2016.11.20  CEVレプソルインターナショナル選手権 最終戦 スペインバレンシア

長島が最終戦を勝利で飾り、ランキング2位でシーズンを終える

鳥羽が総合4位、佐々木が総合6位とランキングトップ10入り

2016年11月20日(日)・決勝  会場:バレンシア・サーキット  全長:4.005km
Moto2 レポート

2016年FIM CEVレプソルインターナショナル選手権の最終戦が、スペイン・バレンシアのリカルド・トルモ・サーキット(バレンシア・サーキット)で開催されました。このサーキットは、全長は4.005km、左コーナー9、右コーナー5の中速コーナーがレイアウトされ、パッシングシーンのほとんどを観客席から見ることができる人気の高いコースです。

Moto2クラスにはアジアロードレース選手権に参戦している羽田太河(M.García)がスポット参戦。山田誓己(H43 Team Nobby Talasur)はトレーニング中に左鎖骨を骨折し欠場となりました。このクラスはすでにタイトルが決定しているため、アラン・ティーチャー(NTS T Pro project)と長島哲太(Ajo Motorsport A.)のランキング2位争いに注目が集まりました。今大会のMoto2クラスは1レース開催で行われました。

長島哲太(#45)長島哲太(#45)

長島哲太長島哲太

予戦、ポールポジション(PP)はタイトルを決めているスティーブン・オデンダル(AGR TEAM)、2番手に長島、3番手にティーチャー、羽田は16番手となりました。決勝で飛び出したのはPPのオデンダル、長島は3番手で1コーナーをクリアし、激しいトップ争いに加わります。5ラップ目、2番手を走行していたディマス・プラタマ(ASTRA Honda Racing Team)はトップに躍り出ますが、6ラップ目には、ここまでのファステストラップを叩き出しながら追い上げた長島がディマスを抜き去りトップに立ちます。それをこの周で2番手までポジションを上げていたリカルド・カルダス(Promoto Sport)が執ように追いかけますが、長島はポジションを守り続けます。カルダス、オデンダル、エリック・グラナド(Promoracing)、プラタマらが追いかけ、トップ争いは5台へと絞られました。

長島哲太(中央)長島哲太(中央)

9ラップ目、トップ争いをしていたプラタマが転倒でリタイア。また2番手を走行していたオデンダルがコースアウトし、トップを走る長島はさらにリードを広げます。2番手争いはグラナド、カルダス、そして、ファステストラップを記録しながら追い上げたティーチャーが加わり3台でバトルを展開します。そこからグラナドが抜け出て単独で2番手を走行、3番手争いはカルダスとティーチャーが最終ラップまで激しく争いました。長島はトップに立ってからは一度もポジションを明け渡すことなく堂々と初優勝のチェッカーを受けました。2位にはグラナド、3位にはカルダス。スポット参戦の羽田は12位でレースを終えました。長島はこの優勝によって逆転でランキング2位となりました。3位にアランが入り、ディマスは7位、山田は18位でシーズンを終えました。

Moto3 レポート

Moto3クラスは2レース開催。ランキングトップのロレンソ・デッラ・ポルタ(ハスクバーナ)と、2位のマルコス・ラミレス(KTM)のタイトル決定戦となりました。Honda勢は、鳥羽海渡(Asia Talent T.)がランキング3位、真崎一輝(Asia Talent T.)はランキング7位からジャンプアップを目指します。ランキング5位の佐々木歩夢(Asia Talent T.)は大会前に体調不良となり参戦を断念。しかし、アジア・ドリーム・カップでチャンピオンを決めている中村大輝と、全日本ロードレース選手権J-GP3クラスでランキング2位となった栗原佳祐がHonda T.Asiaからスポット参戦し、日本人の活躍が期待される大会となりました。

真崎一輝真崎一輝

真崎一輝真崎一輝

予選PPを獲得したのはラミレス、鳥羽は5番手、真崎は10番手、栗原は23番手、中村は34番手となりました。レース1は波乱のスタートとなり、ランキングトップのポルタのマシンがグリッド上で火を噴き、ピットに移動するという混乱が起き、レースはディレイ。1周減算となってスタートが切られました。ホールショットを奪ったのはトニー・アルボリーノ(SIC 58 SQUADRA CORSE)。序盤から激しいポジション争いが繰り広げられ、転倒者も続出する荒れたレース展開となります。首位を走っていたアルボリーノも転倒。これでラミレスがトップに立ち、カレル・ハニカ(KTM)、ラウル・フェルナンデス(ハスクバーナ)が2番手争いを繰り広げました。

鳥羽海渡(#32)鳥羽海渡(#32)

4番手争いも5、6台の激しいバトルが展開され、その争いを鳥羽が抑えながら、前の集団を追いかけます。11ラップ目、セカンド集団から前に出ようとしていた真崎はクラッシュに巻き込まれて痛恨のリタイア。鳥羽も激しい争いの最中に転倒してしまいます。優勝したのはラミレス、2位にフェルナンデス、3位にハニカが入りました。栗原は23位でチェッカーを受け、中村はオープニングラップの波乱に巻き込まれ、一周もすることができませんでした。42台がスタートし、完走したのは27台という波乱の展開となりました。

レース2はジェレミー・アルコバ(Estrella Galicia 0,0)がホールショットを奪いますが、すぐにポルタがポジションを奪ってトップに立ち、ラミレス、フェルナンデスらと激しいトップ争いを繰り広げます。オープニングラップで鳥羽は5番手、真崎は11番手となり、ここからポジションアップを目指します。トップ争いは大きな集団となり、その争いの中で、鳥羽も真崎も周回を重ねました。鳥羽は、集団から抜け出そうとしますが、10ラップ目に転倒しリタイアとなりました。

鳥羽海渡鳥羽海渡

レース2の優勝はフェルナンデス、2位はポルタとなり僅差でタイトルを決めました。3位にはデニス・フォッジャ(KTM)。真崎は12位、栗原は20位、中村は24位でチェッカーを受けました。鳥羽はノーポイントが響きランキングは4位に後退、佐々木も6位となり、真崎は11位でシーズンを終えました。

Moto2 コメント

長島哲太(Moto2 優勝)
「今回は事前テストに参加することができなかったので少し焦りもありましたが、フリー走行から決勝に向けて組み立てていき、予選ではなんとか2番手を獲得できました。一周のタイムアタックではトップと少し差がありましたが、アベレージタイムはよかったので焦りや不安はなく、決勝を迎えることができました。決勝当日は曇り空で、ウイークの中でも気温が低く、日差しもないので路面温度がかなり低いコンディションでのレースでした。バレンシアは右コーナーが少なく、左コーナーが続き、タイヤが冷えたころに右コーナーが来るので、序盤はしっかりタイヤを温めることに専念し様子を伺いました。後半に攻めていこうと決めていて、その通りのレースができ、自分の中でも満足のいくレースでした。今年一年は何度も優勝できそうなチャンスがありましたが、ものにできず悔しい思いばかりしていましたが、テルルの中込社長をはじめ、Honda様、アライヘルメット様、RSタイチ様、多くのファンの方々のサポートや応援のおかげで、最後に優勝することができました。心より感謝しています。来年は世界選手権にステップアップするので、このままの勢いでつき進めるように全力でがんばります。今回もたくさんの応援ありがとうございました」

Moto3 コメント

真崎一輝(Moto3 リタイア/12位)
「初戦で走行したサーキットだったので気持ち的にとても楽で、練習からうまく攻めることができました。予選順位は10番手でしたが、上位とタイム差があまりなく、いいレースができると考えていました。レース1は、スタートがうまくいきましたが、接触などがありポジションを下げてしまいました。その後、追い上げていきましたが、2コーナーの接触で転倒してしまいました。レース2はスタートがうまくできずポジションが少し下がってしまいました。またトップグループにいたのですが、思うようにペースが上げられずに集団と離れてしまい、悔しいレースになりました。オフの間に、しっかりと自分の足りない部分を見直して来年に備えたいと思います」

鳥羽海渡(Moto3 リタイア/リタイア)
「1レース目は、タイヤの選択でミスをしてしまい、序盤からペースを上げることができませんでした。トップグループとの差が開いてしまったので、4番手争いの中、ペースを抑えながら4位でフィニッシュできるように走行していましたが、タイヤに合わして走ることができず転倒しました。2レース目は、トップグループにいましたが、ミスにより大きく順位を落としてしまいました。これで開いたトップとの差を徐々につめている中、後続から追突されてしまい転倒しました。今回は、ウイーク通して転倒が多かったので、原因をしっかり考え、今後に生かしたいです」

Moto2 リザルト
Moto2(レース1)
順位 No. ライダー マシン 周回数 タイム/差
145長島哲太Kalex19 30'48.057
251エリック・グラナドKalex19 +1.773
348 リカルド・カルダス Transfiormers19 +4.117
489アラン・ティチャーNTS NH-619 +4.160
537アウグスト・フェルナンデス・グエッラTech319 +8.795
622フェデリコ・フリーニKalex19 +14.252
718シャビ・カルダルスKalex19 +33.702
836ジェイソン・ウリベKalex19 +33.939
93ルーカス・ツロヴィッチKalex19 +34.304
1093ラマダン・ロスリKalex19 +35.073
1176サムエーレ・カバリエリKalex19 +35.494
12 41 羽田太河NTS Tpro19 +37.509
1324ミゲル・ポヤトス・アラルコンSUTER19 +42.578
1496ダビド・サンチスMir Racing19 +42.853
1515トーマス・シグヴァートセンKalex19 +43.190
167イケル・レクオーナKalex19 +47.323
17 46 マルセル・ブレナー Kalex 19 +48.060
2032マックス・エンダーラインKalex19 +51.540
2212アリ・ルフミプトロKalex19 +1'13.626
23 2 アナ・カラスコ SUTER 19 +1'13.651
- 43 マノウ・アントヴァイラー H43 14 +5Laps
-44スティーブン・オデンダルKalex12 +7Laps
-4ギヨーム・レイモンドFTR11 +8Laps
-71ポントゥス・デューランドKalex10 +9Laps
-16ガブリエーレ・ルジュTech39 +10Laps
- 20 ディマス・プラタマ Kalex 8 +11Laps
- 33 ジェレミー・バーネットAriane   
Moto3 リザルト
Moto3(レース1)
順位 No. ライダー マシン 周回数 タイム/差
142M.ラミレスKTM1728'34.117
223R.フェルナンデスハスクバーナ17+1,370
392K.ハニカKTM17+8.354
411A.アレナスマヒンドラ17+21,372
521アロンソ・ロペスHonda17+21.493
667 G.リウKTM17+21.525
855ヤリ・モンテッラHonda17+29.336
11 86 チャーリー・ネスビット Honda 17 +30.021
23 51 栗原佳祐 Honda 17 +1'01.619
2419ルフィノ・フロリド Beon17 +1'01.706
2627マヌエル・ゴンザレスHonda17 +1'28.323
-18アレイクス・ヴィウHonda16+1Lap
-32鳥羽海渡Honda13+4Laps
-34アンディ・イズディハールHonda12+5Laps
- 54 リカルド・ロッシ Honda 11 +6Laps
-5ジャウメ・マシアHonda11+6Laps
-31真崎一輝Honda10+7Laps
- 35 ナカリン・アティラットプワパット Honda 10 +7Laps
- 41 マーク・ガルシア Honda    
-50 中村大輝Honda  
Moto3(レース2)
順位 No. ライダー マシン 周回数 タイム/差
123R.フェルナンデスハスクバーナ1830'18.532
248L.デッラ・ポルタハスクバーナ18 +0.011
371D.フォッジャKTM18 +0.503
492K.ハニカKTM18+3.365
521アロンソ・ロペスHonda18+3.393
652ジェレミー・アルコバHonda18+3.395
755ヤリ・モンテッラHonda18+6.765
12 31 真崎一輝 Honda 18 +14.616
1686 チャーリー・ネスビットHonda18 +29.947
20 51 栗原佳祐 Honda 18 +39.906
24 50 中村大輝 Honda 18 +41.337
25 54 リカルド・ロッシ Honda 18 +42.613
2627マヌエル・ゴンザレスHonda18+43.740
-35ナカリン・アティラットプワパットHonda13+5Laps
-32鳥羽海渡Honda9+9Laps
-5ジャウメ・マシアHonda9+9Laps
-34アンディ・イズディハールHonda8+10Laps
- 41 マーク・ガルシア Honda 5 +13Laps
- 19 ルフィノ・フロリド Beon 3 +15Laps
Moto2 ポイントランキング
順位 No. ライダー マシン 総合ポイント
-144スティーブン・オデンダルKalex206
245長島哲太Kalex162
389アラン・ティチャーNTS NH-6162
-451エリック・グラナドKalex129
-537アウグスト・フェルナンデス・グエッラTech398
-67イケル・レクオーナKalex79
-720ディマス・プラタマKalex66
-818シャビ・カルダルスKalex63
977リカルド・カルダスTransfiormers61
1076サムエーレ・カバリエリKalex59
1136ジェイソン・ウリベKalex50
128ベルタン・ティボーSuter46
1316ガブリエーレ・ルジュTech346
1493ラマダン・ロスリKalex42
1522フェデリコ・フリーニKalex41
1687レミー・ガードナーKalex39
1715トーマス・シグヴァートセンKalex32
1817山田誓己Kalex-Honda32
-1932マックス・エンダーラインKalex26
-2046マルセル・ブレナーKalex22
-2196ダビド・サンチスMir Racing20
-2269ルイス・ロッシTransfiormers12
233ルーカス・ツロヴィッチKalex10
2471ポントゥス・デューランドKalex9
2524ミゲル・ポヤトス・アラルコンSUTER7
2656トーマス・グラディンガーFTR6
-2741 羽田太河 NTS Tpro 4
-3113アンソニー・ウェストFTR1
Moto3 ポイントランキング
順位 No. ライダー マシン 総合ポイント
-148L.デッラ・ポルタハスクバーナ214
-242M.ラミレスKTM205
323R.フェルナンデスハスクバーナ137
432鳥羽海渡Honda103
521アロンソ・ロペスHonda87
633佐々木歩夢Honda83
944 トニ・アルボリーノHonda75
1031真崎一輝Honda72
1152ジェレミー・アルコバHonda71
155ジャウメ・マシアHonda34
1735ナカリン・アティラットプワパットHonda33
2155ヤリ・モンテッラHonda23
2619ルフィノ・フロリドBeon9
3086チャーリー・ネスビットHonda5
3234アンディ・イズディハールHonda4
Moto2

長島哲太

長島哲太

長島哲太

長島哲太(#45)

長島哲太

長島哲太(左)

長島哲太(中央)

エリック・グラナド(中央左)、長島哲太(中央右)、リカルド・カルダス(右)

(左から)長島哲太、スティーブン・オデンダル、アラン・ティチャー

Moto3

真崎一輝

真崎一輝

真崎一輝(#31)

鳥羽海渡(#32)

鳥羽海渡

鳥羽海渡(#32)

鳥羽海渡(#32)、真崎一輝(#31)

ナカリン・アティラットプワパット(#35)、アンディ・イズディハール(#34)