Dakar Rally 2016 休息日
2016/01/10
サルタ

ラリー前半を首位で折り返し、Team HRCが戦いの準備を整える

38度目を迎えたダカールラリー2016。このラリーへの復帰4年目となるTeam HRCは、天候の影響や、ホアン・バレダに起こったトラブルなど、困難な状況を経験しながらも、チームプレイで支え合い、総合トップにパウロ・ゴンサルヴェス、総合12位にリッキー・ブラベック、総合16位にマイケル・メッジ、総合62位にパオロ・セッシという布陣で後半戦へと挑みます。

また、Honda South America Rally Teamは、ジェアン・アゼベド、ハビエル・ピゾリトがラリー前半戦で戦列を離れましたが、地元アルゼンチン出身のケビン・ベナバイズはダカールラリー初挑戦ながら、ここまで総合5位という活躍。これは大きなニュースです。Team HRCのマイケル・メッジの弟、アドリアン・メッジも、総合19位と快調です。

また、総合48位のペドロ・ビアンキ・プラタ選手(ポルトガル)、総合53位のロブ・スミッツ選手(オランダ)、総合55位のマイケル・フェルカーデ選手(オランダ)、総合106位のフェデリコ・エドゥアルド・コーラ選手(アルゼンチン)、総合112位のダニー・ロバート選手といった、Hondaマシンに乗るプライベートライダーも健闘を続けています。

明日に向けて休養をたっぷり取ったライダーたちに、ここまでと後半戦へ思いを、サルタのビバークで聞いてみました。彼らはすでに準備万端。マシンの整備を終え、Honda勢はラリー後半戦に力強く挑戦します。

コメント

パウロ・ゴンサルヴェス(総合1位)
「レストデイの段階で総合トップにいることは、私にとっても、Team HRCにとっても喜ばしいことです。チームメートのバレダ選手がリタイアしたことは残念ですが、明日からはまた、チーム全員で勝利に向けて前進します。容易にいくことではありませんが、毎日ミスなく、いいポジションをキープし、ベストを尽くして走ります」

リッキー・ブラベック(総合12位)
「ここまではダートロードが中心でしたが、後半からはナビゲーションステージになります。気温が上がり、ダカールは、いよいよここから始まると思っています」

マイケル・メッジ(総合16位)
「強力にパウロをプッシュする必要があります。後半はナビが難しくなるため、経験のあるパウロの実力が光ると思います。本当は彼の前で道案内ができればいいですが、彼はとにかく速いですから」

パオロ・セッシ(総合62位)
「私にとって、ここまでは簡単ではありませんでした。バレダ選手がトラブルで動けなくなった日、彼を520kmにわたって牽引しました。その結果、昨日は114位からのスタートで、たくさんの前走者をパスするのが大変でした。ラリー後半戦はサポート役に徹して、チームの勝利のために集中していきます」

ケビン・ベナバイズ(総合5位)
「ここサルタは私のホームタウンです。チームメートが誕生日を祝ってくれて、レストデイはとても快適でした。ここまで順調です。前半戦でステージ優勝を経験しました。今の順位にも満足しています。しかし、明日からの後半戦はこれまで以上に難しくなるはずです。毎日集中して走り、ベストを尽くします」

本田太一 | プロジェクトリーダー
「本日はレストデイです。我々Team HRCのサポートチームは、明日からの後半戦に備え、これまでの実績をもとに、ライダーたちに気持ちよくレースを続けてもらうため、しっかりとCRF450 RALLYを整備しました。明日のステージ8のスタートは、2番手でHonda South America Rally Teamのベナバイズ選手、3番手でゴンサルヴェス選手、4番手でマイケル・メッジ選手、10番手でブラベック選手がスタートする、理想的なフォーメーションです。例年、後半が厳しいダカールラリーですが、現在総合1位のゴンサルヴェス選手をしっかりサポートして戦います。応援をよろしくお願いします」

マルティーノ・ビアンキ | Team HRC ゼネラルマネージャー
「はっきりしていることは2つです。一つはポジティブな面。それはゴンサルヴェス選手が総合順位でトップにいること。ネガティブな面は、やはりバレダ選手のマシンに技術的なトラブルが発生したことです。彼は、昨年と同じようにボリビアで不運に見舞われました。後半戦が始まります。フィーリングはいいですし、ポジティブに考えています。チーム全体でいい仕事ができており、明日からのハードな一週間を克服します。これまで多くの問題に直面してきました。難しいルート設定に加えて気象条件が悪化、標高の高さなどが、私たちに大きな影響を与えました。チームの状態はとてもいいですし、とてもいい仕事をしています。加えてHonda South America Rally Teamとのコラボレーションもうまくいっています。明日からのラリーは、選手たちにとって今まで以上にハードになるでしょう。戦略的にもより厳しくなりますが、私たちは自信を持っています」

ウルフギャング・フィッシャー | Team HRC マネージャー
「私たちは、ダカールラリーの2週目を戦う準備ができています。バレダ選手は残念ながらリタイアしましたが、ゴンサルヴェス選手の総合1位を全力でサポートすることが、これからの私たちの使命です。おそらく明日からは、最もハードな3日間になるでしょう。私たちは、非常に熱いフィアンバラの砂漠に到着します。そこでは今大会2度目のマラソンステージもあり、ライダーたちはチームからのサポートを受けられません。この3日間はとても重要です。そして、ロサリオのゴールを目指す最後の3日間が、私たちを待っているのです」

TOMORROW'S STAGE
STAGE 8
サルタ 〜 ベレン
リエゾン(移動区間):373km  スペシャルステージ(競技区間):394km  総移動距離:767km

2016年のダカールラリーはいよいよ後半戦へと入る。後半戦には、前半とは異なるさまざまなことが待っている。明日、参加者は今回のラリーで初めて砂丘へと入る。ダカールといえば砂。ダカールラリーのエキスパートにとって、存在を示す絶好のチャンスだ。しかし、そのナビゲーションは非常に難しい。慎重さを忘れないことだ。さもなければ、砂丘が行く手を塞ぎ、多くの時間は容易に失われ、ラリーの続行すら難しくなるからだ……。

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