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October 9 2015, PRACTICE 2015 Formula 1 Russian Grand Prix
ロシアGP
2015年10月9日(金)・1日目フリー走行 会場:ソチ・オートドローム 全長:5.848km
今日のソチ・オートドロームは、バルト海沿岸のおだやかな気候というよりは、英国マーゲートで過ごす雨降りの週末というような天候になり、FP1とFP2のいずれのフリー走行でもレポートするようなアクションはほとんど見られませんでした。
実際、一日の中で最も注目すべき事件は、1回目のフリー走行の前に発生しました。サーキット上に大量のディーゼル燃料が漏れたためにコースが使用できなくなり、セーフティー担当の作業員が広範囲に渡る燃料漏れを清掃したことで、セッション開始が30分遅れました。
昼食時間に雨が降り出したために、午後のフリー走行でラップタイムを刻んだドライバーはたった8人にとどまり、事実上、あまり意味のないセッションとなりました。それでも、両ドライバーとも精力的に走行を続け、午後のセッションでは5番手(フェルナンド・アロンソ)および8番手(ジェンソン・バトン)のラップタイムを計測しました。
今週末は、アロンソのマシンのPU(パワーユニット)の構成部品を交換するという戦略的な決断をチームとして下し、それによってアロンソは、日曜日のレースで35グリッド降格ペナルティを受けます。
フリー走行1 リザルト
順位 | ドライバー | チーム | タイム | 周回数 |
---|---|---|---|---|
1 | ニコ・ヒュルケンベルグ | Force India | 1'44.355 | 11 |
2 | ニコ・ロズベルグ | Mercedes | 1'44.407 | 15 |
3 | セバスチャン・ベッテル | Ferrari | 1'44.986 | 15 |
4 | セルジオ・ペレス | Force India | 1'45.146 | 11 |
5 | ダニエル・リカルド | Red Bull | 1'45.233 | 10 |
6 | カルロス・サインツ Jr. | Toro Rosso | 1'45.488 | 13 |
7 | ルイス・ハミルトン | Mercedes | 1'45.691 | 10 |
8 | バルテッリ・ボッタス | Williams | 1'45.746 | 13 |
9 | マックス・フェルスタッペン | Toro Rosso | 1'46.203 | 13 |
10 | キミ・ライコネン | Ferrari | 1'46.215 | 16 |
11 | ジェンソン・バトン | McLaren-Honda | 1'46.231 | 12 |
12 | フェリペ・マッサ | Williams | 1'46.333 | 12 |
13 | フェリペ・ナスル | Sauber | 1'46.747 | 13 |
14 | フェルナンド・アロンソ | McLaren-Honda | 1'47.443 | 16 |
15 | パストール・マルドナド | Lotus | 1'48.006 | 9 |
16 | ダニール・クビアト | Red Bull | 1'48.096 | 9 |
17 | ジョリオン・パーマー | Lotus | 1'49.094 | 9 |
18 | ロベルト・メリ | Marussia | 1'52.994 | 12 |
19 | マーカス・エリクソン | Sauber | 1'54.272 | 12 |
20 | ウィル・スティーブンス | Marussia | 1'58.254 | 6 |
フリー走行2 リザルト
順位 | ドライバー | チーム | タイム | 周回数 |
---|---|---|---|---|
1 | フェリペ・マッサ | Williams | 2'00.458 | 6 |
2 | セバスチャン・ベッテル | Ferrari | 2'00.659 | 8 |
3 | バルテッリ・ボッタス | Williams | 2'00.688 | 8 |
4 | マックス・フェルスタッペン | Toro Rosso | 2'00.806 | 7 |
5 | フェルナンド・アロンソ | McLaren-Honda | 2'01.077 | 12 |
6 | ダニール・クビアト | Red Bull | 2'01.418 | 6 |
7 | カルロス・サインツ Jr. | Toro Rosso | 2'02.805 | 7 |
8 | ジェンソン・バトン | McLaren-Honda | 2'02.845 | 8 |
9 | ニコ・ロズベルグ | Mercedes | 6 | |
10 | マーカス・エリクソン | Sauber | 3 | |
11 | ルイス・ハミルトン | Mercedes | 3 | |
12 | セルジオ・ペレス | Force India | 3 | |
13 | ニコ・ヒュルケンベルグ | Force India | 3 | |
14 | ダニエル・リカルド | Red Bull | 1 |
フェルナンド・アロンソ
MP4-30-03
FP1 1分47.443秒(トップとの差 +3.088秒)16周 14番手
FP2 2分01.077秒(トップとの差 +0.619秒)12周 5番手
「今日は学ぶべきことが通常よりも少し多くありました。FP1では新しいエンジンを搭載しましたが、その後、同エンジンを取り外し、FP2に向けて既存のエンジンを取り付けました。これは、2週間前に鈴鹿で走らせたエンジンです。ですから、我々は天候にかかわらず、コース上に出て、エンジンの調整を行わなければなりませんでした。収集したデータによると、すべて予想通りに機能していたようです。
残念ながら、私は構成部品の交換によって35グリッド降格ペナルティを受けるので、どのような形でレースに臨むのがベストなのかを検討する必要があります。今回のレースはどのドライバーもワンストップになるようなので、戦略面でできることはそれほどありません。どんな結果になろうと、私はレースを楽しむだけです。我々にとってはマシンへの理解を深める良い機会なので、今週末にできることはまだたくさんあります。
私は20番手からのスタートとなりますが、日曜日の決勝では、すべてのコーナーでアタックして楽しみたいと思います」
ジェンソン・バトン
MP4-30-04
FP1 1分46.231秒(トップとの差 +1.876秒)12周 11番手
FP2 2分02.845秒(トップとの差 +2.387秒)8周 8番手
「今日は悪天候、および午前中にはコース上に問題があったにもかかわらず、我々はマシンに乗って、かなりの周回を重ねることができました。FP1は全員にとって残念なセッションとなりましたが、少なくともフェルナンドと私はその状況を最大限に生かすことができました。
路面にグリップ力がほとんどなく、サーキット上に水がたまるという変な状況でした。たまった水がどこにもはけていかなかったので、特に1コーナーにはもう少し排水溝が必要なのではないかと思います。
また、コースが最も濡れている際には、タイヤの温度を十分に温めるのに苦労しました。今年のマシンはウエットコンディションでは苦戦していますが、我々は今、その問題の原因を突き止めているところです。
明日のFP3は全員にとって忙しいセッションとなりますが、楽しみにしています」
エリック・ブーリエ|McLaren-Honda Racing Director
「今日は実力が見えない珍しい一日となりました。
今朝のディーゼル燃料の漏れと、それに伴う遅れが生じたために、午前中のFP1では効果的な走行がほとんどできませんでした。その後、午後に雨が降り出したことで、その影響を受けたのはサーキットの半分だけではあったものの、午後のセッションにおいても何かを明確に学ぶことができない状態でした。
ただ、このような予測不可能な状況は、チームのメンバーを奮起させることにつながりますし、ドライコンディションが予想されている明日のセッションでは、パフォーマンスをさらに向上できる可能性があることを意味します。
スリルを味わうアクションを数時間見ようと会場に足を運んだファンの方々にとって、今日はあまり活気のない一日となりました。ファンの皆さんこそがF1という偉大なスポーツを演出している方々です。今日はほぼ終日、雨の中での観戦となってしまっただけに、土曜日と日曜日にはファンの皆さんが声援を送れるような走りを披露したいと思います。
今日はウエットコンディションの中、コツコツ仕事に取り組むために、両ドライバーともよくやってくれました。そのおかげで、土曜日に向けて有効な解析用データを入手することができました。今回はフェルナンドにとって250回目のグランプリ出場という特別な週末です。その偉業を成し遂げたことで、フェルナンドはF1史上6番目に経験豊富なレーサーとなります。フェルナンド、おめでとう!」
新井康久|株式会社本田技術研究所 専務執行役員 F1プロジェクト総責任者
「ソチの初日は、FP1のセッション前に軽油がトラックに漏れてしまうコンディション不良と、FP2での雨によって波乱の一日となりました。
FP1では、残りの開発トークンを使ったスペック4のエンジンをアロンソ選手のマシンに投入し、サーキット上での基本性能の確認を行いました。セッションが60分に変更となり、走行時間の短縮されたためにすべての確認項目を消化できませんでしたが、この先のレースに向けていい感触を得ることができました。
バトン選手はソチのトラックにあわせたパワーユニットと車体のセットアップを順調にこなしていましたが、午後のセッションの強い雨により2台とも基本確認のみで終了となりました。
明日以降は天気が改善すると言われているため、ドライな土日に向けて準備を進めます」