STAGE 07
ラパス↓
ウユニ
1月12日、ボリビアの首都ラパスで、期間中唯一の休息日を過ごした選手たちは、ふたたび世界一過酷なダカールラリーへの挑戦を再開しました。ラリーの後半戦はこれまでより標高が高いルートで行われ、移動距離がさらに長くなります。Monster Energy Honda Teamは、ケビン・ベナバイズが総合1位、序盤にミスコースで失った時間を着実に取り戻したホアン・バレダが総合4位と、好ポジションから後半戦のスタートを切りました。しかし、リーダーボードを見ると総合1位と5位の間にあるタイム差はわずか9分39秒。今日から始まる後半戦も、目が離せない展開が続きそうです。
後半戦最初の2ステージは、チームからのテクニカルサポートが受けられないマラソンステージとして行われます。そのため、トラブルやマシンへのダメージがあった場合、選手同士で乗り越えなければなりません。ノーサポートで約1300kmを走破する2日間は、ラリー後半パートの最初の大きな山場となるのです。また、予想通りボリビアでは雨が降り、土の路面をさらに滑りやすくさせました。
13日の午前4時、気温が低く雨の降る中、チームは200km以上先にあるオルロへと向かい始めました。2輪部門のライダーたちは、スペシャルステージのスタート地点へと向かうため、夜明け前のビバークからリエゾンをスタート。Monster Energy Honda Teamは、ベナバイズが2番手、バレダが9番手、マイケル・メッジは10番手、リッキー・ブラベックが18番手、そしてイグナシオ・コルネホが23番手からステージ7へと走り出しました。
このステージは、ドライであればハイペースで駆け抜けることが可能ながら、今回は雨の影響により滑りやすく、水たまり、そして道が崩れた箇所が多く点在。さらに砂地や植物の群生するエリアも横切っていかなければならず、ライダーたちにとっては、スタックと転倒を避けるため、テクニックと体力を要求されるステージとなりました。
好順位からスタートしたバレダは、先行スタートのライダーが付けたわだちを追いかけ、持ち前のスピードを発揮。425kmのスペシャルステージに設けられた8箇所のウエイポイント(GPSで設定されたルート上の通過点)をベストタイムで走り続け、ライバルとの差を広げていきます。その後、ステージ後半で転倒を喫し足を負傷するも、結果的にこのステージを5時間11分10秒のトップタイムで走りきり、2位のアドリアン・ファン・ベヴェレン(ヤマハ)に2分51秒差をつけて、ダカールにおいて自身22回目となるステージ優勝を果たしました。その結果、総合順位も前日までから一つ上げ、3位に浮上しています。
なお、バレダは転倒による影響でヒザを痛めており、現在、ウユニのビバークでメディカルチェックを受けています。
3番手からスタートしたベナバイズは、中盤からリズムに乗って快走を続け、トップのバレダと8分2秒差の3位でフィニッシュ。総合ではファン・ベヴェレンに3分14秒の先行を許し、2位となりました。ブラベックは自身のペースを守る冷静な走りに徹し、ステージ10位、総合では11位に。コルネホはステージ24位、総合では14位につけています。
メッジは、ステージ中盤で起きた後輪のトラブルにより、大きく遅れてウユニのビバークに到着。しかし、サポートのない状況では明日のステージへと進めないと判断し、残念ながらリタイアとなりました。
続くステージ8はマラソンステージ後半戦。ライダーたちは500km近い距離で行われる今大会最長のスペシャルステージを経て、チームスタッフが待ち構えるトゥピサのビバークへと向かいます。
トゥピサへと向かうステージ8は、今大会の競技区間としては最長となる498km、ステージ7から続くマラソンステージの後半パートとして行われる。行程のほとんどが標高4000mを超える高地にあり、途中、標高が4800mに達するエリアも通過しなければならない。平らな高原に出る前に、選手たちは標高3500mを超える高地の砂丘群で、その実力を試されることになるだろう。このステージ8が、今大会の結果を左右する分岐点となりそうだ。
ホアン・バレダ(ステージ7 1位/総合 3位)
「順調に速く走れ、ライバルに対して何分もアドバンテージを築くことができました。しかし、嵐の中で道からそれて転倒した際に、マシンが私の身体の上に落ちてきて左足を直撃しました。ドクターに診てもらって、骨折はしていないということですが、ヒザに水がたまっています。明日、もう一度診てもらいますが、なんとかスタートしたいです。コーナリング中、左足を地面についたときは、あまりの痛さに目がくらみました」
ケビン・ベナバイズ(ステージ7 3位/総合 2位)
「一日中雨が降っていて、とてもハードなステージでした。序盤は多くのナビゲーションが必要で、草が群生した砂地を走らなければならず、難しかったですね。100km地点で先行するライダーを捕らえ、ステージ半分の地点まで一緒にルートを切り開いていきました。ただ、ゆっくりとルートを開かなければならなかったので、時間をロスしたことは分かっています。そのあとは、ばん回するためにゴールに向かって攻め続けました。明日のマラソンステージも、うまくフィニッシュしたいですね」
リッキー・ブラベック(ステージ7 10位/総合 11位)
「ステージ7はマラソンステージ初日でした。一日中降り続く雨で、あまり気分はよくありませんでした。しかし、コースはかなりクイックで、とても速く走ることができました。ただ、私はなんの問題もなくウユニのビバークに着きたかったので、リスクは冒したくありませんでした。今から、明日のステージのための準備をします」
順位 | No. | ライダー | マシン | タイム | 差 | ペナルティー |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | 5 | ホアン・バレダ | Honda | 05:11'10 | - | - |
2 | 4 | A.ファン・ベヴェレン | ヤマハ | 05:14'01 | +00:02'51 | - |
3 | 47 | ケビン・ベナバイズ | Honda | 05:19'12 | +00:08'02 | - |
4 | 8 | T.プライス | KTM | 05:19'53 | +00:08'43 | - |
5 | 10 | P.クインタニラ | ハスクバーナ | 05:20'03 | +00:08'53 | - |
6 | 2 | M.ウォークナー | KTM | 05:20'26 | +00:09'16 | - |
10 | 20 | リッキー・ブラベック | Honda | 05:24'58 | +00:13'48 | - |
16 | 27 | マーティン・デュプレシ | Honda | 05:36'32 | +00:25'22 | - |
24 | 68 | イグナシオ・コルネホ | Honda | 05:58'01 | +00:46'51 | - |
25 | 64 | マーク・サミュエルズ | Honda | 06:00'40 | +00:49'30 | - |
68 | 71 | アルベルト・オンティヴェロス | Honda | 08:27'27 | +03:16'17 | - |
87 | 101 | フランシスコ・ゴメス・パラス | Honda | 09:17'57 | +04:06'47 | - |
順位 | No. | ライダー | マシン | タイム | 差 | ペナルティー |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | 4 | A.ファン・ベヴェレン | ヤマハ | 21:49'18 | - | - |
2 | 47 | ケビン・ベナバイズ | Honda | 21:52'32 | +00:03'14 | - |
3 | 5 | ホアン・バレダ | Honda | 21:54'03 | +00:04'45 | - |
4 | 2 | M.ウォークナー | KTM | 21:57'36 | +00:08'18 | 00:01'00 |
5 | 8 | T.プライス | KTM | 22:02'52 | +00:13'34 | - |
6 | 23 | X.ド・スルトレ | ヤマハ | 22:05'57 | +00:16'39 | 00:02'00 |
11 | 20 | リッキー・ブラベック | Honda | 22:28'52 | +00:39'34 | - |
14 | 68 | イグナシオ・コルネホ | Honda | 23:05'26 | +01:16'08 | - |
21 | 27 | マーティン・デュプレシ | Honda | 23:31'34 | +01:42'16 | 00:10'00 |
36 | 64 | マーク・サミュエルズ | Honda | 26:34'20 | +04:45'02 | 01:00'00 |
54 | 71 | アルベルト・オンティヴェロス | Honda | 29:35'31 | +07:46'13 | - |
86 | 101 | フランシスコ・ゴメス・パラス | Honda | 40:23'51 | +18:34'33 | 04:22'00 |