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予選では、佐藤琢磨がM・シューマッハに並ぶフロントローを獲得。レースでもフェラーリに挟まれる形で2番手を好走した。しかし終盤、バリチェロとのバトルでフロントウィングを破損。緊急ピットインからコースに復帰した直後、エンジンブローでリタイアを喫し、初表彰台の夢は消えたのだった。だがその琢磨に代わって、ジェンソン・バトンが3位入賞を果たす。今季5度目の表彰台獲得で、B・A・R
Hondaはコンストラクター選手権3位の座を保った。
まず予選ですが、琢磨くんが自分の力を出し切ってくれたことが、僕はすごくうれしかった。出し切ったぞーってね。今までは、予選でも気持ちが先走ってミスをしたりしていたでしょう。それが今回は、やるべき仕事をキッチリこなしてくれました。日本人初のフロントローということよりも、そのことの方が僕は、よぉーしって思いました。いい感じで緊張感を高めながら、自分の中でコントロールしなければいけないところをうまくやってくれました。それが本当にうれしかったです。
レースは、・・・・エンジンが壊れてしまったことに尽きます。悔しい、とかではなく、情けない。やるべきことは全部やっていましたが、トラブルを防げなかった。直前までは油温も水温も、他のデータもすべて正常で、まったく兆候がなかった。突然です。今回のトラブルについては、大体のところは原因が分かっています。その辺は、次のカナダGPに投入されるバージョンで根本的に直ることになっています。でも何と言っても今回のリタイアは、我々のエンジン開発に煮詰めの甘さがあったわけで、彼の力走を支えてあげられなかった力不足を痛感しています。
モナコでのオーバーヒートは別にして、これまでに琢磨くんのエンジンばかり3回も壊れている。7戦で3回。選手権を戦う上で、これは無視できない大きな問題です。コンストラクターズ2位のルノーとの差は、その結果として開いてしまっているし。その意味で、エンジンに関して信頼性の部分は満足できていません。ちなみに、琢磨くんの方にばかりトラブルが出ることについてドライビングとの関連をきかれますが、それはありません。
琢磨くんは、たとえば5月上旬のスペインGPで、同じサーキットでのテストやフリー走行までは速かったのに、レースでペースが伸びなかったことがありました。それがどうしてなのか、あの時点では分かりませんでしたが、あれは純粋に技術的な問題でした。簡単に言うと、路面温度の予測を読み間違えて、タイヤ性能を十分に引き出せなかったということです。それに対して今回のニュルでは、予選だけではなく、レースの周回ペースも速かった。その前のフリー走行は、ジェンソンの方が順位は上でしたけれど、仕上がり具合は琢磨くんの方がよかったんです。
繰り返しになりますが、琢磨くんは本来持っている力を、大事な場面でも出し切れるようになりました。そして、レースで最後まで堂々と戦ってくれました、表彰台に十二分に値する走りだったと思います。今回は結果が出なかったけれども、イケますよ、必ず。
※F1世界選手権、次戦はRd.8・カナダGP、6月13日(日)決勝です。皆様のご声援をよろしくお願いいたします。
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