モータースポーツ > ダカールラリー > Dakar Rally 2014 > 第11ステージ
ダカールラリー2014後半の山場であり、“カギとなるステージ”とアナウンスされた第11ステージ。今大会屈指の長さのスペシャルステージを、ホアン・バレダ選手(TEAM HRC)が4位、エルダー・ロドリゲス選手(TEAM HRC)が5位と、トラブルを乗り越えてエル・サルバドールへとたどり着きました。
ステージ:アントファガスタ~エル・サルバドール(チリ) 749km
リエゾン(移動区間):144km スペシャルステージ(競技区間):605km
前日の第10ステージを最速タイムで終えたホアン・バレダ選手は、スタート地点のアントファガスタを先頭で、この難関ステージに向かって走り出しました。スタート地点から144kmのリエゾンを終え、今大会の中でも“長い一日”になると言われた605kmのスペシャルステージに勝負をかけます。第11ステージには、コピアポ周辺に待ち構えるあらゆる路面―固い路面、マウンテンコース、さらに砂地や砂丘などが120以上のルートとして網羅されています。
バレダ選手はステージ中盤、滑りやすくコントロールの難しいフェシフェシ※1が広がる場所で転倒し、CRF450 RALLYのナビゲーションシステムにダメージを負ってしまいます。ロードブックを失ったバレダ選手は、スペシャルステージのゴールまでほかのライダーを追走するしか手がなく、それまでの走りでかせいだ時間を失うこととなりました。それでもこのステージを4位で終え、総合2位のポジションを維持しています。
エルダー・ロドリゲス選手は、燃料タンクにトラブルが発生するまでは快調な走りを続けていました。そして、ステージ内の給油ポイントでこれに対処し、問題のないタンクにガソリンを補給することで走行を続けました。エルダー・ロドリゲス選手は、時間的なロスを最小限に抑えることでステージを5位で終え、総合3位を争うポジションにとどまっています。
今大会、自身のベストリザルトとなる8位で第10ステージを終えたハビエル・ピゾリト選手(TEAM HRC)は、この日、岩にぶつかった影響でリアサスペンションにダメージを負い、ステージ17位でのフィニッシュとなっています。
Hondaがサポートするアルゼンチン・ホンダ・ラリーチームのライア・サンツ選手は、やや精彩を欠くリザルトとなった、前日の結果を取り戻すべく力強い走りをみせ、このステージを21位でフィニッシュ。チームメートのパブロ・ロドリゲス選手は32位となっています。この2人は今年販売を予定している、市販プロトタイプマシンのCRF450 RALLYでダカールラリー2014を戦っています。
※1 フェシフェシ
ベビーパウダーのように細かく砕けた微細な粉状の土が溜まっている場所。
#3 ホアン・バレダ選手(スペシャルステージ11 / 4位、総合2位)「長いスペシャルステージで、とても重要な一日となりました。私は最初からハードに攻めました。しかし、スタートから約300km地点のフェシフェシで激しく転倒し、ナビゲーションシステムを壊してしまいました。私は、6分ほど後方にいたシリル・デプレ選手(ヤマハ)を待ちました。そして、このステージの最後まで一緒に走りました。とても難しいステージを走り終えることができて、うれしく思っています。私たちはまた少しダカールラリーのゴールに近づきました」
#7 エルダー・ロドリゲス選手(スペシャルステージ11 / 5位、総合5位)「フィニッシュでき、今ビバーク地にいることがうれしいです。スタートから約100km走ったところで、燃料タンクに問題が発生しました。修理をしようとしましたが、とても難しいものでした。この問題はのちに再発しましたが、メインタンク※2だけに給油をして、問題を抱えながらもステージを走りきることができました。とにかく今、ビバーク地にいます。私は大丈夫です」
#14 ハビエル・ピゾリト選手(スペシャルステージ11 / 17位、総合24位)「最も長いスペシャルステージが終わって、エル・サルバドールのビバーク地にたどり着けたことがうれしいです。今日のルートのほとんどはガレ場(石が散乱するエリア)主体で、道なき道をナビゲーションして走る場所も多くありました。うまくスタートできたのですが、リアに大きな衝撃を感じました。リアサスペンションの動きが正常ではありませんでした。この原因を見つけ出して、残りのレースに臨みたいと思います」
※2 メインタンク
CRF450 RALLYは、合計35Lの容量の燃料タンクを持ち、車体中央に一つ、後部に2つに分けて搭載されている。メインタンクは車体中央のもの。
1月18日(土)
第12ステージ エル・サルバドール~ラ・セレナ
リエゾン:349km スペシャルステージ:350km 合計:699km
南米開催のダカールラリーでおなじみとなっていたコピアポではなく、標高がより高いエル・サルバドールの地を選んだのには理由があります。コピアポでは、現地で「カマンチャカ」と呼ばれる朝霧が発生しやすく、スペシャルステージのスタートが邪魔されることを避けるためです。明日の第12ステージのテーマは“砂”です。特に、ステージ後半には大砂丘群が待ち構え、砂が行く手を阻むことでしょう。ここまで各カテゴリーで接戦を繰り広げてきた競技参加者たちは、攻めるも守るも、ここで再びリスキーな賭けに出ることになるのです。
順位 | No. | ライダー | マシン | タイム/差 |
---|---|---|---|---|
1 | 1 | C.デプレ | ヤマハ | 06:38:59 |
2 | 6 | O.ペイン | ヤマハ | +00:02:37 |
3 | 4 | J.ビラドムス | KTM | +00:03:02 |
4 | 3 | ホアン・バレダ | Honda | +00:05:21 |
5 | 7 | エルダー・ロドリゲス | Honda | +00:06:32 |
17 | 14 | ハビエル・ピゾリト | Honda | +00:32:56 |
21 | 50 | ライア・サンツ | Honda | +00:43:31 |
32 | 46 | パブロ・ロドリゲス | Honda | +01:16:25 |
順位 | No. | ライダー | マシン | タイム/差 |
---|---|---|---|---|
1 | 2 | M.コマ | KTM | 48:39:41 |
2 | 3 | ホアン・バレダ | Honda | +00:37:36 |
3 | 4 | J.ビラドムス | KTM | +01:52:56 |
4 | 6 | O.ペイン | ヤマハ | +02:06:40 |
5 | 7 | エルダー・ロドリゲス | Honda | +02:15:35 |
19 | 50 | ライア・サンツ | Honda | +07:46:23 |
24 | 14 | ハビエル・ピゾリト | Honda | +09:23:00 |
32 | 46 | パブロ・ロドリゲス | Honda | +11:59:36 |