Formula 1 Honda Racing
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2006.10.08 Rd.17 日本GP
スケジュール
Rd. Date
01 3/12
バーレーンGP
02 3/19
マレーシアGP
03 4/2
オーストラリアGP
04 4/23
サンマリノGP
05 5/7
ヨーロッパGP
06 5/14
スペインGP
07 5/28
モナコGP
08 6/11
イギリスGP
09 6/25
カナダGP
10 7/2
アメリカGP
11 7/16
フランスGP
12 7/30
ドイツGP
13 8/6
ハンガリーGP
14 8/27
トルコGP
15 9/10
イタリアGP
16 10/1
中国GP
17 10/8
日本GP
18 10/22
ブラジルGP
第17戦 日本GP
日本GPプレビュー
2006年10月2日(月)

 Honda Racing F1 Teamは今週末、第17戦日本GPを戦うべく、上海から日本へと向かう。舞台はいうまでもなく、Hondaが所有する鈴鹿サーキットである。

 チームは、先週末行われた中国GPで、ジェンソン・バトンが4位、ルーベンス・バリチェロが6位でフィニッシュし、4戦連続でダブルポイントを獲得した。 8ポイントを追加したことで、コンストラクターズ3位チームとの差をさらに縮め、個人タイトル争いでは6位と7位につけている。これにより、ホームレースとなる鈴鹿でのレースに向け自信をつけた。

 1962年に建設された同サーキットは、当初はHondaのテストコースだった。その特異なレイアウトは、何度か改修されたものの、ドライバーの腕が試される名高いサーキットとの評価を確立している。また、今年は、鈴鹿で1987年に初めてF1を開催して以来、ちょうど20回目となる。

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コメント

ルーベンス・バリチェロ
「今シーズン、僕は初めてHondaファミリーの一員として鈴鹿に行くのを、本当に楽しみにしていたよ。日本のファンはいつも熱狂的だし、すばらしい雰囲気を作ってくれる。彼らの熱い声援を聞いたら、僕もいっそうがんばれるはずだ。鈴鹿には、いうまでもなく、特別な思い出がある。2003年にポールポジションから勝利を収めたからね。連続コーナーのレイアウトで、ドライバーの腕が試されるサーキットだしね。バランスも必要だ、特に1コーナーと2コーナーはね。ここ数レース、僕らの戦闘力はどんどん高まっているし、ヘレスでの今季最終テストもすごくよかったから、鈴鹿での好結果も期待してるよ」

ジェンソン・バトン
「Honda Racing F1 Teamにとって、この週末はものすごく特別なものになる。僕らにとってイギリスGPと並ぶ、年に二つあるホームグランプリの一つ。これまでも鈴鹿では熱い声援を受けてきたけど、特にHondaの一員になってから、それはすごく増えた。だから今年も鈴鹿に帰って来ることを、すごく楽しみにしてるよ。サーキット自体は非常に難易度が高く、ドライバーにとっては精神的にも肉体的にも、挑戦しがいがある。ドライビングは正確さが要求され、そして何より、クルマをちゃんと仕立てないと、本来の性能が発揮できない。スズカは間違いなく僕の大好きなサーキットの一つだし、すべてのHondaファンの前で最高のパフォーマンスを発揮できるよう、がんばるよ」

ジル・ド・フェラン スポーティングディレクター
「今年も日本に帰って来て、多くのファンやHondaの友人たちの前でレースができることを、本当にうれしく思う。鈴鹿は世界を代表するクラシックなコースであり、しかもドライバーの腕がものをいう、難易度の高いレイアウト。あらゆる性格のコーナーが配置されているが、直線は比較的短い。そのためオーバーテイクは、なかなか難しい。ハンドリング重視のセッティングが、ポイントになるだろうね。われわれのマシンは、特にシーズン後半の性能向上を見る限り、ここで十分な戦闘力を発揮できるはずだ。
 2人のドライバーも鈴鹿を非常に気に入ってるし、実際、好成績を挙げている。ルーベンスは優勝経験があるし、ジェンソンも毎回ポイントを獲得しているからね。去年の鈴鹿での戦いは、F1史に残るエキサイティングなものだった。今年も同じような感動と、好結果が得られれば最高だね」

中本修平 シニアテクニカルディレクター
「チームの雰囲気は、鈴鹿に向け、大いに盛り上がっています。鈴鹿は、チームにとって第二の故郷で、多くの日本のファンが応援してくれるので、みんな鈴鹿に行くのをとても楽しみにしています。優勝して、スタンドにいるHondaファンのみなさんと君が代を合唱できたらなと思いますね。鈴鹿では、みなさんのご期待に応えるために、『鈴鹿スペシャル』を投入します。エンジンは、これまでの仕様からさらにバージョンアップし、V8最高のパフォーマンスを発揮させ、今シーズンの集大成といえるエンジンです。ヘレスでのテスト結果を踏まえ、さらにアップデートした新しい空力パッケージに、鈴鹿のコース特性に合わせたセットアップ変更を行います」

 
サーキット情報

鈴鹿サーキット(全長5.807km、レース53周)

 鈴鹿サーキットは、ザンドフォールトやジャラマをデザインしたオランダ人、ジョン・フーゲンホルツにより1962年に完成した。もともと、Hondaが、「日本の自動車産業の発展のために、モータースポーツを健全な国民的スポーツとして普及させるために、そして若者に向けての、安全で健康な娯楽施設の経営を行ない、生活文化の向上に寄与する」との目的で設立し、現在では、その規模が拡大され、ホテルなどを備えた大型レジャー施設となっている。鈴鹿のコースは、18のコーナーで構成される8の字型のコースレイアウトで、他のグランプリサーキットには見られない特徴的な形状である。5速で高速コーナーを抜けて、S字を駆け上がり、スプーンから130Rへと続くコースは、難易度の高さで屈指といえる。オーバーテイク・ポイントとしては、時速80km近くまで急減速する最終シケイン、1コーナー、そして場合によってはヘアピンコーナーなどが挙げられる。

 鈴鹿サーキットは、2002年には、ランオフエリアの拡大により、いくつかの名物コーナーが改修され、全長も短くなった。バリアもかなり後方に下がり、S字やダンロップカーブも、少し変更された。2003年に向け130Rも、緩やかな高速コーナーにスムーズに入るために調整された。このほかに、以前より広くなった最終シケインも変更された。

日本でのHondaの主な活動
 1948年に創業者本田宗一郎が、日本の静岡県浜松にある小さな町工場からスタートしたHondaは、現在では、世界に14万人もの従業員をかかえ、優れた技術を兼ね備え、グローバル企業に成長している。

 そんな中、日本は、世界の中核として先進の商品技術開発や生産技術を生み出し世界に供給するなど、重要な役割を果たしている。基礎技術の研究や二輪、四輪、汎用、航空エンジンの開発を行う本田技術研究所では世界にある研究所と連携し、地域のお客様が求める商品の開発や技術開発を進めている。生産技術では、日本国内で培った各種技術を集約し、世界各地へ展開。また二輪、四輪、汎用の各製作所では生産技術の開発や現地工場へのサポート業務なども行い、世界各地で現地化を推進している。

 また、Hondaは、鈴鹿サーキットに加え、東京の北にある、ツインリンクもてぎも所有している。ここには、世界に誇れる国際レベルのオーバルやロードコースを備え、IRLやMotoGPも開催されている。さらに、ホンダコレクションホールというミュージアムもある。ここには、Hondaの歴史を語る上で欠かすことのできない、350モデル以上の量産車やレーシングマシンを保管展示している。

 
ルーベンス・バリチェロ 鈴鹿サーキットコース解説

 鈴鹿は、スパ、モンツァ、シルバーストーン、インテルラゴスのような伝統的なサーキットの一つで、ドライバーの腕が問われる。僕の大好きなサーキットの一つだよ。チームの「ホームサーキット」で、かつHondaが所有して、運営もしてるから、さらにいいね。

 コース一周はこんな感じで走る。

 まずは、最終コーナーのカシオ・トライアングル(シケイン)が割と低速なので、すぐにスロットルを全開にできて、「ファースト・カーブ」と呼ばれる第1コーナーに275km/hというスピードで入る。F1サーキットの中で、一番速いコーナーの一つで、かなり気合を入れて走らないといけない。

 第2コーナーに入るためにブレーキを強く踏んで、コーナーを正確なラインで出て行かないと、次のSカーブという一連のコーナーにうまく入れない。これはまた最高のコーナーだけど、マシンバランスがないと厄介。流れがいいから、このコーナーを走っている間は、横Gの感覚が凄まじいよ。

 このセクターの最後のところに入ると、まずダンロップ・カーブがある。その後、225km/hという高いスピードで曲がるデグナー1に入って、それから、スムーズな流れで、もうちょっとタイトなデグナー2に入る。この一連のコーナーが鈴鹿のなかで、一番難しい。

 デグナー2の後、一気にスロットルを踏んで、短いストレートを走って「橋」を通ってヘアピンに突入する。ここが鈴鹿で一番低速で、一番高さが低いところです。ほかのコーナーに比べて、70km/hで走るこのヘアピンがものすごく遅く感じる。

 次は、坂をのぼって、全開で右に走るコーナーを通り、パドックから一番遠いところになるスプーン・カーブがある。スプーン・カーブは、200km/hで入って 150km/hまでスピードを落として、正確なラインで通らないと、次の長い直線を十分な勢いで走れない。そしてサーキットの一番高いところに全開で左に走る130Rがある。最近、少しは易しくなったが、今でも300km/hで通るこのコーナーを走る気持ちは何ともいえない感覚だ。

 最後に急ブレーキをかけて80km/hまでスピードを落として、カシオというタイトなシケインを通ってゴールラインに向かう。

 ここは最高のサーキットで、来年ここでレースできないのは、すごく寂しいよ。

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