2016.10.02  CEVレプソルインターナショナル選手権 第7戦 スペインヘレス

長島が3位となり、3大会連続で表彰台に登壇

真崎がHonda勢トップの5位フィニッシュ。佐々木は6位

2016年10月2日(日)・決勝  会場:ヘレス・サーキット  全長:4.423km
Moto2 レポート

2016年FIM CEVレプソルインターナショナル選手権第7戦はスペインのヘレス・サーキットで開催されました。ヘレス・サーキットはスペイン南部の都市ヘレス・デ・ラ・フロンテーラにあり、全長4.423km、合計13のコーナーが連続する中低速のテクニカルなコースです。

長島哲太長島哲太

長島哲太長島哲太

Moto2では、前戦でスティーブン・オデンダル(AGR TEAM)がタイトルを決めており、今大会はランキング2位のアラン・ティーチャー(NTS T Pro project)と3位の長島哲太(Ajo Motorsport A.)の争いに注目が集まりました。長島はロードレース世界選手権(MotoGP)第14戦アラゴンGPのMoto2クラスに参戦し、続く第15戦日本GPにもワイルドカード参戦を予定しているだけに、今大会には万全の体制で臨みました。また、MotoGP第13戦サンマリノGPのMoto2クラスにドミニク・エガーターの代役で参戦したイケル・レクオーナ(RACE EXPERIENCE)も今大会に参戦しました。

長島哲太長島哲太

長島哲太長島哲太

予選ポールポジション(PP)はオデンダル、2番手はわずかの差で長島、3番手にはティーチャーが入り、フロントローに並びました。ディマス・プラタマ(ASTRA Honda Racing Team)は5番手、山田誓己(H43 Team Nobby Talasur)は10番手につけました。

山田誓己山田誓己

山田誓己山田誓己

そして迎えた決勝レース、ホールショットを奪ったのはPPスタートのオデンダル。2番グリッドの長島はマシンを浮かせてしまいスタートで遅れますが、すぐにばん回し、オデンダル、ティーチャーに次ぐ3番手につけます。山田はスタート直後の混乱で他車に追突されてしまい転倒、そのままリタイヤとなってしまいます。序盤は抜け出した上位3台がトップ集団を形成していましたが、4番手を争っていたプラタマ、アウグスト・フェルナンデス・グエッラ(TARGOBANK CNS MOTORSPORT)が、その集団に迫り、5台によるバトルとなります。

山田誓己山田誓己

その後、予選でフロントローにつけたオデンダル、ティーチャー、長島が速さをみせ、再び集団から抜け出して3台のトップ争いへと持ち込みます。レース中盤にティーチャーがトップを奪いレースを牽引。長島はオデンダルを抑え、一時2番手に浮上しますが、再びオデンダルが順位を奪い返すという接戦が続きました。レース終盤では長島がトップ争いから遅れ、オデンダルとティーチャーの2台による激しいトップ争いとなり、最終ラップに突入。この時点でトップを奪っていたのはオデンダルですが、最終コーナーで仕掛けたティーチャーとラインがクロス、一瞬早くティーチャーが抜け出てフィニッシュ。大接戦の結果はティーチャーが優勝、2位にオデンダル、長島は3位となりました。4番手争いを制したのはグエッラ、5位はプラタマが入りました。

Moto3 レポート

Moto3クラスは、2レース開催。日本人ライダーの鳥羽海渡(Asia Talent T.)はフロントローの3番手スタート。レッドブル・ルーキーズ・カップでタイトルを獲得した佐々木歩夢(Asia Talent T.)は8番グリッド、真崎一輝(Asia Talent T.)は13番グリッドからスタートしました。

真崎一輝真崎一輝

真崎一輝真崎一輝

レース1は鳥羽がホールショットを決めてレースを引っ張り、ラウル・フェルナンデス(ハスクバーナ)、マルコス・ラミレス(KTM)らとのトップ争いを繰り広げます。ですが、レース中盤、鳥羽は転倒を喫しトップ争いから脱落。代わってフェルナンデスがレースを引っ張ります。8ラップ目にはラミレスがトップを奪い、11ラップ目には追い上げてきたロレンソ・デッラ・ポルタ(ハスクバーナ)がラミレスを交わすなど、次々に順位が入れ替わります。しかし、14ラップ目には再びラミレスがトップを奪うとその順位をキープしてチェッカー。2位にデッラ・ポルタ、3位はフェルナンデスとなり表彰台に登りました。真崎は佐々木との5番手争いを制して5位。佐々木は6位となりました。

真崎一輝真崎一輝

佐々木歩夢佐々木歩夢

レース2はグリッドが変わりPPにカレル・ハニカ(KTM)、5番手に佐々木、6番手に鳥羽、14番手に真崎でスタートが切られました。ハニカがホールショットを奪い、それを数珠つなぎの集団が追いかけます。追い上げたラミレスとハニカのトップ争いにトニー・アルボリーノ(SIC 58 SQUADRA CORSE)が加わると、その後、鳥羽、佐々木、真崎も追い上げてきて、大きな集団となって周回を重ねました。トップを争うアルボリーノ、ラミレス、ハニカは激しくポジションを入れ替えながらバトルを続けます。その争いに加わろうと鳥羽は集団の後ろをピタリとマーク。佐々木も追随し、デッラ・ポルタら9台が上位争いを繰り広げました。終盤になると、その争いからラミレス、アルボリーノ、ハニカ、鳥羽が抜けて4台のトップ争いに。最終ラップに、アルボリーノがトップを走るラミレスの背後に迫り、オーバーテイクを仕掛け、真っ先にチェッカー。初優勝を飾りました。0.059秒差でラミレスが2位、0.208秒差でハニカが3位。鳥羽は0.387秒差の4位となりました。5位に佐々木、10位にナカリン・アティラットプワパット(AP Honda Racing Thailand)、14位に真崎が入りました。

Moto2 コメント

長島哲太(Moto2 3位)
「ヘレス・サーキットは、とても好きなサーキットなので万全の状態でレースに臨んだのですが、結果的には最後にトラブルが出てしまい、3位で終わってしまいました。レース前には3台の争いになると思っていたので、ポルティマオの反省を生かし、序盤は様子を見ていたのですが、最後はトラブルが出て勝負をできる状態ではなく我慢のレースになってしまいました。今回はアラゴンGPで得た課題を少しずつこなしていき、よくなっていったので、得られるものも多かったので、日本GPで巻き返せるようにがんばっていきます」

山田誓己(Moto2 リタイア)
「テスト無しでレースウイークに入りましたが、へレスはリズムがつかみやすいサーキットで、最初から比較的いいペースで走ることができました。予選まで順調に進んでいて、決勝でもトップ6を狙えそうでしたが、2周目に前を走るライダーを抜こうとした際に強引に被せられ、接触してしまい転倒でレースを終えることになってしまいました。ウイークを通していいフィーリングがあったのでこのようなかたちになってしまったのは残念です。最終戦のバレンシアはいい結果で終えられるようにがんばります」

Moto3 コメント

鳥羽海渡(Moto3 リタイア/4位)
「ヘレスは好きなサーキットの一つです。優勝することだけを考えていました。レース1では、激しいバトルの中、序盤トップに立つなど2、3番手の順位をキープすることができていましたが、ラスト10ラップのバックストレートエンドのブレーキングで、判断ミスにより他者と接触。転倒してしまいました。レース2でも、序盤から激しいバトルでしたが、路面温度も高くなっていたので、タイヤの消耗が早いと考え3、4番手の順位をキープし最後に仕掛けていこうと考えましたが、ラストラップに順位を上げることができず、4位で終えてしまいました。バレンシア戦は優勝を目指します」

佐々木歩夢(Moto3 6位/5位)
「今回は木曜日から練習走行があり、焦らずにゆっくりセットアップすることができました。マシンのセットはいい感じになっており、決勝に向けていいかたちで予選を終えることができました。レース1ではスタートしてから7台のトップグループについていけたものの、抜くことができずに6、7番手で進めてしまいました。残り7周で5番手のライダーが転倒してトップグループと離れてしまいました。レース2では、セッティングを変えて挑みましたが、ブレーキングで意図しない挙動が出てしまい前に行くことができませんでした。でも、マシンのフィーリングはよくなってきているので最終戦バレンシアは優勝目指してがんばりたいと思います」

真崎一輝(Moto3 5位/14位)
「今回も初めてのサーキットでした。Moto3のビデオなどを見てサーキットのレイアウトを覚えました。ですが、考えていた以上に難しく、初日はタイムが出なくてとても苦労しました。2日目は、感覚をつかみタイムが出始め、セットアップが上手くできました。レース1はスタートが上手く決まりトップグループについていくことができました。しかし、ついていくのが精一杯。残り3周でアタックができるようにタイヤ温存しようと作戦を変えたのですが、転倒者が出てしまい5位。レース2では、気温の変化などがあり、上手く自分の走りができず14位に終わってしまいました。最終戦では、気温の変化を考え自分の走り方を変えて挑みたいと思います」

Moto2 リザルト
Moto2(レース1)
順位 No. ライダー マシン 周回数 タイム/差
189アラン・ティチャーNTS NH-61729'51.492
244スティーブン・オデンダルKalex17+.075
345長島哲太Kalex17+1.796
437アウグスト・フェルナンデス・グエッラTech317+9.589
520ディマス・プラタマKalex17+9.804
651エリック・グラナドKalex17+12.201
77イケル・レクオーナKalex17+14.803
846マルセル・ブレナー Kalex17+15.150
993ラマダン・ロスリKalex17+23.440
1016ガブリエーレ・ルジュTech317+36.876
1136ジェイソン・ウリベKalex17+36.948
1218シャビ・カルダルスKalex17+37.471
133ルーカス・ツロヴィッチKalex17+46.094
1469ルイス・ロッシTransfiormers17+46.919
1524ミゲル・ポヤトス・アラルコンSUTER17+51.543
1715トーマス・シグヴァートセンKalex17+1:02.835
2071ポントゥス・デューランドKalex17+1:12.998
212アナ・カラスコSUTER17+1:13.978
2233 ジェレミー・バーネットARIANE17 +1:14.816
234ギヨーム・レイモンドFTR17+1:21.846
RT96ダビド・サンチスMir Racing10 +7Laps
RT76サムエーレ・カバリエリKalex3 +14Laps
RT32マックス・エンダーラインKalex3 +14Laps
RT17山田誓己Kalex-Honda1 +16Laps
RT22フェデリコ・フリーニKalex --
Moto3 リザルト
Moto3(レース1)
順位 No. ライダー マシン 周回数 タイム/差
142M.ラミレスKTM1629'03.317
248L.デッラ・ポルタハスクバーナ16+.862
323R.フェルナンデスハスクバーナ16+1.053
471D.フォッジャKTM16+1.993
531真崎一輝Honda16+5.383
633佐々木歩夢Honda16+5.595
95ジャウメ・マシアHonda16+10.538
1352ジェレミー・アルコバHonda16+11.490
1435ナカリン・アティラットプワパットHonda16+11.573
1744 トニ・アルボリーノHonda16+15.545
2021アロンソ・ロペスHonda16+25.066
2155ヤリ・モンテッラHonda16+25.574
2213ワリド・ソッペHonda16+28.757
2419ルフィノ・フロリドHonda16+31.018
2534アンディ・イズディハールHonda16+31.034
2714マッテオ・ギディーニCR016H16+38.656
30 27 マヌエル・ゴンザレス Honda 16 +50.964
3118アレイクス・ヴィウHonda16+56.898
3366エクトル・ガルソHonda16+57.957
3629リヴァン・ルーチェルTSR Honda16 +1:46.588
RT32鳥羽海渡Honda6 +10Laps
Moto3(レース2)
順位 No. ライダー マシン 周回数 タイム/差
144 トニ・アルボリーノHonda1629'06.045
242M.ラミレスKTM16 +0.059
392K.ハニカKTM16 +0.208
432鳥羽海渡Honda16 +0.387
533佐々木歩夢Honda16+1.120
612 マルコ・ベッツェッキマヒンドラ16+1.242
1035ナカリン・アティラットプワパットHonda16+13.211
1431真崎一輝Honda16+14.947
155ジャウメ・マシアHonda16+14.957
1713ワリド・ソッペHonda16+22.467
1852ジェレミー・アルコバHonda16+22.832
1934アンディ・イズディハールHonda16+22.841
2055ヤリ・モンテッラHonda16+23.465
2718アレイクス・ヴィウHonda16 +1:01.599
2866エクトル・ガルソHonda16 +1:01.608
3129リヴァン・ルーチェルTSR Honda16 +1:47.818
RT27マヌエル・ゴンザレスHonda13 +3Laps
RT21アロンソ・ロペスHonda7 +9Laps
RT19ルフィノ・フロリドHonda2 +14Laps
RT14マッテオ・ギディーニCR016H --
Moto2 ポイントランキング
順位 No. ライダー マシン 総合ポイント
-144スティーブン・オデンダルKalex206
-289アラン・ティチャーNTS NH-6149
-345長島哲太Kalex137
-451エリック・グラナドKalex109
-537アウグスト・フェルナンデス・グエッラTech387
-67イケル・レクオーナKalex79
-720ディマス・プラタマKalex66
818シャビ・カルダルスKalex54
976サムエーレ・カバリエリKalex54
-108ベルタン・ティボーSuter46
1116ガブリエーレ・ルジュTech346
1277リカルド・カルダスTransfiormers45
1336ジェイソン・ウリベKalex42
1487レミー・ガードナーKalex39
1593ラマダン・ロスリKalex36
1617山田誓己Kalex-Honda32
1722フェデリコ・フリーニKalex31
1815トーマス・シグヴァートセンKalex31
-1932マックス・エンダーラインKalex26
2046マルセル・ブレナーH4322
2196ダビド・サンチスMir Racing18
-2269ルイス・ロッシTransfiormers12
-2371ポントゥス・デューランドKalex9
-2456トーマス・グラディンガーFTR6
-2624ミゲル・ポヤトス・アラルコンSUTER4
-273ルーカス・ツロヴィッチFTR3
29 50 ラフィド・トパン・スキプト Honda 2
3113アンソニー・ウェストFTR1
Moto3 ポイントランキング
順位 No. ライダー マシン 総合ポイント
-148L.デッラ・ポルタハスクバーナ191
-242M.ラミレスKTM177
-332鳥羽海渡Honda103
-423R.フェルナンデスハスクバーナ92
533佐々木歩夢Honda83
644 トニ・アルボリーノHonda75
731真崎一輝Honda68
921アロンソ・ロペスHonda65
1252ジェレミー・アルコバHonda61
-145ジャウメ・マシアHonda34
-1535ナカリン・アティラットプワパットHonda33
2419ルフィノ・フロリドHonda9
2655ヤリ・モンテッラHonda6
27 34アンディ・イズディハールHonda4
Moto2

長島哲太

長島哲太

長島哲太

長島哲太

山田誓己

山田誓己

山田誓己

Moto3

真崎一輝

真崎一輝

真崎一輝

真崎一輝

佐々木歩夢

佐々木歩夢

佐々木歩夢

鳥羽海渡

鳥羽海渡

鳥羽海渡