5月29日(土)・予選 サーキット:ニュルブルクリンク 天候:晴れ 気温:19℃
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佐藤琢磨 |
ヨーロッパGP2日目の予選で、Lucky Strike B・A・R Hondaの佐藤琢磨が、日本人として初めての2番グリッド、フロントローを獲得した。Honda F1参戦40周年となる記念すべきグランプリに、素晴らしい花を添えた。チームメイトのジェンソン・バトンも予選5番手タイムで、3列目グリッドから明日の決勝レースに臨む。
天候の悪化が心配されたヨーロッパGPの週末だったが、2日目の土曜日も朝から抜けるような青空が広がった。それでも午前中の気温は前日同様低く、フリー走行開始時の午前9時で14℃。路面温度もわずか18℃しかない。とは言え路面のグリップは次第に上がり、各マシンは初日タイムを大きく縮めて行く。午前中のベストタイムは、B・A・R Hondaのジェンソン・バトン。ただひとり1分29秒の壁を破って、1分28秒827をたたき出した。ちなみにこれは、昨年のポールタイムをほぼ2秒7縮める好記録。佐藤も1分29秒064のタイムで、M・シューマッハ(フェラーリ)に次ぐ3番手に付けた。
午後もサーキット上空は快晴。午後1時からの1回目予選では、モナコGPを2位でフィニッシュしたバトンが、2番手で出走した。午前中の自己ベストを100分の1秒縮める好走を見せ、序盤アタックのハンデにもかかわらず、総合5番手につけた。そして17番手出走の佐藤は、3つの区間全てで最速タイムをマーク。2番手M・シューマッハをコンマ6秒近く上回る、1分27秒691のレコードタイムで、堂々トップに立った。
注目の2回目予選。出走最終グループの5人の中に、B・A・R Honda勢の2人が入っている。気温は19℃、路面温度41℃というコンディションは1回目予選とあまり変わらないが、風は強まった。午後2時44分過ぎに、バトンがアタックを開始する。第3コーナーで、わずかにアウト側にはらんでしまいタイムロス。第2、第3区間も1回目予選の自己ベストタイムに届かず、1分29秒245のタイムで暫定3番手。セッション後半になって、全般的にタイムの伸びが落ちている。1回目のタイムを更新できたのは、ここまででN・ハイドフェルド(ジョーダン)とルノーのJ・トゥルーリだけだ。
1回目予選のアタック直後に止まってしまった、D・クルサード(マクラーレン)は出走を取りやめ、残るのはシューマッハ兄弟と佐藤の3人となった。先に出走したR・シューマッハ(ウィリアムズ)もやはりペースが伸びず、暫定7番手タイム。しかし続くM・シューマッハは、さすがに速い。暫定ポールポジションのトゥルーリにコンマ8秒近い差をつけて、トップタイムを記録。そして、いよいよ1回目予選でトップタイムを記録した佐藤が、予選の最後にコースインした。
佐藤はスムーズな走りを見せるが、最初の区間でM・シューマッハのコンマ1秒遅れ。次の区間でコンマ4秒以上の差が開いて、ポールポジション獲得には手が届きそうにない。とは言え安定したドライビングに終始し、M・シューマッハに続く2番手タイムを獲得。佐藤は自身が第4戦スペインGPで記録した日本人初の予選3番手の記録を塗り替え、日本人F1ドライバーとして初めて、フロントローを獲得した。最終的にバトンは5番グリッドを獲得。ポールポジションは、M・シューマッハ(フェラーリ)だった。
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