モータースポーツ > ダカールラリー > ロドリゲス選手がSS4で首位を独走中に痛恨のリタイア。ザノル選手は総合5位に浮上するなど健闘

DAKAR RALLY 2013

2012年10月18日(木)モロッコラリー 第4ステージ

ロドリゲス選手がSS4で首位を独走中に痛恨のリタイア。ザノル選手は総合5位に浮上するなど健闘

フェリペ・ザノル選手

大会4日目、TEAM HRCのエルダー・ロドリゲス選手は、一時は2位を約11分も引き離す独走態勢を築いていましたが、58km地点で燃料系統のトラブルがマシンに発生し、リタイアを余儀なくされました。

ロドリゲス選手は、月曜日の第1ステージで勝利。水曜日の第3ステージでは、転倒の影響で負傷したマルク・コマ選手(KTM)を助けるためにマシンを止めたにもかかわらず、スペシャルステージで2位を獲得するというすばらしい走りをみせました。その結果、全日程の中盤を迎えた第4ステージのスタートまでに、総合タイムで約11分のアドバンテージを築いていましたが、無念のリタイアとなりました。それでもロドリゲス選手は、明日の第5ステージに出場し、TEAM HRCの目標である「ダカールラリー2013」でベストのパフォーマンスが発揮できるように、CRF450 RALLYのテストを続ける予定です。

一方、フェリペ・ザノル選手は、過酷な第4ステージを3位でフィニッシュし、前日の8位から順位を上げ、総合でも5位となりました。この日のステージを制したヤクブ・プシゴンスキ選手(KTM)と、3位のザノル選手のタイム差は、わずか4分19秒でした。

サム・サンダーランド選手は250kmに及ぶ過酷な高速ステージで、GPSのトラブルのため、本来の走りを発揮することができず、8位でフィニッシュ。ハビエル・ピゾリト選手は、ナビゲーションのミスでスローダウンを余儀なくされましたが、チームメートであるジョニー・キャンベル選手の集団に追いつき、キャンベル選手が17位、ピゾリト選手は19位でこの日を終えました。

ステージ:移動区間(リエゾン)65km、競技区間(スペシャルステージ)250km、移動区間(リエゾン)97km

第4ステージは、250kmに及ぶ「道なき道」を進む高速ステージ。砂だらけのドライレイクを通過したあと、自生植物が多く、高度なナビゲーションを強いられるテクニカルなセクションがフィニッシュ地点まで続きました。岩場を避けるために、このような高速ルートでシェガガ砂漠を走り抜けましたが、これはモロッコラリーの歴史の中でも初めてでした。

  • フェリペ・ザノル選手
  • サム・サンダーランド選手
  • ジョニー・キャンベル選手
  • ハビエル・ピゾリト選手
  • エルダー・ロドリゲス選手

コメント

フェリペ・ザノル選手(総合5位、スペシャルステージ4 / 3位)「今日はナビゲーションのミスもなく、いいレースができました。ロドリゲス選手の状況を確認するために、一度マシンを止めましたが、そのあとは砂丘やフェチフェチ(粉砂地帯)と、道なき道が延々と続くステージを攻め続けました。今日は、生まれて初めて砂嵐を体験しました。視界が極端に悪くなりましたが、すでにステージ終盤でしたので助かりました」

サム・サンダーランド選手(総合7位、スペシャルステージ4 / 8位)「給油までは順調でしたが、203km地点でGPSの不具合が出て、苦しいレースを強いられました。また、チェックポイントを1カ所クリアしていない可能性があり、現在、オフィシャルに確認しているところです」

ハビエル・ピゾリト選手(総合13位、スペシャルステージ4 / 19位)「ライダーにとっても、マシンにとっても、最も過酷なステージでした。かなり暑かったですし、ナビゲーションのミスで15分もロスしてしまいました。ロドリゲス選手の状況を確認してからは、リズムを取り戻すことに専念し、多くのライダーをパスしました。その後、ステージ中盤でキャンベル選手の集団に追いつき、そのままフィニッシュを迎えました」

ジョニー・キャンベル選手(総合18位、スペシャルステージ4 / 17位)「今日が最も難しいステージでした。GPSとキャップに気を取られて、走りに集中できませんでした。地形も非常に厳しく、砂質が細かい砂丘が多かったので、なかなかリズムをつかめませんでした」

エルダー・ロドリゲス選手(総合49位、スペシャルステージ4 / DNF)「今日は非常に残念な結果に終わってしまいました。ただ、今回の目的はマシンのシェイクダウンですので、その意味では順調だと思います。マシンに燃料系統のトラブルが発生したときは、独走状態でしたので、後続のライダーを11分も待たなければなりませんでした。今日は、スタートの時点で十分なアドバンテージを築いており、総合順位でのタイム差をさらに広げることも可能だっただけに残念です。もちろん、明日もレースを続けます。今回はダカールラリーに向けたマシンのシェイクダウンが最優先事項であることに、変わりはありません」

山崎勝実| TEAM HRCプロジェクトリーダー「ロドリゲス選手がいい走りをしており、11分差で首位を独走していたことを考えると、非常に残念です。現在確認中ですが、おそらく燃料系統のトラブルだと思います。とにかく、今回のレースの主な目的は、TEAM HRCとしての最優先事項であるダカールラリーに向けて、マシンのシェイクダウンを行うことです。このプロジェクトはまだ初期段階ですが、非常に重要なデータが得られています。あらゆるデータを分析してマシンを仕上げていく予定です。正確なナビゲーションで、今回のステージを3位でフィニッシュしたザノル選手にとっては、非常に充実した一日でした。サンダーランド選手は、GPSのトラブルに苦しみました。キャンベル選手とピゾリト選手はステージの半分を同一集団で走行し、非常にいいチームワークをみせてくれました」

リザルト

総合順位(第4ステージ終了時点)
順位 No. ライダー マシン タイム
12C.デプレKTM13:11:54
28J.バレダハスクバーナ +0:18:03
315 F.バーホーベン ヤマハ +0:31:51
49 O.パン ヤマハ +0:33:19
511フェリペ・ザノルHonda +0:33:21
 
717サム・サンダーランドHonda +0:47:21
1325ハビエル・ピゾリトHonda +1:42:56
1822ジョニー・キャンベルHonda +3:25:14
493エルダー・ロドリゲスHonda+16:47:48