7月25日(日)・決勝
サーキット:ホッケンハイムリンク・サーキット 天候:晴れ 気温:27℃
ドイツGP決勝レースで、Lucky Strike B・A・R Hondaのジェンソン・バトンが、13番グリッドから破竹の勢いで今年3回目となる2位表彰台を獲得。佐藤琢磨も8位入賞を果たし、第5戦スペインGP以来のダブル入賞となった。
決勝レース当日のサーキット上空は晴天に恵まれ、決勝レースがスタートする午後2時の気温は27℃、風も無く絶好のレース日和となった。スタート直前、グリッド上のO・パニス(トヨタ)がエンジンストール。このためフォーメーションラップはやり直しとなり、レースは1周減の66周で戦われることになった。2度目のスタートは上手く行き、ポールポジションのM・シューマッハ(フェラーリ)が1コーナーへと飛び込んで行く。8番グリッドからスタートの佐藤はここで渋滞にはまり、1つ順位を落とす。13番グリッドのバトンも同じように渋滞に捕まったうえ、コースからはみ出してしまったものの、12番手で最初の周回を終えた。
その後バトンは先行車を次々に追い抜き、4周目には佐藤のすぐ後ろの10番手までポジションを上げた。バトンより少ない燃料でスタートした佐藤は、10周目に最初のピットイン。1つポジションを落とした11番手でコースに復帰し、一方のバトンはK・ライコネン(マクラーレン)のクラッシュによるイエローフラッグが出た直後の14周目にピットインをこなし、5番手にポジションを上げることに成功した。
バトンは21周目にJP・モントーヤ(ウィリアムズ)を抜き、4番手に。そしてここまで、ペースの劣るマシンを抜きあぐねていた佐藤が、本領を発揮する。まず19周目に、コースをはみ出したウィリアムズのA・ピッツォニアを難なく抜いて9番手。そして続いてザウバーのF・マッサも抜き、8番手に。さらに22周目にはM・ウェーバー(ジャガー)をヘアピンでパス。その4周後には、バックストレートをルノーのJ・トゥルーリとサイドバイサイドで走り、ブレーキングで抜き去った。この観客を沸かした気迫の走りで、佐藤は一気に6番手までポジションを上げた。その後トップを走行中のM・シューマッハ(フェラーリ)、2番手のF・アロンソ(ルノー)、そして佐藤を含めた上位陣が2回目のピットインに入ったことから、4周に渡ってバトンはトップを快走した。しかし30周目に、佐藤はスタジアムセクションに入ったところで、スピン。なんとかマシンを立て直し、コースに復帰したものの、一つポジションを落としてしまった。一方のバトンは34周目に2度目のピットインを済ませ、3番手でコースに復帰。そして2番手を走行中のアロンソを猛追する。激しく攻撃を仕掛け、何度かコーナーで横に並ぶものの、惜しいところで前に出られず、膠着状態が続いた。
そして47周目。トップのM・シューマッハと続くアロンソがピットインした間に、バトンはレースをリードしながら1分14秒台のタイムを連発し、最後のピットインを済ませた後にアロンソの前でのコース復帰を狙った。しかし50周目にピットインからコースに復帰した時、そのアロンソに僅かに及ばず、先行を許してしまい、2度目のピットインの時と全く同じ展開となった。しかしここから、バトンが見事な走りを見せる。次の周に、ヘアピンのブレーキングで仕掛け、次の左コーナーで鮮やかにアロンソをパスすることに成功。これで2位表彰台だ。ところがバトンのヘルメットのストラップが緩んでしまうトラブルが発生。バトンはストレートを走るたびに、左手でヘルメットを押さえながら、懸命にトップのM・シューマッハを追い上げる。一方の佐藤は、終盤の60周目にピッツォニアに抜かれてしまったもののポイント圏内の8番手を走行。そのまま66周を走り切り、8位入賞を果たした。M・シューマッハへの追い上げを続けたバトンだったが、オーバーテイクするまでには届かず、2位でチェッカーを受け、カナダGP以来の表彰台を獲得した。優勝はM・シューマッハだった。 |