9月12日(日)・決勝
サーキット:モンツァサーキット 天候:曇りのち晴れ 気温:22℃
イタリアGP決勝レースで、Lucky Strike B・A・R Hondaのジェンソン・バトンが3位表彰台。佐藤琢磨も4位入賞を果たし、今季5回目のダブル入賞となった。コンストラクターズ選手権ではルノーを追い越し、チームは待望の2位にポジションアップした。
決勝当日のモンツァは朝から雨。このまま行けば、フルウエットのレースになると思われていた。ところが昼過ぎに雨が止み、サーキット上空は前日までのような強い日差しが射し始める。路面は次第に乾いて行き、ホームストレートはほぼドライに。ただし木立に囲まれたコース部分には、まだ水しぶきの上がる場所もある。タイヤ選択が非常に難しいコンディションの下、スタート時間の午後2時を迎えた。
ポールポジションのR・バリチェロ(フェラーリ)ら4台を除き、B・A・R Honda勢を含む多くのマシンがドライタイヤを選択。2列目グリッドのM・シューマッハ(フェラーリ)はスタートで出遅れ、さらに第2シケインでスピンし、15番手まで後退する。B・A・R
Honda勢は、バトンが佐藤を抜いて、5番手に。佐藤は2周目にF・マッサ(ザウバー)にパスされて、7番手に後退してしまうが、次の周で抜き返し、6番手に復帰した。
5周目までに路面はほぼドライとなり、この周にトップを走るバリチェロが最初のピットイン。F・アロンソ(ルノー)が首位に立ち、K・ライコネン(マクラーレン)、JP・モントーヤ(ウィリアムズ)を抜いたバトンが2番手で続く。10周目にはそのアロンソもピットインし、バトンがトップ。佐藤も4番手にポジションアップした。上位4台は、ほぼ同じペースで周回を重ねている。
13周目。モントーヤ、佐藤、ライコネンら上位ドライバーが、次々にピットへ。続いてトップのバトンが14周目にピットイン。コースに復帰直後の1コーナーで、M・シューマッハとアロンソの猛追をしのぎ、首位をキープする。3番手にいたライコネンのマシンは、ピットで白煙を吹き、そのままリタイアとなった。
ほぼ全員が1回目のピットインを終えた20周目。バトンは依然トップを快走し、佐藤は5番手でバリチェロを追い上げている。バトンから佐藤までの5人のタイム差は10秒と、近年まれに見る接戦となっていた。その差は25周目には、8秒を切った。佐藤は1分23秒台前半のペースで、順調に周回を重ねている。一方、首位のバトンとアロンソの差は、25周目には1秒まで縮まった。アロンソのすぐ後ろにはモントーヤが迫り、3台はほぼ一団となって、トップ争いを繰り広げている。
29周目。バリチェロがピットインし、佐藤は4番手。ここからペースをさらに上げて、1分22秒台を連発する。3番手のモントーヤとの差は、4秒2。トップのバトンとも、6秒あまりしかない。しかし佐藤の背後には2台のフェラーリが迫っている。
33周目。2、3、4番手のアロンソ、モントーヤ、佐藤が同時にピットイン。そして次の周にバトンがピットへ。佐藤はモントーヤをパスするものの、37周目に2度目のピットインから出てきたシューマッハに抜かれてしまう。ところが40周目に、トップ争いをしていたアロンソが、スピンしリタイア。上位4台は、フェラーリとB・A・R Hondaだけになった。
42周目。トップを走るバリチェロが、3度目のピットイン。バトンとの差は約22秒。ピット作業を終えたバリチェロは、首位をキープしたままコースに戻ることに成功する。一方バトンは、M・シューマッハと並んだまま1コーナーでブレーキング競争。バトンは周回遅れのマシンに行く手を阻まれたこともあり、フェラーリに先行されてしまう。
フェラーリ1-2、B・A・R Honda勢3-4位態勢はそのままチェッカーフラッグまで続き、バトンが3位表彰台、佐藤も4位でフィニッシュ。チームは今季9回目の表彰台、5回目のダブル入賞を果たした。そしてコンストラクターズ選手権を争うルノーがノーポイントに終わったため、単独2位にポジションアップした。 |