STAGE 10

January 15 2014 Dakar Rally 2014 チリ

SCHEDULE

ホアン・バレダ選手が4度目のステージ優勝
エルダー・ロドリゲス選手が2位に入り、TEAM HRCが1-2フィニッシュ

ラリー後半の第10ステージで、TEAM HRCのホアン・バレダ選手は、今大会自身4度目となる、ステージ優勝を飾りました。これにより、ダカールラリー2014でのCRF450 RALLYのステージ優勝は5度目となりました。また、調子を上げているチームメートのエルダー・ロドリゲス選手はステージ2位、ハビエル・ピゾリト選手もステージ8位と、TEAM HRCは善戦を続けています。

ステージ:イキケ~アントファガスタ(チリ) 689km
リエゾン(移動区間):58km  スペシャルステージ(競技区間):631km

  • ホアン・バレダ選手ホアン・バレダ選手
  • ホアン・バレダ選手ホアン・バレダ選手
  • エルダー・ロドリゲス選手エルダー・ロドリゲス選手
  • ハビエル・ピゾリト選手ハビエル・ピゾリト選手
  • ライア・サンツ選手ライア・サンツ選手

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ラリー後半の山場が始まりました。連日、長く厳しいステージが用意され、さまざまな路面と対峙しながらレースを続けるライダーたち。1月15日(水)の第10ステージでは、631kmのスペシャルステージ(競技区間)が用意されました。バレダ選手はこの長いステージで優勝し、エルダー・ロドリゲス選手が2位でフィニッシュ。CRF450 RALLYに乗るライダーが大活躍しました。

前日の第9ステージのスペシャルステージにおいて、走行速度が定められた場所で速度違反を犯し、15分のペナルティーが与えられたバレダ選手。安全上の理由により、ラリーマシンへの搭載が義務付けられているイリトラック※1とセンチネルアラームシステム※2は、こうした速度義務のあるルートに入ったことを、警告音を発してライダーに知らせるシステムです。しかし、バレダ選手はアラーム音が聞こえなかったため、わずかに制限速度を上回り、15分加算のペナルティーを受けることとなりました。これによって、第9ステージの順位は9位に。総合2位はキープしたものの、終盤の大事な場面で総合首位のマルク・コマ選手(KTM)との差が開く結果となりました。バレダ選手は前日に失った時間を取り戻すべく、第10ステージのスタートからアタックをかけ、この長いステージをトップでフィニッシュ。総合首位のコマ選手とのタイム差を、11分12秒縮めました。

この日、エルダー・ロドリゲス選手は第9ステージ同様、好調な走りをみせました。ステージ序盤から遠くに見えていたポディウムを目指し、スタート直後からプッシュ。そして、エルダー・ロドリゲス選手とバレダ選手の2人が、そろって第10ステージのフィニッシュラインに姿を現しました。エルダー・ロドリゲス選手は2位でフィニッシュし、総合3位のライバルよりも速いタイムでゴールしたため、現在3位の選手との差を約19分まで縮めました。また、総合順位を前日までの6位から5位に上げました。

ハビエル・ピゾリト選手(TEAM HRC)も今大会自己最高の8位で終えるなど、パフォーマンスを発揮しています。

Hondaがサポートし、市販プロトタイプのCRF450 RALLY でエントリーしているライダーたちも順調にステージを終えています。そのうちの一人、ライア・サンツ選手(アルゼンチン・ホンダ・ラリーチーム)はトライアル、エンデューロ、そしてラリーなどの二輪モータースポーツに進出する女性として新境地を開拓し続けています。第9ステージでは、ダカールラリーにおける女性ライダーのステージ順位として、過去最高位となる7位フィニッシュを決め、大きな話題となりました。第10ステージでは、転倒後のトラブルに苦しみながらもサンツ選手が65位、チームメートのパブロ・ロドリゲス選手が43位でフィニッシュしました。

※1 イリトラック(Iritrack)
GPSシステムを利用し、競技中の車両の位置、移動速度などを記録する装置。この装置をオートマチックモードにしておくことで、激しい衝撃を感知したり、3分以上ステージ中に停止していると、レースコントロールから安否確認の連絡が入ったりするようになっています。また、マニュアルモードを選択すれば、イリトラックにあるボタン(青:レースコントロールへの電話、赤:ケガをともなうアクシデント、緑:ケガをともなわないアクシデントやマシンブロー)を押すことで競技者からの連絡手段の役割を果たします。このイリトラックには、行方不明者を出さないようにするなど、安全上の理由で装備が義務付けられています。また、ダカールラリーを主催するASOのWebサイトにあるレースLIVEでライダーたちの動きを追えるのも、このイリトラックシステムを活用しているためです。

※2 センチネルアラームシステム(Sentinel alarm system)
ラリーに参加する全車両に搭載が義務付けられている装置。その目的は競技中、前走車に追いつき、追い越しをかけるとき、追い越される車両にその存在をアラームなどで知らせることで、安全性を高めるためのものです。GPSによって、それぞれの車両の位置情報を得ることができます。

コメント

#3 ホアン・バレダ選手(スペシャルステージ10 / 優勝、総合2位)「昨日は本当に残念でした。私はイリトラックとセンチネルアラームシステムに頼っていました。しかし、うまく作動していなくてアラームが鳴らず、それに気がついたときには遅すぎました。今日は9番目のスタートでした(トップからは18分遅れのスタート)。非常にトリッキーなルートでしたから、集中して走り続けなければなりませんでした。私はとても落ち着いた状態で、レース中ずっとペースを上げていくことができました。総合トップとの差を、何分か縮めることができました。明日、コピアポではどのような展開になるか楽しみです」

#7 エルダー・ロドリゲス選手(スペシャルステージ10 / 2位、総合5位)「とてもよい日でした。私は攻めに攻めました。そしてうまく行きました。砂丘を走っているとき、私には2つの目標しか見えませんでした。それはシリル・デプレ選手(ヤマハ)とコマ選手です。バレダ選手が私を追い抜くまで、彼ら2人をなんとか捕らえようとしました。そして私とバレダ選手は、一緒にフィニッシュしました。バレダ選手がステージ優勝を飾り、私は2位でした。Hondaと私のためにはとてもいい結果です。満足しています」

#14 ハビエル・ピゾリト選手(スペシャルステージ10 / 8位、総合27位)「とてもすばらしい一日でしたが、長い一日でもありました。最初のステージは砂漠でした。そして2番目のステージはフェシフェシ※3と隠れた岩の点在するルートでした。フューエルパイプにちょっとした問題があり、少し焦りましたが、大したことはありませんでした。CRF450 RALLYは絶好調で、時速183kmというスピードを出しました。これはとてもすごいことです」

※3 フェシフェシ
ベビーパウダーのように細かく砕けた微細な粉状の土が溜まっている場所。

イベントインフォメーション

TOMORROW'S STAGE

1月16日(木)
第11ステージ アントファガスタ~エル・サルバドール
リエゾン:144km スペシャルステージ:605km 合計:749km

アタカマ砂漠。その輝きが待っている

距離が長いだけではありません。ライダーたちは、難度の高いアタカマ砂漠で、オフロードレースに対応するための、あらゆる能力を備えているかを試されることになります。固い路面やいくつもの渡河セクションを越えると、ライダーたちはコピアポの砂丘群の中にいることに気がつくでしょう。おそらく、ステージ優勝を果たすライダーでさえ、7時間以上マシンを走らせ続けることになります。言うまでもなく、勝利を目指すライダーにとって、それをつかむチャンスのある一日となります。このステージは、ダカールラリー2014のカギとなるステージです。

リザルト

SS10順位

順位 No. ライダー マシン タイム/差
1 3 ホアン・バレダ Honda 04:42:14
2 7 エルダー・ロドリゲス Honda +00:07:42
3 1 C.デプレ ヤマハ +00:09:26
4 6 O.ペイン ヤマハ +00:10:57
5 2 M.コマ KTM +00:11:12
 
8 14 ハビエル・ピゾリト Honda +00:16:44
43 46 パブロ・ロドリゲス Honda +01:16:37
65 50 ライア・サンツ Honda +02:16:53

総合順位

順位 No. ライダー マシン タイム/差
1 2 M.コマ KTM 41:48:33
2 3 ホアン・バレダ Honda +00:44:24
3 4 J.ビラドムス KTM +02:02:03
4 6 O.ペイン ヤマハ +02:16:12
5 7 エルダー・ロドリゲス Honda +02:21:12
 
19 50 ライア・サンツ Honda +07:15:01
27 14 ハビエル・ピゾリト Honda +09:02:13
33 46 パブロ・ロドリゲス Honda +10:55:20