2016.6.12 CEVレプソルインターナショナル選手権 第4戦 spainカタルニア

長島哲太3位/4位と好結果を残す。山田誓己は8位/14位となる

佐々木歩夢は3位/4位でMoto3表彰台に登壇

2016年6月12日(日)・決勝  会場:スペイン・バルセロナ  全長:4.655km
Moto2 レポート

2016年FIM CEVレプソルインターナショナル選手権の第4戦は、スペイン・バルセロナにあるカタルニア・サーキットで開催されました。このサーキットはバルセロナ市内から電車で行くことができるアクセスのいいことでも知られています。レイアウトは、シンプルでパッシングポイントが少ないコース。ただ今回はロードレース世界選手権(MotoGP)第7戦カタルニアGPのフリー走行で起きた事故を受けて、コースレイアウトが変更されて行われました。

Moto2の予選では、長島哲太(Ajo Motorsport A.)が初ポールポジションを獲得しました。WGP500cc(現MotoGP)チャンピオンのワイン・ガードナーの息子であるレミー・ガードナー(RACE EXPERIENCE)が予選2番手。また山田誓己(Nobby H43 Honda)は12番手となりました。

長島哲太長島哲太

山田誓己山田誓己

1レース目、ガードナーがスタートダッシュをみせ、レースを引っ張ります。長島はスタートで遅れ、1コーナーを5番手で通過、その後は混戦に巻き込まれます。激しいポジション争いからはじかれるように転倒する車両もあり、長島はその影響で後退、波乱のレースが始まりました。ガードナーはトップを独走し、それをスティーブン・オデンダル(AGR TEAM)が集団から抜け出して、追いかけます。3番手争いは大きな集団となり、エリック・グラナド(PROMORACING)が引っ張ります。長島は前に出るタイミングを図っていました。

長島哲太長島哲太

山田誓己山田誓己

9ラップ目、マシンから白煙を噴くガードナーにオレンジボールフラッグが提示されピットイン。代わって主導権を握ったのはリカルド・カルドス(PROMOTO SPORT)、それをグラナドと、3番手争い制した長島が追いかけます。しかし、3台の差は詰まることもなく均等な間隔となり、そのままの順位でチェッカーを受けました。予選12番手からスタートした山田はポジションを上げ、8位でフィニッシュしています。

長島哲太(右)長島哲太(右)

レース2もガードナーがホールショットを決め、長島は2番手につけます。ガードナーが逃げ、長島、オデンダル、カルドスの3台が僅差のバトルを展開しながら追いかけました。その3台の争いからカルドスとオデンダルが飛び出し、長島は4番手争いに飲み込まれます。長島は4番手争いを抜けようとしますが、グラナドが迫ります。争いは最終ラップまで続き、長島が最後に前に出て4位となりました。優勝はガードナーで、2位のカルドス、3位のオデンダルとともに表彰台に登りました。

Moto3 レポート

Asia Talent T.から参戦している鳥羽海渡が予選4番手となり2列目、真崎一輝は9番手で3列目、佐々木歩夢は23番手で決勝を迎えました。レース1、スタートダッシュをみせたのはアロンソ・ロペス(JUNIOR TEAM ESTRELLA GALICIA 0,0)ですが、スタート直後の多重クラッシュで、2ラップ目には赤旗が提示。レースは16ラップから10ラップに減算されて行われることになりました。

再スタートでもロペスが飛び出しますが、鳥羽がホールショットを奪い、トップに立ちレースを引っ張ります。ナカリン・アティラットプワパット(AP Honda Racing Thailand)も積極的に前に出ますが、トップ争いの最中に激しく転倒してしまいます。この影響で、L.デッラ・ポルタ(ハスクバーナ)、ロペスのトップ争いと3番手につけている鳥羽との差が開いてしまいます。3番手争いは大きな集団となり、鳥羽、真崎、佐々木らが激しいバトルをみせます。そこから鳥羽は抜け出し、前を追いかけます。快速を刻みデッラ・ポルタ、ロペスの背後まで迫り、トップ争いはこの3台に絞られます。

佐々木歩夢(#33)、鳥羽海渡(#32)、真崎一輝(#31)佐々木歩夢(#33)、鳥羽海渡(#32)、真崎一輝(#31)

佐々木歩夢(#33)、真崎一輝(#31)佐々木歩夢(#33)、真崎一輝(#31)

4番手争いは佐々木、真崎の2台となりますが、そこへ徐々にアルベルト・アレナス(マヒンドラ)が追いつき、争いが激化していきます。デッラ・ポルタ、鳥羽、ロペスの戦いは最終ラップまで続きます。しかし、ロペスと激しいポジション争いをみせ、2番手浮上していた鳥羽がまさかの転倒。優勝はデッラ・ポルタ、2位にロペス、激しい3番手争いを最後に制したのは佐々木、見事表彰台に登壇しました。真崎は7位でチェッカーを受けています。

佐々木歩夢佐々木歩夢

レース2の主導権を握ったのはデッラ・ポルタ、鳥羽は2番手に付け、佐々木、真崎もセカンド集団に加わります。鳥羽はデッラ・ポルタを追い詰めますが、5ラップ目に転倒。トップのデッラ・ポルタは逃げの体制に入り、2番手からトニー・アルボリーノ(SIC 58 SQUADRA CORSE)が追いかけます。3番手争いはアレナス、佐々木、真崎、ラウル・フェルナンデス(ハスクバーナ)、マルコス・ラミレス(KTM)の5台で繰り広げられました。

真崎一輝真崎一輝

鳥羽海渡鳥羽海渡

その後、転倒によってライダーがコースに残されたことから14ラップ目で赤旗が提示され、レースはそのまま終了。最終順位は優勝がデッラ・ポルタ、2位アルボリーノ、3位アレナスと続き、4位に佐々木、5位に真崎が入りました。

Moto2 コメント

長島哲太(Moto2 3位/4位)
「カタルニア・サーキットは、2014年に初めて走ったときから苦手なサーキットでしたが、グランプリを観戦し、コースサイドで走りをみながらチームスタッフやザルコ選手のマネージャーなどにアドバイスをしてもらい、少し苦手意識が薄れました。レース1ではスタートで少し出遅れてしまい、転倒したマシンを避けるためにコースアウトして順位を落としてしまいました。その後は、予想通り後半のペースがよかったので、なんとか3位表彰台を獲得することができました。レース2では、序盤からリアのグリップ感が少なく、後半は攻めることすらできずに我慢のレースとなってしまいました。今回はウイークを通して流れがよく、フリープラクティスからセッティングを変えずに、走りに集中させてもらいました。そのおかげで、予選ではポールポジションを獲得することができ、タイム的にもいいところまで持っていけました。次回は今回のよかった点をもっと伸ばして、どんなコンディションになろうと対応できる幅を作れる様にトレーニングし、優勝を目指して全力でがんばっていきます」

山田誓己(Moto2 8位/14位)
「グランプリではルイス・サロム選手のアクシデントがあり、本当に残念でした。そのことで、コースレイアウトが変わり、想像以上に攻略することが難しかったです。今回は木曜日、金曜日とフリー走行があったのですが、両日ともトラブルがあり走り込むことができずに出遅れていました。結局レースまでセットを合わせきれずに8位/14位という不本意な結果に終わってしまいました。全く思うように走れず悔しかったです。次のレースに向けて問題を一つひとつクリアしていきます」

Moto3 コメント

佐々木歩夢(Moto3 3位/4位)
「木曜日からの走行でセットアップに集中しました。でも最終セッションで転倒、仕上げてきたマシンを壊してしまいました。予選で集中してタイムを削っていくことか出来ず、さらにペナルティーで2つのポジション降格。最悪な予選結果になってしまいました。チームと僕の反省点、予選の持って行き方を話し合い、気持ちを切り替え、自信を持って前向き走ると誓いレースに臨みました。レース1は好スタートを切って、1周目には10番手までばん回し、ひたすら前を向きチェッカーまで全力を尽くしました。チェッカーを受けたときは自分が今何位にいるか分かりませんでした。モニターを見て3位ということを知りました。久しぶりに表彰台に登壇できてうれしいです。チームへの感謝の気持ちでいっぱいです。レース2もトップグループに着いてくことができました。赤旗中断になり、3番手争いをしていたのに4位になりました。このことから、常に前にいなければいけないことを学びましたね。次回のアスバセテも全力で挑みます」

真崎一輝(Moto3 7位/6位)
「コースの印象は、とても難しかったですね。前とコースが変わったので最後のシケインが特に難しかったです。レース前の作戦は、トップグループについていき、あまり無理をせずラスト2ラップでアタックする予定でした。実際はトップに少し差がついてしまい、うまくアタックできませんでしたが、スタートが決まり3番手争いができました。反省としては、グループを待ちすぎてアタックする時間をロスしてしまい、タイムを出し切れなかったことです。それでも今回のレースは、レベルアップできたと思うので、次回は表彰台に登れるようにがんばります」

鳥羽海渡(Moto3 リタイア/リタイア)
「カタルニアは好きなコースでしたが、コース変更により難しくなりました。フリー走行から単独でもコンスタントにタイムを出せていたので、スタートを決めてトップに立ち、後続を引き離そうと考えました。ですが、スリップストリームがよくきいたこともあり、ホームストレートでいっきに4番手まで落ちました。3周目に2番手走行中のライダーがハイサイドで転倒し、マシンが自分のリアタイヤに当たり、トップとの差が広がってしまいました。ですが、最終ラップの1コーナーで2番手まで上がることができました。10コーナーで3番手に落ち、最終シケインで抜こうと考えました。シミュレーションはしていたので行けると思ってトライしましたが、リアブレーキを踏みすぎ、転倒。エンジンがかからずコースに戻ることができませんでした。レース2は、無理せずに行ったのですが、2番手走行中にフロントから、転倒してしまいました。今回の転倒により、ポイントランキングでも大きく差がついてしまい、ホントに悔しくて、夜もあまり寝ることができませんでした。こんな悔しいレースは、二度としたくないので、この気持ちをバネに次戦がんばります」

Moto2 リザルト
Moto2(レース1)
順位 No. ライダー マシン 周回数 タイム/差
1 77 リカルド・カルダス Transfiormers 17 31'44.925
251エリック・グラナドKalex17 +0.472
345長島哲太Kalex17 +1.020
437アウグスト・フェルナンデス・グエッラTech317+12.099
57イケル・レクオーナ Kalex17+19.569
616ガブリエーレ・ルジュTech317+30.698
 
736ジェイソン・ウリベKalex17+32.585
817山田誓己Kalex-Honda17+38.174
932マックス・エンダーラインKalex17+45.102
1076サムエーレ・カバリエリKalex17+45.321
1115トーマス・シグヴァートセン H4317+45.444
1271ポントゥス・デューランドKalex17 +49.100
1396ダビド・サンチスMir Racing17+55.473
173ルーカス・ツロヴィッチFTR17+1'30.000
182アナ・カラスコ MVR17+1'30.092
1981アレックス・ベルナルディ Suter17+1'41.243
206マイケル・アキノAriane16+1Lap
214 ギヨーム・レイモンドFTR14+3Laps
RT8ベルタン・ティボーSuter16  
RT18シャビ・カルダルスKalex15
RT44スティーブン・オデンダルKalex13
RT87レミー・ガードナーKalex9
RT46マルセル・ブレナーH439
RT 13 アンソニー・ウェスト FTR 6
RT20ディマス・プラタマKalex4
RT89アラン・ティーチャー NTS NH-61
RT 93 ラマダン・ロスリ Kalex  
Moto2(レース2)
順位 No. ライダー マシン 周回数 タイム/差
187レミー・ガードナーKalex1731'39.150
277リカルド・カルダスTransfiormers17+2.500
344スティーブン・オデンダルKalex17+4.438
445長島哲太Kalex17+10.169
551エリック・グラナドKalex17+10.589
67イケル・レクオーナKalex17+16.208
737アウグスト・フェルナンデス・グエッラTech317+19.047
820ディマス・プラタマKalex17+29.466
918シャビ・カルダルスKalex17+30.685
1016ガブリエーレ・ルジュTech317+31.978
1136ジェイソン・ウリベKalex17+32.340
128ベルタン・ティボーSuter17+41.010
1376サムエーレ・カバリエリKalex17+41.299
1417山田誓己Kalex-Honda17+41.672
1515トーマス・シグヴァートセン H4317+48.675
1646マルセル・ブレナーH4317+48.747
1732マックス・エンダーラインKalex17+48.927
1896ダビド・サンチスMir Racing17+57.317
1913アンソニー・ウェストFTR17 +1'01.289
232アナ・カラスコMVR17 +1'24.038
2581アレックス・ベルナルディSuter17
266マイケル・アキノAriane17
RT 3ルーカス・ツロヴィッチFTR9
RT71ポントゥス・デューランドKalex8
RT4ギヨーム・レイモンドFTR3
RT89アラン・ティーチャーNTS NH-6
RT93ラマダン・ロスリKalex
Moto3 リザルト
Moto3(レース1)
順位 No. ライダー マシン 周回数 タイム/差
148L.デッラ・ポルタハスクバーナ1019'19.097
221アロンソ・ロペスHonda10+1.976
333佐々木歩夢Honda10+7.329
45ジャウメ・マシアHonda10+7.364
511 A.アレナスマヒンドラ10+7.608
676M.ユルチェンコKTM10+7.688
 
731真崎一輝Honda10+8.286
1055ヤリ・モンテッラHonda10+10.644
1743ビセンテ・ペレスBeon10 +23.940
1813ワリド・ソッペHonda10+24.255
2566エクトル・ガルソHonda10+46.204
2698ウォルター・スリスHonda10+46.957
2718アレイクス・ヴィウHonda10+53.182
28 36 サンダー・クローゼHonda 10 +1'08.106
RT32鳥羽海渡Honda9  
RT44 トニ・アルボリーノHonda7  
RT35ナカリン・アティラットプワパットHonda2  
RT29リヴァン・ルーチェルTSR Honda2  
RT52ジェレミー・アルコバHonda
RT14マッテオ・ギディーニCR016H1
RT34 アンディ・イズディハールHonda
Moto3(レース2)
順位 No. ライダー マシン 周回数 タイム/差
148L.デッラ・ポルタハスクバーナ1325'07.958
244 トニ・アルボリーノHonda13+2.302
311A.アレナスマヒンドラ13 +6.390
433佐々木歩夢Honda13+6.602
523R.フェルナンデスハスクバーナ13+6.809
631真崎一輝Honda13+6.931
821アロンソ・ロペスHonda13+8.393
935ナカリン・アティラットプワパットHonda13+12.101
1352ジェレミー・アルコバHonda13+13.887
1734アンディ・イズディハールHonda13+32.065
2043ビセンテ・ペレスBeon13+37.547
2113ワリド・ソッペHonda13+37.682
2666エクトル・ガルソHonda12+1Lap
2818アレイクス・ヴィウHonda12+1Lap
2936サンダー・クローゼHonda12+1Lap
3229リヴァン・ルーチェルTSR Honda12+1Lap
RT5ジャウメ・マシアHonda10 
RT32鳥羽海渡Honda4 
RT98ウォルター・スリスHonda3 
RT55ヤリ・モンテッラHonda 
RT14マッテオ・ギディーニCR016H 
Moto2 ポイントランキング
順位 No. ライダー マシン 総合ポイント
-144スティーブン・オデンダルKalex111
-289アラン・ティーチャーNTS NH-672
351エリック・グラナドKalex66
445長島哲太Kalex65
537アウグスト・フェルナンデス・グエッラTech348
-677リカルド・カルダスTransfiormers45
787レミー・ガードナーKalex39
87イケル・レクオーナKalex39
976サムエーレ・カバリエリKalex37
108ベルタン・ティボーSuter37
1136ジェイソン・ウリベKalex37
1218シャビ・カルダルスKalex33
1316ガブリエーレ・ルジュTech330
1422フェデリコ・フリーニKalex29
1515トーマス・シグヴァートセン H4326
1620ディマス・プラタマKalex26
1717山田誓己Kalex-Honda24
1832マックス・エンダーラインKalex19
1996ダビド・サンチスMir Racing14
2069ルイス・ロッシTransfiormers10
2171ポントゥス・デューランドKalex9
2293ラマダン・ロスリKalex8
2356トーマス・グラディンガーFTR6
2846マルセル・ブレナーH431
Moto3 ポイントランキング
順位 No. ライダー マシン 総合ポイント
148L.デッラ・ポルタハスクバーナ118
242M.ラミレスKTM87
321アロンソ・ロペスHonda65
432鳥羽海渡Honda64
533佐々木歩夢Honda55
671D.フォッジャKTM50
-831真崎一輝Honda47
952ジェレミー・アルコバHonda45
-1344 トニ・アルボリーノHonda33
1435ナカリン・アティラットプワパットHonda17
155ジャウメ・マシアHonda16
1919ルフィノ・フロリドHonda9
-2255ヤリ・モンテッラHonda6
Moto2

長島哲太

長島哲太

長島哲太

長島哲太

長島哲太(右)

山田誓己

山田誓己(#17)

山田誓己

Moto3

佐々木歩夢(#33)、鳥羽海渡(#32)、真崎一輝(#31)

佐々木歩夢(#33)、真崎一輝(#31)

佐々木歩夢

佐々木歩夢(#33)

佐々木歩夢

佐々木歩夢(右)

真崎一輝

鳥羽海渡