Round02フランスフランス

2018年4月21日(土)-22日(日)・決勝

F.C.C. TSR Honda Franceが優勝、Honda Endurance Racingが2位に入りHonda勢が1-2フィニッシュを達成

2017-2018FIM世界耐久選手権シリーズの第2戦となるル・マン24時間耐久レースがフランスのブガッティ・サーキットで開催され、#5 F.C.C. TSR Honda France(フレディ・フォレイ/ジョシュ・フック/アラン・テシェ)が優勝。Honda CBR1000RRを駆って参戦した#111 Honda Endurance Racing(セバスティアン・ジンバート/グレゴリー・ルブラン/エルワン・ニゴン)が2位入賞を果たしました。

この結果により、#5 F.C.C. TSR Honda Franceはポイントランキング上でトップに。#111 Honda Endurance Racingは3位に浮上を果たしました。また、Hondaにとっては1986年以来となるル・マンでの1-2フィニッシュ達成となり、歴史的快挙となりました。

4月21日(土)の午後3時からスタートしたレースでは、#5 F.C.C. TSR Honda Franceのスタートライダーを務めたフレディが好スタートを決め、強豪ライバルがひしめく上位グループの中、3番手~4番手前後のポジションをキープ。一方、#111 Honda Endurance Racingは7番グリッドから挑みましたが、レース序盤に発生した電気系統のトラブルにより、ピットインを与儀なくされます。チームは素早いピットワークでマシンを再びトラックに戻し、38番手からの追い上げるレースとなり、厳しい展開となりました。多少のトラブルがあってもじわじわと順位を回復する底力を見せる強豪ライバルたちも、今回のル・マンは徐々に姿を消す、荒れたレース模様となりました。

#5 F.C.C. TSR Honda France

#5 F.C.C. TSR Honda Franceは、スクリーンの破損によりカウルを交換せざるを得なくなったり、リハビリを経て回復したアランの消耗が激しく、スティントの周回数やライダーの順番を変更するなど、細かい問題がたくさんあったものの、その都度切り抜けて周回を続け、単独2番手をキープします。#111 Honda Endurance Racingも、38番手から怒涛の追い上げをみせ、徐々にポジションを上げていきました。

レースをリードしていたのはGMT94 YAMAHAでしたが、18時間を前にした時間帯にマシンが大破したことで、トップの座を降りました。ここで、数周遅れながら単独2番手をレース序盤からキープしていた#5 F.C.C. TSR Honda Franceがトップに。トップに浮上したあとはそのままポジションを守りきり、最終的にル・マン24時間耐久レースでの初優勝を飾りました。24時間レースで複数回優勝するなど、経験豊かなフレディがライダーをまとめ、若さ溢れる走りで困難を打破するジョシュ、消耗した終盤でも高い集中力で自分のポジションを走りきったアラン、さらにメカニックと、F.C.C.とHonda Franceの混成チームクルーたちがさまざまなサポートでチームを盛り立て、文字通り、チームの総合力で見事に勝勝ち取った勝利となりました。

一方、38番手から懸命な追い上げを続けた#111 Honda Endurance Racingは、22日(日)の早朝に、ルブランがついにトップ5に食い込むと、ピットストップしてルブランからニゴンに交代。そのまま表彰台を射程に入れながら安定した周回を続けました。最終的にチェッカーフラッグを通過したのはジンバートで、見事、24時間にわたる長丁場の戦いを2位表彰台で締めくくりました。レースの終盤には、表彰台を目指して周回を続ける #111Honda Endurance Racingの走りに多くの注目が集まるなど、怒涛の追い上げを見せました。

#111 Honda Endurance Racing

24時間のレースでは8時間と16時間の経過時点でのボーナスポイントがあり、1位から10位まで、10~1点が加算されます。#5 F.C.C. TSR Honda Franceはいずれも2位で経過しており、8時間の段階でポイントランキングを2番手としていましたが、今回優勝したことで、逆転し世界ランキングでも堂々のトップに躍り出ました。また、#111 Honda Endurance Racingはポイントランキングで3位に浮上を果たしています。

7月に開催される、世界耐久選手権シリーズの最終戦となる鈴鹿8耐までには、5月上旬にスロバキアと6月上旬のオッシャースレーベンのいずれも8時間耐久が待ち構えています。8時間のレースは24時間レースとは異なり、一度のミスが挽回不可能になりかねないだけに、万全の態勢を整える必要があります。

次戦のスロバキア8時間耐久レースは、5月12日(土)に開催されます。

コメント

藤井正和|#5 F.C.C. TSR Honda France総監督(優勝)
「遠いフランスの地で、3回目の挑戦となるル・マン24時間で表彰台の中央に日の丸が上がり、君が代を聞いたときは思わず涙がこぼれるくらい震えましたね。フランス人に成りきらなければ、ボルドールとル・マンという2つの24時間レースを持つフランス人には勝てない、と真剣に移住を考え、まず自分自身を変えるところから始めました。それが今回の結果につながり、F.C.C.とHonda Franceがジョイントしていきなり優勝ということを実現できたと考えています。しかし、我々は今年のEWCでチャンピオンになる! ということが目的であり、今回のこのル・マンは優勝とはいえ、あくまで通過点にしか過ぎません。鈴鹿8耐で日本に戻ったとき、皆さんの前でチャンピオンを披露できれば、それに越したことはありません」

ジョシュ・フック|#5 F.C.C. TSR Honda France (優勝)
「この勝利は、今年のEWCでの戦いにおける素晴らしいスタートです。レース中、すべてのことがうまくいきました。このチームメートと戦うのは最高の気分です。チームのみんなに感謝しています。勝利という結果はごほうびのようですし、今週末の経験が信じられないような気分です」

アラン・テシェ|#5 F.C.C. TSR Honda France (優勝)
「今回のレースは最高の経験になりました。2回目の24時間レース挑戦にして、早くも勝利を手にすることができました。まだ信じられないような気分です。ブリヂストンタイヤはどんな天候でも完璧で、私自身も完璧なレースウィークを送ることができました」

フレディ・フォレイ|#5 F.C.C. TSR Honda France (優勝)
「ボルドール24時間でも勝利を目指して戦いましたが、そのときもフィーリングがよかったですし、最後で問題が起きなければ勝利を手にできたと思っていました。ただ、そのときがこんなに早く訪れるとは考えていませんでした。2人のチームメートよりも私のほうが耐久レースでの経験はあるものの、若い2人が全くミスをしなかったことを称えたいと思います。また、藤井さんの働きにも本当に感謝しています。このチームで戦うことができてうれしいです」


セバスティアン・ジンバート|#111 Honda Endurance Racing(2位)
「今日、チームとともに成し遂げたこの結果をたいへんうれしく思います。昨日は38番手にいたことを考えると、今日こうして表彰台に立てていることは驚くべき結果です。レースでは、日夜を通してグレゴリーとエルワンと速いペースで周回を重ねてきて、一貫して安定した走りをキープできました。個人的には、今日の2位はこれまでで一番の結果です。Hondaにとっても、またチームにとっても非常に喜ぶべき一日となっただけでなく、ポイントランキングでも大きな躍進を果たすことができました。24時間を通して、マシンは完璧でした。速かったし、大きな問題なく全力でプッシュし続けることができていましたから。開幕戦のボルドーでは3位、そしてル・マンでは2位になれたので、次戦では優勝を狙います!」

グレゴリー・ルブラン|#111 Honda Endurance Racing(2位)
「信じられないようなレースでした! スタートは悪くなかったのですが、途中でマシンに少し問題があり、38番手までポジションを落としました。それからセブとエルワンと話して、プッシュするしか無いということで意見が一致しました。そして、僕たちは実際にそれを成し遂げることができたんです。もしだれかが、最終的に2位でゴールすると言っても、あのときは信じられなかったと思います。マシンは本当によく機能してくれて、レース中は何人ものライバルを追い抜くことができました。Hondaのマシンに乗ってレースに参加したのはこれで2回目ですが、2回とも表彰台を獲得できているので、僕はチームにとって幸運のお守りのようなものかもしれません(笑)。開幕戦では3位で今回は2位なので、次戦ではもちろん優勝を目指します。また、このチームがル・マンで表彰台に登壇するのは今回が初めてということで、本当に特別な一日となりました。ここではこれまでに10度のレースに参加しましたが、その内、8回も表彰台を獲得しています。ル・マンは僕にとって特別な場所です」

エルワン・ニゴン|#111 Honda Endurance Racing(2位)
「チームと一緒にル・マンで表彰台に立つことができて、本当に嬉しいです。38番手で走行しているときは表彰台はほぼ不可能だと思っていたので、すばらしい気持ちです。マシンはすばらしく、38番手から、本来の僕らがいるべき場所に引き戻してくれました。レース序盤ではいくつかの小さな問題がありましたが、そうしたことはレースに付き物です。CBRはパワフルで、今日のレースでは何人ものライダーをパスすることができました。チームにとって、またポイントランキングの面でも、今日は本当にすばらしいリザルトになりましたね。また、Hondaにとってもル・マンでの1-2フィニッシュは大きな快挙です」

ジョニー・トゥエルヴツリーズ|#111 Honda Endurance Racing監督(2位)
「前戦に続いて、またしてもチームはすばらしい仕事を成し遂げてくれました! ボルドーでの3位表彰台も大きなドラマがありましたが、ル・マンでもすばらしいレースが展開されました。我々は38番手から最終的に2位でフィニッシュしたのですから。レース序盤ではマシンにいくつかのトラブルがありました。しかし、問題点を洗い出したあとは、レースが終わるまですばらしく機能してくれました。エルワン、グレゴリー、そしてセバスティアンは安定して速いペースで周回をし続けてくれました。彼らはすばらしいライダーであり、一緒に仕事してとても楽しい人たちです。彼らとともに仕事ができることを誇りに思います。チームのメカニックにも感謝を述べたいです。レースを通して懸命に作業に取り組んでくれ、ピットストップではスムーズに作業を進めてくれました。今回の表彰台は、ライダー、チーム、そしてマシンによるコラボレーションの賜物です。今回は優勝は逃しましたが、それは次回のレースで目指します」

リザルト

順位 No. チーム マシン 周回数
1 5 F.C.C. TSR Honda France Honda 843
2 111 Honda Endurance Racing Honda 842
3 13 Wepol Racing by penz13.com BMW 840
4 8 Bolliger Team Switzerland Kawasaki 838
5 11 Team SRC Kawasaki Kawasaki 833
6 36 3ART- Moto Team 95 Yamaha 833
21 26 Zuff Racing Team Honda 807
40 41 Rac 41 Honda Honda 537
55 55 National Motos Honda 197

ポイントランキング

チーム

順位 No. ライダー マシン 総合ポイント
1 5 F.C.C. TSR Honda Honda 95
2 94 GMT94 YAMAHA ヤマハ 91
3 111 Honda Endurance Racing Honda 82
4 13 WEPOL BMW Motorrad Team by penz13.com BMW 81
5 21 MERCURY RACING BMW 48
6 2 Suzuki Endurance Racing Team スズキ 41
25 61 MOTOTECH EWC TEAM Honda 5
31 26 Zuff Racing Team Honda 1
32 55 National Motos Honda 1
33 50 Team April Moto Motors Events Honda 1

ランキング詳細


コンストラクター

順位 コンストラクター 総合ポイント
1 Honda 120
2 BMW 98
3 ヤマハ 86
4 カワサキ 73
5 スズキ 52

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フォトギャラリー

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