STAGE 06
アレキパ↓
ラパス
ペルー、リマをスタートしたダカールラリー2018は、1月11日、レストデイを控えた前半戦最後となるステージ6を迎えました。このステージでMonster Energy Honda Teamのケビン・ベナバイズがトップと30秒差の2位でゴールし、総合1位となりチームはいいムードで前半を折り返すことになりました。
ダカールラリーは5年ぶりとなるペルーでたっぷりとその厳しさを見せつけました。その最終日、アレキパからスタートしたラリーは、天候の理由により二輪部門のスペシャルステージ(競技区間)の前半部分がキャンセルされました。ライダーたちはビバークからステージ後半部分のスタート地点に向け、660キロにも及ぶ長い移動からこの日は始まったのです。
標高4000メートルを超えるエリアからスタートする予定だったスペシャルステージは、その前半の高地部分をキャンセル。世界でもっとも標高の高い湖、チチカカ湖畔から始まる後半パートのみで行われています。それにより当初予定されていたステージ6の距離は313キロから194キロへと短縮されました。ステージに向かう途中、サポートスタッフも雨、雪により移動に時間を要する場面がありました。それでもダカールを一目見ようと、ステージが始まる12時30分には、沿道に多くのファンが詰めかけました。
美しいチチカカ湖の風景とは裏腹に後半パートのルートも簡単ではありませんでした。雨の影響で濡れた土のルートは滑りやすく水たまりも点在します。このステージ6を1番手からスタートしたMonster Energy Honda Teamのホアン・バレダは、途中、水たまりで転倒。幸いにもマシンにダメージはなく、ドロで汚れたゴールグルとマシンのナビ機材を綺麗にぬぐい、再びステージを慎重に攻めて行きました。この日、バレダはステージウイナーとなったアントン・メオ(KTM)と3分30秒差となるステージ9位。総合順位は4位のまま前半戦を終えています。
この日も強さを見せたのはベナバイズでした。短縮されたステージを安定したペースで走り、ステージトップと30秒差の2位となり、総合トップだったアドリアン・ファン・ベヴェレン(ヤマハ)に1分57秒の差をつけ逆転。総合1位に立ちました。
Monster Energy Honda Teamの他のライダーたちも滑るルートに苦戦しながらもマイケル・メッジがステージ10位、リッキー・ブラベックがステージ18位、イグナシオ・コルネホが23位となり、CRF450 RALLYと共に無事ラパスに到着しました。
明日はラリー唯一のレストデイ。後半戦が開始される最初の二日間は、チームからサポートが受けられないマラソンステージとして行われます。その日のスタートに向けた理想的なポジションからMonster Energy Honda Teamのライダーたちはダカール後半戦に挑みます。
1月6日、ペルーの首都リマをスタートしたダカールラリーは、前半6ステージを終え、ボリビアの首都ラパスに到着。1月12日はラリー中唯一の休息日。ここまで3000kmを越すルートを走破してきたマシンを徹底的に整備し、参加者たちもつかの間の休日を過ごします。ここ、ラパスは世界一標高の高い首都として知られる街。3500mを越す標高では、これから始まるボリビア、アルゼンチンでの高所ステージ備え、高度順応をする必用もあります。中日でもあるレストデイ。しかし、残すステージは8つ。コルドバのゴールまではまだ5000キロ以上。厳しいラリーがほほえみかけるのはまだ先なのです。
ケビン・ベナバイズ(ステージ6 2位/総合 1位)
「アルゼンチンのライダーが、ダカールラリーで総合トップに立つことが初めてなので、私はとても誇りに思います。レストデイまでになるべく上位に食い込む作戦だったので、総合トップという結果はこの上ない幸せという事ですね!雨、泥、そして速い道もあって少し疲れました。しかし、私は速く、マシンとの信頼関係も高く、おかげでとても気分よく走れました。今、私たちはつかの間の休息と次の週の準備のためのレストデイを迎えます」
ホアン・バレダ(ステージ6 9位/総合 4位)
「豪雨で道路が水浸しになっていて、そのようなステージを克服しなければなりませんでした。私は水たまりの中で転倒してしまって、完全に水に浸かってしまいました。ゴーグルが濡れたことで視界も確保できなかったためこれらを綺麗にするために時間を要してしまいましたが、それ以上に凍るような寒さを感じました。物事は簡単ではありません。結局、トップでスタートして3分しか遅れずにステージを終えることができたのは悪くないですね」
マイケル・メッジ(ステージ6 10位/総合 24位)
「なんて嵐なんだ! 今日のステージで完全に凍えてしまいました。スペシャルステージでは雨にも降られ、しかも泥沼でした。硬い路面の所では何回も滑りました。簡単ではありませんでしたが、私たちは私たちのやり方でうまくやりました」
リッキー・ブラベック(ステージ6 18位/総合 11位)
「昨日よりひどかったですね。雨のために本当に難しかった。昨日はスペシャルステージではなくリエゾンや変更により、ビバークにたどり着いて眠るのが遅くなってしまいました。とても長い1日で、運がよくても3時間半ほどしか眠ることができません。翌日はボリビア時間の朝3時──という事は実質朝2時!に起きて……。これまでで一番ハードな日でした。ライディングがハードというわけではなく、精神的に疲れました。速いステージをよく走れていて、私は時間をロスした部分が全く思いつきません。ステージでは何も問題がありませんでした。水たまりに激しく突っ込んだときにダッシュボードに顔を強く打ち付けました。それ以外ではとてもよく走れていたはずなのに、他のライダーたちが一体どうやって私にタイム差をつけているのか理解に苦しむステージでした。まだ7日間あります。私たちは攻め続けます」
本田太一|Monster Energy Honda Team ラリー・プロジェクト・リーダー
「前半戦が終わりました。今日のステージ6は天候の理由によりスペシャルステージ前半がキャンセルになり、後半分部だけでレースが行なわれました。それにより、ライダー、アシスタントともにステージのスタート地点まで700キロ近くの移動になりました。サポートチームが通ったルートでは、途中の山越え部分で残雪にスタックしたトラックが道をふさぎ、サポートに向かうメカニックがギリギリの到着になるハプニングもありましたが、なんとか間に合いました。
今日のステージではケビン・ベナバイズ選手が2位に入り総合では1位へ、ホアン・バレダ選手は軽い転倒で少しロスしたものの、トップと3分30秒差で9位と、レストデイ明けの明後日にスタートする二日間のマラソンステージに向け、好ポジションからスタートが切れると思います。また、リッキー・ブラベック選手、イグナシオ・コルネホ選手、マイケル・メッジ選手も順調に走り、後半で上位進出を狙えるポジションにいます。後半はベナバイズ選手、バレダ選手を軸に優勝を目指します。
また、サテライトでもあるMEC TEAMから参加しているマーティン・デュプレシ選手がステージ6を4位で終える快走を見せました。アルゼンチン出身のライダーです。これから得意のエリアに入るので、期待して下さい。後半戦は昨年、天候の影響でキャンセルや短縮されたステージが多かったボリビアとアルゼンチンに入ります。順調にラリーが進むことを願っています」
順位 | No. | ライダー | マシン | タイム | 差 | ペナルティー |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | 19 | A.メオ | KTM | 01:54'10 | - | - |
2 | 47 | ケビン・ベナバイズ | Honda | 01:54'40 | +00:00'30 | - |
3 | 8 | T.プライス | KTM | 01:54'40 | +00:00'30 | - |
4 | 27 | マーティン・デュプレシ | Honda | 01:55'23 | +00:01'13 | - |
5 | 29 | D.オリベラス | KTM | 01:56'05 | +00:01'55 | - |
6 | 10 | P.クインタニラ | ハスクバーナ | 01:56'10 | +00:02'00 | - |
9 | 5 | ホアン・バレダ | Honda | 01:57'40 | +00:03'30 | - |
10 | 14 | マイケル・メッジ | Honda | 01:57'47 | +00:03'37 | - |
18 | 20 | リッキー・ブラベック | Honda | 02:00'26 | +00:06'16 | - |
23 | 68 | イグナシオ・コルネホ | Honda | 02:02'22 | +00:08'12 | - |
36 | 64 | マーク・サミュエルズ | Honda | 02:08'45 | +00:14'35 | - |
60 | 71 | アルベルト・オンティヴェロス | Honda | 02:26'18 | +00:32'08 | - |
104 | 101 | フランシスコ・ゴメス・パラス | Honda | 03:46'33 | +01:52'23 | 00:22'00 |
順位 | No. | ライダー | マシン | タイム | 差 | ペナルティー |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | 47 | ケビン・ベナバイズ | Honda | 16:33'20 | - | - |
2 | 4 | A.ファン・ベヴェレン | ヤマハ | 16:35'17 | +00:01'57 | - |
3 | 2 | M.ウォークナー | KTM | 16:37'10 | +00:03'50 | 00:01'00 |
4 | 5 | ホアン・バレダ | Honda | 16:42'53 | +00:09'33 | - |
5 | 8 | T.プライス | KTM | 16:42'59 | +00:09'39 | - |
6 | 19 | A.メオ | KTM | 16:44'02 | +00:10'42 | - |
11 | 20 | リッキー・ブラベック | Honda | 17:03'54 | +00:30'34 | - |
12 | 68 | イグナシオ・コルネホ | Honda | 17:07'25 | +00:34'05 | - |
23 | 27 | マーティン・デュプレシ | Honda | 17:55'02 | +01:21'42 | 00:10'00 |
24 | 14 | マイケル・メッジ | Honda | 17:55'42 | +01:22'22 | 01:00'00 |
43 | 64 | マーク・サミュエルズ | Honda | 20:33'40 | +04:00'20 | 01:00'00 |
50 | 71 | アルベルト・オンティヴェロス | Honda | 21:08'04 | +04:34'44 | - |
88 | 101 | フランシスコ・ゴメス・パラス | Honda | 31:05'54 | +14:32'34 | 04:22'00 |