STAGE 02

January 6 2014 Dakar Rally 2014 アルゼンチン

SCHEDULE

サンダーランド選手が自身初となるダカールラリーでのステージ優勝を決める
総合ではバレダ選手が首位をキープ

ホアン・バレダ選手(TEAM HRC)とCRF450 RALLYがTEAM HRCにもたらした、25年ぶりとなるダカールラリーでのステージ優勝のニュースに続き、現地1月6日に行われた第2ステージにおいて、TEAM HRCのファクトリーライダー、サム・サンダーランド選手が、自身初となるダカールラリーでのステージ優勝を決めました。そして総合順位では、バレダ選手が2位との差を2分3秒に広げトップをキープしました。

ステージ:サン・ルイス~サン・ラファエル 724km
リエゾン(移動区間):365km  スペシャルステージ(競技区間):359km

  • サム・サンダーランド選手サム・サンダーランド選手
  • 山崎勝実ダカールラリーTEAM HRC代表(左)、サム・サンダーランド選手(右)山崎勝実ダカールラリーTEAM HRC代表(左)、サム・サンダーランド選手(右)
  • ホアン・バレダ選手ホアン・バレダ選手
  • パウロ・ゴンサルベス選手パウロ・ゴンサルヴェス選手
  • ライア・サンツ選手ライア・サンツ選手

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第2ステージは、サン・ルイス~サン・ラファエル間において、スペシャルステージ359kmを含む724kmで行われました。このステージでは、固い路面、ガレ場(石が散乱するエリア)、そして70kmに及ぶニウィル砂丘群での難しいナビゲーションを含むバラエティーに富んだルートを相手に、ライダーたちは戦いました。

この第2ステージを制したのはサンダーランド選手でした。特にスペシャルステージでの走りは、リラックスした中にも速さがあり、砂丘でのライディングが光りました。この日、サンダーランド選手は自身初となる、ダカールラリーでのステージ優勝を決めたほか、総合順位を前日の9位から3位へとアップさせています。

総合1位のバレダ選手は彼らしい攻めの走りをみせ、ライバルたちとの差を広げました。ステージ中、コース上にいた牛と衝突した衝撃で、ラリーのルートが記されたロードブックを、電動で巻き取るロードブックホルダーが破損。バレダ選手はそのあと、手動でそれを動かしながら進むことになりながらも、総合トップの座を守りきりました。

パウロ・ゴンサルヴェス選手(TEAM HRC)は、先頭グループでの力強い走行を続けました。しかし、ガソリンが燃料タンクからエンジンへと送られる過程で、高熱により気泡が発生するベーパーロック現象が発生。ペースダウンを余儀なくされ、このステージは8位でフィニッシュ。総合では7位となっています。

エルダー・ロドリゲス選手(TEAM HRC)はこのステージを15位で終えました。砂丘でクラッシュし、マシンにダメージを負ったハビエル・ピゾリト選手(TEAM HRC)は21位でフィニッシュしました。

また、全員が新型のCRF450 RALLYに乗り、ブラジル・ホンダ、アルゼンチン・ホンダからエントリーしているライダーたちも、前日に引き続き順調な走りを続け、第2ステージを終えた段階で、ジェアン・アゼヴェド選手(ホンダレーシング・ブラジル・ラリーチーム)が総合24位、ライア・サンツ選手(アルゼンチン・ホンダ・ラリーチーム)が総合27位、パブロ・ロドリゲス選手(アルゼンチン・ホンダ・ラリーチーム)が総合30位と、上位30位以内をキープしています。

コメント

#18 サム・サンダーランド選手(スペシャルステージ2 / 優勝、総合3位)「本当にうれしいです。CRF450 RALLYは最高です。今日のステージはいろいろなタイプの地形があり、スピードとテクニックが求められました。すべてがうまくいって砂漠地帯に着きました。長丁場ではなかったので順調でした。途中で渡った川は思っていたよりも深かったです。見ている人たちにはおもしろかったでしょう。私にとって、初めてのダカールでの勝利とHondaの連勝を喜んでいます」

#3 ホアン・バレダ選手(スペシャルステージ2 / 3位、総合1位)「動物に注意しなければならないことは分かっていました。フィニッシュラインから70kmほど離れた、非常に危険な砂漠地帯を抜けました。そして視界の悪い川を渡ったあと、コース上に牛を見つけましたが、避けた方向に牛が逃げてきて衝突してしまいました。大した衝撃はなかったのですが、ナビゲーションシステムの上部を破損してしまい、そのあとは、ロードマップを手動で操作しなければなりませんでした。ステージ序盤はスピーディーに走れ、ライバルたちとの差を広げることができました。250km~300kmあたりではとても集中して走れたので、満足しています」

#10 パウロ・ゴンサルヴェス選手(スペシャルステージ2 / 8位、総合7位)「とてもハードな一日でした。砂漠の中で燃料系の問題がいくつか生じて時間をロスしました。もっといい日になるはずだったのですが、なんと言うか……。それでも私は、フィニッシュすることができましたし、それが非常に重要なことです。明日はいいポジションからスタートできます。戦いは続きます」

#14 ハビエル・ピゾリト選手(スペシャルステージ2 / 21位、総合22位)「距離が長くて埃の多いステージでした。私はエルダー選手と一緒に走り、ハードに攻めようとしました。しかし、ナビゲーションを間違えてしまい、砂丘から落ちました。私は大丈夫でしたが、マシンにダメージがありました。今日の出来事を“もっとうまくいく可能性があるんだ”と考えれば、満足できます」

イベントインフォメーション

TOMORROW'S STAGE

1月7日(火)
第3ステージ サン・ラファエル~サン・フアン(アルゼンチン)
リエゾン:292km スペシャルステージ:373km 合計:665km

目印はアコンカグア

ダカールラリー2014は、いよいよアンデスを控えた山岳地へと進んでいきます。標高6962mでそびえ立つ火山、アコンカグアが各車の成り行きを見つめ、アンデスを前に高地でのライディング経験がモノをいいます。この日、スペシャルステージで4300mという高地を通過したとき、ライダーたちはその尾根で、「ここが南アメリカで最も高い場所に違いない」と知ることになります。しかし、美しい高地から下り、第3ステージを終えてキャンプ地に到着すると、一切のサポートを受けられないマラソンステージの初日が終わったにすぎないという、ダカールラリーの現実に戻されるはずです。ライダーたち専用に設営されたビバークで、彼らは自分たちだけの力で、次の日のためのメンテナンスを進めなければならないのです。

※ マラソンステージ
世界一過酷なラリー。その代名詞であるダカールラリーでは、かつて一日に1000kmを超えるステージが設けられる時代がありました。安全性の面から、現在は行われていませんが、2日間で走る距離を一つのステージとし、ビバーク地でのチームからの整備、部品交換などのサポートを禁止することで、ロングステージを再現したのがマラソンステージです。必要になるスペアパーツ、工具などは、ライダーがそれぞれ持って走る必要があります。また、チームメートが乗る車両の部品を共有しながら走る戦略が取られることもあります。

リザルト

SS2順位

順位 No. ライダー マシン タイム/差
1 18 サム・サンダーランド Honda 03:42:10
2 5 C.ロペス KTM +00:00:39
3 3 ホアン・バレダ Honda +00:02:00
4 8 R.ファリア KTM +00:04:07
5 22 A.デュクロ シェルコ +00:05:51
 
8 10 パウロ・ゴンサルヴェス Honda +00:07:45
15 7 エルダー・ロドリゲス Honda +00:14:07
21 14 ハビエル・ピゾリト Honda +00:21:22
24 29 ジェアン・アゼヴェド Honda +00:24:14
25 50 ライア・サンツ Honda +00:27:47
30 46 パブロ・ロドリゲス Honda +00:35:02

総合順位

順位 No. ライダー マシン タイム/差
1 3 ホアン・バレダ Honda 06:09:41
2 5 C.ロペス KTM +00:02:03
3 18 サム・サンダーランド Honda +00:02:33
4 22 A.デュクロ シェルコ +00:05:47
5 2 M.コマ KTM +00:07:00
 
7 10 パウロ・ゴンサルヴェス Honda +00:08:10
17 7 エルダー・ロドリゲス Honda +00:21:05
22 14 ハビエル・ピゾリト Honda +00:27:31
24 29 ジェアン・アゼヴェド Honda +00:32:55
27 50 ライア・サンツ Honda +00:42:20
30 46 パブロ・ロドリゲス Honda +00:50:17