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 インディカー・シリーズ(IndyCar Series)とCART(Championship Auto Racing Teams)シリーズの違いについては、いろんなレベルでの議論が可能だが、レースファンにとってわかりにくい場合が多いのが実情である。しかし違いは確実に存在する。
 まずインディカー・シリーズとCARTがどこで行なわれるかが明確に違う。インディカー・シリーズは「4コーナー・オーバル」や「トライ・オーバル」といった非対称のレイアウトを持つコースやハイスピード・オーバル・コースで開催されるが、基本的に円形のサーキットでレースは行なわれる。
 一方でCARTはオーバル・コースでも数レース開催されるものの、大半はロード・コースでレースが行なわれる。多くの点で、インディカー・シリーズとCARTのレーシング・マシンは似通っている。両方とも尖がったノーズと前後に大きなウィングを持つ、F1マシンとはちょっと異なるオープン・ホイール・レースカーである。

 技術的な面で比較すると、違いは次の様になる。インディカー・シリーズとCARTの両マシンに共通するのは78.5インチ(199.39cm)という最大車幅だけで、ホイールベースはインディカー・シリーズの118〜122インチ(299.72〜309.88cm)に対し、CARTは120〜126インチ(304.8〜320.04cm)と長い。
 マシンの車高は、サーキットによって、リアウィングやロールバーなどのセッティングが異なり若干上下するが、インディカー・シリーズが約38インチ(96.52cm)で、CARTはそれよりも6インチ(15.24cm)ほど高い。マシンは、ノーマルより少し重くなるCARTのスーパー・スピードウェイ用マシンを除けば、両方とも1550ポンド(702.15kg)程度で同じくらいの重さである。
 何よりインディカーとCARTマシンの真の違いはエンジンにある。インディカーは、すべてオールアルミ製3.5リッターのV8・32バルブDOHCエンジンで、Honda、トヨタ、シボレーがエンジン・サプライヤーとして参戦しており、チームはそのうちのどこかとパートナーを組むことになる。インディカーのエンジンの最高出力は675馬力以上だと言われているが、エンジン・メーカーが真実を語るとは考えにくい。

 インディカー用エンジンは自然吸気で、スーパーチャージャーの使用は禁止されている。燃料はインディカーのサーキットで伝統的に使われ続けているメタノールを使用することが決められている。むろんエンジン・メーカーはそれぞれ独自の工夫を自社製エンジンに加えるものの、インディカー用エンジンには、V型バンク角は90度、最低重量は295ポンド(133.635kg)という厳しいレギュレーションがある。インジェクターは気筒あたり2つまで、カムシャフトはチェーンかギアで駆動するよう決められていて、エンジンの全長は22〜22.4インチ(55.88〜56.90cm)までと規定されており、エンジンマウント・システムは全マシン共通のものを使用するよう定められている。トランスミッションもXTRAC製6速シーケンシャル・ギアボックスの使用が義務付けられている。またトラクション・コントロールやドライビングを補助するいかなる電子装置の使用も固く禁止されている。
 それもこれもすべてコスト抑制のためで、エンジン販売価格は最高12万5,000USドル(約1,560万円)となっている。
 一方2003年度CARTシリーズのエンジンは1種類、フォード・コスワースのオールアルミ製V8エンジンで、排気量は2.65リッター、ターボチャージャー付きで燃料はメタノール。最高出力は約850馬力。ターボエンジンの複雑さと負荷の大きさが、エンジン開発、使用、維持において果てしなきコストとの戦いという問題を抱えている。
CARTシリーズ用ギアボックスは4速から7速まであって、レースが行なわれるサーキットがオーバル・コースかロード・コースかによって使い分ける。トラクション・コントロールの使用もCARTでは認められている。
(上記数値、サプライヤー名、写真等は2003年時のもの) 
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