HondaモータースポーツF1中本修平レポート
VOL.52「本当に、残念です。」
FIAの裁定を受け入れることを決めた、スペインGP初日。他チームがフリー走行を走り終え、ミーティングに入った頃、B・A・R Hondaの4台の大型トランスポーターが、サーキットを去って行く。中本エンジニアリング・ディレクターを始めエンジニアたちも、イギリスへと帰って行った。

 レース現場でチームとマシンのパフォーマンスを最大限に引き出すのが、自分の仕事なんです。そして今回、その職場を奪われてしまいました。でもそれに対して、自分としてはどうにもできないわけで、これは淋しいですよ。
 土曜日の1回目予選や、日曜午前の2回目予選の結果を見ると、もちろんコースコンディションとか、しっかり分からないわけですけれど、あれ位のタイムならいつでも出せたなあ、という気持ちが出てしまいました。
 
―バルセロナテストでコースレコードを連発、前週のムジェロテストでも好調でしたしね。
 
 そうですね。だからいっそう残念ですね。出られなかったことが。
 
―イギリスに戻ったのは、金曜日?
 
 はい。裁定に従うというチーム決定が出てから、戻りました。
 
―レースはTV観戦したんですか。
 
 ほとんど観ませんでした。やるのは好きだけど、観るのは好きじゃないから(笑)。まあ、途中ところどころ観ましたけれど、集中してずっとTVの前に詰めていたわけではありません。
 
―今週は、ポールリカールでテストですね。
 
 はい。3日間を予定しています。ただし、最初の2日間はモナコのレイアウトなので、全部は出ないかもしれません。
 
―次のモナコも、我慢しないといけませんね。
 
 なんて言うのか、今は陸に上がったカッパ状態ですね・・・(苦笑)。今回、一番辛いし残念なのは、あたかもB・A・R Hondaが何か悪いことをしているのではないかと、書かれたりしていることです。それは絶対になかったということは、本当に分かっていただきたいです。
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