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中村良夫第一期ホンダF1監督は、1968年11月に行なったインディアナポリスでのテストの状況を、詳細に書き記していた。その報告書は、Honda R&D のロゴマークが入ったA4のレポート用紙6枚に亘って、手書きの英語でコース図やデータの表を交えて書かれている。英語で書いたのは、グローバルな視点を持った報告である、という意志の現れからだろうか。
この報告書は、F1の最終モデルとなったホンダRA302のシャシー主任設計者であった佐野彰一さんが、先輩の中村良夫さんから渡されたものである。
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「いついただいたか明確な記憶はありませんが、コピーが当時の青焼きではないので、第一期の活動を終えた直後ではなくて、しばらく後にコピーされていただいたのだと思います。中村さんは、F1についても、詳細な報告書をお書きになっていて、時々、私にも“報告書を書くように”、と仰っていましたが、こうしてみると今更ながら、私も何か書いておけばよかったかなぁ、と思いますねぇ」。大切に保管していた報告書を眺めながら、佐野さんは感慨深そうに仰った。
佐野教授が英語の単語をていねいにたどりながら解説してくれた報告書の内容は、4つのパートに分かれ、最後に中村さんの感想がまとめられている。以下がその和訳全文である。
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