2015年のXトライアル世界選手権第5戦オーストリア大会は、Repsol Honda Teamのトニー・ボウが優勝。タイトル争いでは、ランキング2位のアダム・ラガ(ガスガス)に21点差をつけ、最終戦を待たずに9度目のタイトル獲得を決めました。ボウは現在のチームに入ってから、負け知らずの9連覇です。
オーストリアのウィーナー・ノイシュタットにあるレース会場は、詰めかけた観客で満席となっていました。前回のバルセロナ大会が終了した時点での、ボウとラガのポイント差は13点。そのため、多くの人は今回のオーストリア大会では、ボウのシーズン優勝は決まらないと考えていたはずです。
前回のバルセロナ大会の勝利で、再び連勝記録をカウントし始めたボウは、オーストリア大会でも圧倒的なライディングテクニックを披露しました。セクションのレベルは高く、それだけにボウのパフォーマンスが際立っていました。
セミファイナルに挑んだのは8名の選手。そこから4名がファイナルに進出しました。セミファイナルでのボウの減点は6点で、セミファイナルで2位のラガが16点。このことから、いかにボウのレベルが高かったかが分かります。
ファイナルは、第1セクションで全員が5点を取るという、波乱を予感させるスタート。ただ、そこからのボウの立ち直りは見事でした。第2セクションでは、ライバルの3名が5点となる中で、唯一走破して喝采を浴びました。そこからはボウのペースです。だれもボウの勝利を脅かすことができぬまま、2位にはジェロニ・ファハルド(ベータ)が入りました。ファハルドが2位になり、ラガは3位に降格。ポイントランキングで2位につけていたラガが、この大会で3位になったことで、ボウと2位の差は21ポイントに。そのため、最終戦を待たずにボウのタイトル獲得が決まりました。なお、ボウは今回の勝利で、Xトライアル世界選手権での通算45勝目をマークしました。
今シーズンにおけるXトライアル世界選手権の最後の大会は、3月20日(金)にスペインのオビエドで開催されます。
トニー・ボウ (優勝)
「今日はいい戦いができました。セクションはどれも楽しいものでした。Xトライアルの舞台設定として、最高の演出だったと言えるのではないでしょうか。9度目のタイトルが決まりましたが、私自身、こんなに多くのタイトルを得られるとは思っていませんでした。マシンはいつも夢のような走りを与えてくれますし、チームは献身的なサポートをしてくれます。私の勝利で、彼らが喜んでくれる姿を見るのは、なにより幸せなことです。今回のタイトルも、チーム、私のマインダーであるホアン・コルドン、家族、友人たち、そして応援してくれるすべての人たちに捧げます」
順位 | ライダー | チーム | 予選 | 決勝 |
---|---|---|---|---|
1 | トニー・ボウ | Repsol Honda Team | 6 | 10 |
2 | J.ファハルド | ベータ | 21 | 23 |
3 | A.ラガ | ガスガス | 16 | 25 |
4 | A.カベスタニー | シェルコ | 19 | 30 |
5 | J.ダビル | ヴァーティゴ | 21 | - |
6 | A.フェレール | シェルコ | 25 | - |
7 | エディー・カールソン | Honda | 26 | - |
順位 | ライダー | チーム | 総合ポイント |
---|---|---|---|
1 | トニー・ボウ | Repsol Honda Team | 95 |
2 | A.ラガ | ガスガス | 74 |
3 | A.カベスタニー | シェルコ | 57 |
4 | J.ファハルド | ベータ | 54 |
5 | A.フェレール | シェルコ | 24 |
6 | J.ダビル | ヴァーティゴ | 18 |
7 | エディー・カールソン | Honda | 11 |
10 | ハイメ・ブスト | Repsol Honda Team | 1 |