FIMクロスカントリーラリー世界選手権の最終戦となるモロッコラリーが、ザゴラ砂漠で開幕。スペシャルステージはやや難しい構成でしたが、Team HRCのホアン・バレダ選手が見事に勝利を飾りました。チームメートのパウロ・ゴンサルヴェス選手もトップグループでフィニッシュし、明日以降のステージで上位進出を狙える位置に付けています。
開幕前に襲った豪雨の影響で川の水位が上がっていたため、主催者は当初のスペシャルステージ330qを含むコースから、全体で370qのルートへ短縮しました。
その状況下で、バレダ選手は、前走車の巻き上げたほこりによって視界がほとんど確保できなかったにもかかわらず、快調なペースを刻んでステージ優勝を果たしました。ケガによって3カ月の休養を余儀なくされていたバレダ選手ですが、この勝利で順調に回復していることを証明しました。
ゴンサルヴェス選手と、パオロ・セッシ選手も視界の問題に悩まされ、前方のライダーに追いついてもなかなか思うようにオーバーテイクできない展開となりました。しかし、ゴンサルヴェス選手はライバルとそん色ないタイムで6位フィニッシュ。セッシ選手は、リスクを避けることを優先し、安定した走りでステージ15位となりました。
Hondaサウスアメリカラリーチームのライダーも20位以内でゴールし、ジェアン・アゼベド選手が18位、世界選手権デビューとなったケビン・ベナバイズ選手が13位でフィニッシュしました。
ホアン・バレダ選手(ステージ優勝 / 総合1位)
「とてもいい一日でした。後方からのスタートでしたが、前のマシンが巻き上げるほこりに気を付けてレースを進めるため、序盤はかなりスピードを落として走りました。アタックを仕掛けられるエリアに入っても、冷静に走れたのはよかったと思います。ほかのライダーをパスしようとして少しタイムロスしたのに、いい結果を得ることができました。最高のスタートが切れたと思います」
パウロ・ゴンサルヴェス選手(ステージ6位 / 総合6位)
「長くてハードな一日でしたが、結果には満足しています。かなり後ろのほうからスタートしたので、前方のライダーを追い抜くのに60qほどかかり、かなりの時間をロスしました。多少のタイムロスがあっても危険を回避することを優先したので、追い抜きのチャンスはありましたが、少しに留めました。今日は後方からスタートするのには向いていない日でしたね。一方で、今回我々の最優先事項であるマシンの状態は、とてもいいです。いいセッティングを見付けることができました」
パオロ・セッシ選手(ステージ15位 / 総合15位)
「いいステージでしたが、距離が長くて難しかったです。我々のように後方からスタートしたライダーにとっては、前走車のほこりがやっかいで、追い抜きを難しくしていました。それでタイムを失ってしまいましたが、感覚はよかったですし、ミスをせずに安定したペースを刻んでチームメートと走れたので、満足しています」
ケビン・ベナバイズ選手(ステージ13位 / 総合13位)
「岩の多い難しい地形で、ハードなレースになりました。ほこりによって視界が制限される中で、ステージの半分を追い抜きに費やしました。コース上には石が多く、用意していたロードブックは当てにできなかったので、途中の給油地点でロードブックをセットし直さなければなりませんでした。幸いにもそこから後退せずに最後まで走りきることができました」
ジェアン・アゼベド選手(ステージ19位 / 総合19位)
「いいスペシャルステージだったと思います。先頭からのスタートで、約70qにわたってルートを切り開かねばなりませんでした。今日はマシンのフィーリングを確かめるために時間を使い、サスペンションが少し硬いと感じたので調整しました。ダカールに向けたいいトレーニングになったと思います」
※レポート、コメントは暫定結果に基づくものです。
順位 | ライダー | マシン | タイム/差 |
---|---|---|---|
1 | ホアン・バレダ | Honda | 3:36'45 |
2 | T.プライス | KTM | +1'41 |
3 | H.ロドリゲス | ヤマハ | +2'51 |
4 | A.メオ | KTM | +4'39 |
5 | P.クインタニラ | KTM | +5'40 |
6 | パウロ・ゴンサルヴェス | Honda | +6'03 |
13 | ケビン・ベナバイズ | Honda | +20'00 |
15 | パオロ・セッシ | Honda | +29'33 |
19 | ジェアン・アゼベド | Honda | +33'08 |