モータースポーツ > ダカールラリー > Dakar Rally 2014 > 第5ステージ
TEAM HRCのエルダー・ロドリゲス選手は第5ステージを3位で終え、今大会の総合順位を前日の15位から10位にアップさせました。
ステージ:チレシト~サン・ミゲル・デ・トゥクマン 728km
リエゾン(移動区間):517km スペシャルステージ(競技区間):211km
主催者は現地1月9日(木)に行われた第5ステージにおいて、2つに分けられたスペシャルステージ(競技区間)の後半部分を、安全上の理由でキャンセルすることを決めました。キャンセルになったスペシャルステージの距離は316kmで、この日、911kmを予定していた総走行距離のおよそ3分の1にあたります。
この日、2つ予定されていたうちの前半のステージは、ルートを切り開いてナビゲーションする砂丘を中心に行われました。前半のステージを終えたライダーたちは、111kmに及ぶニュートラルゾーン(スペシャルステージ内の非計測区間)を移動し、ステージ後半部分へと到着しましたが、その後半部分はキャンセルされました。
6番手スタートのホアン・バレダ選手(TEAM HRC)は、昨日のロスをばん回すべく快調に飛ばし、先にスタートしたライバルたちをパスしていきました。しかし、ミスコースを犯し、かせいだ時間を再び吐き出してしまいました。バレダ選手はこのステージをトップから44分20秒差の13位。総合では、マルク・コマ選手(KTM)に続く2位となりました。エルダー・ロドリゲス選手(TEAM HRC)は、このステージ3位と健闘。また、ハビエル・ピゾリト選手(TEAM HRC)は慎重に走り、ステージを45位でフィニッシュしました。
一方、このステージで不運に見舞われたのが、パウロ・ゴンサルヴェス選手(TEAM HRC)でした。ルート上にあった丈の低い木の枝などがエンジンとエキゾーストパイプ回りに挟まり、それが熱せられて発火。燃え始めたCRF450 RALLYを停め、地面の砂を掛けて懸命に消火を試みましたが、2013年のクロスカントリーラリー世界選手権を制した彼のマシンは炎に包まれました。ゴンサルヴェス選手は残念ながらこのステージでラリーを終えることになりました。
市販型CRF450 RALLYのプロトタイプを駆ってラリーを戦うライダーたちは、パブロ・ロドリゲス選手(アルゼンチン・ホンダ・ラリーチーム)がステージ32位で総合33位、女性ライダーのライア・サンツ選手(アルゼンチン・ホンダ・ラリーチーム)はステージ39位で総合22位と、上位陣に食い込む活躍を続けています。
#7 エルダー・ロドリゲス選手(スペシャルステージ5 / 3位、総合10位)「本当に長くてタフな一日でした。今までのダカールラリーで最もハードな日でした。まだ5日目ですが、本当に難しいと感じています。ダカールラリーは長いです。集中力を保たなければなりません。そして一日中、集中力を強く保たなければなりません。そうすることで、いい結果が得られます」
#3 ホアン・バレダ選手(スペシャルステージ5 / 13位、総合2位)「高温と柔らかい砂のルートで、今大会で最も難しいと言えるほどハードな一日でした。日ごとにタフになっていきますね。スペシャルステージのスタート時点で、燃料系に問題があったのですが、すぐに直すことができました。私は、マルク・コマ選手に追いつきましたが、ウエイポイント※を探しているときに、燃料系の問題が再び起こってしまったのです。修理するために時間を要してしまいました。しかし、フィニッシュできたことが最も重要です。レースはまだ続いています。これからの数日間、どう戦うかを見ていてください」
#14 ハビエル・ピゾリト選手(スペシャルステージ5 / 45位、総合43位)「本当にハードなスペシャルステージでした。私は後方からのスタートでしたから、埃と戦わなければなりませんでした。その後、コースが少し開けたのでペースを上げ、前のライダーたちを捕らえました。燃料系に少しトラブルが起きたのですが、そのあとステージがキャンセルになりました。こういうことがプラスに働くこともあります。今日、何台かのマシンが火を出しました。レースからライダーたちをふるい落とすステージだったのです。約120台のマシンがスタートして、今こうしてビバーク地に戻ってこられたのはいいニュースです」
※ ウエイポイント(waypoint)
ルート上に設置されたGPSポイント。車載のGPSが走行ルートを記憶しており、ウエイポイントを通らなかったマシンにはペナルティーが科せられます。
1月10日(金)
第6ステージ サン・ミゲル・デ・トゥクマン~サルタ(アルゼンチン)
リエゾン:64km スペシャルステージ:400km 合計:464km
トゥクマンを出発した参加者たちは、有名な「ルタ40(ルート40)」を通って北を目指します。美しいアルゼンチンの景色の中にあって、最もすばらしい地帯を駆け抜けていきます。このステージでライバルに大きなタイム差をつけるのは難しいと思われます。しかし、スキルの高いライダーにとって、ステージ優勝数を伸ばす好機でもあります。ライダーたちは、川沿いに開かれた新しいルートを走ります。第6ステージには、小型から大型のものまで、多くの動物が存在するため、参加者たちは注意深く走らなければなりません。このステージを乗りきれば、サルタでの休息日が待っています。
順位 | No. | ライダー | マシン | タイム/差 |
---|---|---|---|---|
1 | 2 | M.コマ | KTM | 03:02:08 |
2 | 4 | J.ビラドムス | KTM | +00:12:54 |
3 | 7 | エルダー・ロドリゲス | Honda | +00:25:53 |
4 | 30 | R.ニーケルク | KTM | +00:32:04 |
5 | 40 | J.サルバティエラ | スピードブレイン | +00:33:12 |
13 | 3 | ホアン・バレダ | Honda | +00:44:20 |
38 | 50 | ライア・サンツ | Honda | +01:49:28 |
39 | 46 | パブロ・ロドリゲス | Honda | +01:58:59 |
45 | 14 | ハビエル・ピゾリト | Honda | +02:14:44 |
順位 | No. | ライダー | マシン | タイム/差 |
---|---|---|---|---|
1 | 2 | M.コマ | KTM | 18:45:11 |
2 | 3 | ホアン・バレダ | Honda | +00:41:10 |
3 | 5 | C.ロペス | KTM | +00:53:41 |
4 | 4 | J.ビラドムス | KTM | +00:58:58 |
5 | 22 | A.デュクロ | シェルコ | +01:02:13 |
10 | 7 | エルダー・ロドリゲス | Honda | +01:58:18 |
22 | 50 | ライア・サンツ | Honda | +04:02:54 |
33 | 46 | パブロ・ロドリゲス | Honda | +06:31:43 |
43 | 14 | ハビエル・ピゾリト | Honda | +07:25:36 |