウェイ(インディ500)
天候:晴れ、一時雨 気温:12〜13℃
第98回インディアナポリス500マイルレースは、予選のルールが昨年までとは大きく変わりました。伝統的にこれまで、予選初日はポールデイと呼ばれ、その日に最速だったドライバーがポールポジション(PP)を手にしていましたが、今年から予選初日では、その翌日(予選2日目)にPP争いをする9名のメンバーを決めることになりました。
気温の低いコンディションの中、33人のドライバーたちは最速の9人を目指し、ダウンフォースを減らしてドラッグを削り取ったマシンで、超高速のアタックを繰り返しました。予選アタックが単独走行による4周連続である点は、インディ500の伝統として保たれ、エントリーした33人全員が、少なくとも1度のタイムアタックを行いました。
予選用にターボのブースト圧が上げられるルールによって、インディカーはスピードアップを果たし、トップ争いは、4周の平均時速が230mph台(約370km)というハイスピードな展開になりました。出場ドライバー、および出場チームの実力はきっ抗し、230mph台に到達できなければ、トップ9に入ることは不可能でした。インディ500の予選スピードが230mph台をマークしたのは、2003年以来のことです。
Hondaドライバーの中では昨年、ルーキーながら予選2番手、決勝2位というすばらしい成績を残したコロンビア出身のカルロス・ムニョス(Andretti Autosport)が奮闘し、平均230.460mph(約370.889km)をマークして、この日の2番手となりました。ジェームズ・ヒンチクリフ(Andretti Autosport)は平均230.407mphで4番手、マルコ・アンドレッティ(Andretti Autosport)は平均230.134mphで6番手につけ、先週行われたシリーズ第4戦グランプリ・オブ・インディアナポリスで優勝したばかりのシモン・パジェノー(Schmidt Peterson Motorsports)は7番手。そして、ジョセフ・ニューガーデン(Sarah Fisher Hartman Racing)は8番手と、Hondaエンジンを搭載したマシンが、トップ9に5台入りました。
このほかにも、スポット参戦のカート・ブッシュ(Andretti Autosport)がトップ9入りを惜しくも逃す10番手。シリーズポイントで2位につけているライアン・ハンターレイ(Andretti Autosport)は11番手、イギリス出身ルーキーのジャック・ホークスワース(Bryan Herta Autosport)は12番手と、Hondaドライバーはトップ12に8人が食い込みました。
新しい予選ルールでは、午前11時から午後5時50分までの予選時間内であれば、何度でもアタックを行うことができるため、アンドレッティのように4度のアタックを行うドライバーもいました。その結果、4周を走りきらずに途中で断念した走行も含めると、エントリーした33人が、合計で71度ものアタックを行いました。インディアナポリス・モーター・スピードウェイに集まった大勢のファンは、インディカーの高速予選バトルを大いに堪能しました。
佐藤琢磨(A.J. Foyt Racing)はアタックを1度のみにとどめ、228.786mphという記録で18番手でした。彼らは2度目のアタックを行うタイミングを探っていましたが、最終的にそのチャンスは訪れませんでした。この日の走行データをもとにマシンセッティングをさらに向上させ、決勝グリッドを決定するための予選2日目に臨むこととなりました。
今年からの新ルールでは、予選1日目の走行時間終了後、午後7時までは追加のエントリーが認められていましたが、締め切りまでに追加のエントリーはなされませんでした。そのため、明日は10番から33番までの決勝グリッドを争う予選グループ1と、PPから9番グリッドまでを争う予選グループ2という2つの予選が行われます。
カルロス・ムニョス(予選1日目 2番手)
「昨年は初出場で、予選前には落ち着けませんでした。しかし、今年は予選でなにをすべきなのかが分かっているので、冷静に最初のアタックを行うことができ、実際にそれはとてもスムーズにいきました。しかし、ライバルのスピードが速く、2度目のアタックが必要になりました。そこで2度目のアタックに出たのですが、最初のアタックでよかったマシンのバランスが完全に狂っており、速いラップと遅いラップが交互にあらわれた4周となってしまい、トップ9入りはあきらめなければならないかも、と考えました。しかし、チームのエンジニアたちが私の望むハンドリングを取り戻してくれたことで、3度目のアタックをすばらしいものにできました。マシンはスピードを取り戻しており、明日の予選でも力強い戦いを披露できると確信しています」
佐藤琢磨(予選1日目 18番手)
「朝のプラクティスでは、気温も路面温度も大変低く、マシンのスピードは速くなっていました。予選では完全な単独走行ですが、228mphは出せるとの読みがありました。そして私たちはその通りに228mph台を出したのですが、マシンのバランスは決してよくはありませんでした。1周目、2周目はよかったのですが、3周目からはハンドリングがオーバーステアになりました。リアのグリップが下がってしまっていたのです。しかしながら、自分たちはマシンをもっと速くできるという感触を得ました。4周の間に起きたバランスの変化を小さくすることができれば、最初以上のスピードを出せるはずだと考えました。しかし、自分たちが2度目のアタックを行うことを考えていたころには、太陽が出て気温も少しですが上がり、スピードを出しやすいコンディションではなくなっていました。自分たちとしては、最初のアタックでのスピードをキープしたまま、2度目のアタックに挑戦したかったのですが、そのチャンスはついに訪れませんでした。明日、10番グリッド獲得を目指してがんばりたいと思います」
マーク・クロフォード|HPD インディカー・エンジン・プロジェクト LPL
「気温の低いコンディションは、エンジンの性能をフルに発揮でき、予選は230mph台というハイスピードで争われました。ライアン・ハンターレイがトップ9入りを逃したのは意外でしたし、残念でしたが、カルロス・ムニョスが2番手につけたのをはじめとして、Hondaドライバーは5人もトップ9に入りました。そのことを私たちは大変喜んでいます。今日、予選1日目にナンバーワンになれなかかったことには少々悔しい思いもしていますが、肝心なのは明日です。明日、第98回インディ500のポールポジションが決定するのですから。私たちとしては明日、ナンバーワンを獲得すべく全力を投入します」
順位 | No. | ドライバー | エンジン | 平均速度(mph) | |
---|---|---|---|---|---|
1 | 20 | E.カーペンター | シボレー | 230.661 | |
2 | 34 | カルロス・ムニョス | Honda | 230.460 | |
3 | 3 | H.カストロネベス | シボレー | 230.432 | |
4 | 27 | ジェームズ・ヒンチクリフ | Honda | 230.407 | |
5 | 12 | W.パワー | シボレー | 230.323 | |
6 | 25 | マルコ・アンドレッティ | Honda | 230.134 | |
7 | 77 | シモン・パジェノー | Honda | 230.070 | |
8 | 67 | ジョセフ・ニューガーデン | Honda | 230.033 | |
9 | 21 | J.R.ヒルデブランド | シボレー | 230.027 | |
10 | 26 | カート・ブッシュ | Honda | 229.960 | |
11 | 28 | ライアン・ハンターレイ | Honda | 229.899 | |
12 | 98 | ジャック・ホークスワース | Honda | 229.816 | |
14 | 19 | ジャスティン・ウィルソン | Honda | 229.618 | |
16 | 7 | ミハイル・アレシン | Honda | 229.091 | |
18 | 14 | 佐藤琢磨 | Honda | 228.786 | |
20 | 15 | グレアム・レイホール | Honda | 228.664 | |
25 | 63 | ピッパ・マン | Honda | 228.358 | |
27 | 5 | ジャック・ヴィルヌーヴ | Honda | 228.171 | |
29 | 16 | オリオール・セルビア | Honda | 228.034 | |
30 | 18 | カルロス・ウエルタス | Honda | 227.991 | |
31 | 68 | アレックス・タグリアーニ | Honda | 227.813 | |
32 | 41 | マーティン・プロウマン | Honda | 227.043 |